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2010/11/3・4の日記(その3):第101回立教大学グリークラブ女声定演

前記事「2010/11/3・4の日記(その1)」では触れなかった演奏会リポートの第2弾。

11月4日の晩「第101回立教大学グリークラブ女声合唱団定期演奏会」を聴きました。

まずお断り。いつも以上に長い記事になった上、批判的な記述が多めです。頭ごなしの罵詈雑言や放言は差し控えたつもりですが、気分を害する方がいらっしゃるのではという不安が拭い去れません。あらかじめお詫び申し上げます。


エール「立教大学校歌 栄光の立教」

電車の乗り換えミスなどをやらかしたせいで、入場はギリギリ開演に間に合わず、エールだけロビーでスピーカーを通して聴いた。

スピーカーごしゆえディテールまで突っ込んで聴けなかったけど、いろんな面で立教女声の伝統をしっかり引き継いでいることはエールから分かった。好ましい伝統は、ノンビブラートで透明度の高いトーン。好ましくない伝統は、コンセントから電源プラグを力任せに引っこ抜くかのようにブチンと切るフレーズの収めかたをしばしばやらかすこと。

プログラムに記載されたメンバーは、Sopranoが26名、Mezzo Sopranoが29名、Altoが28名、計83名。女声合唱団としては大所帯。

第1ステージ:『MISSA in A』

Kocsar Miklos作曲
湊晋吾指揮

全体にピッチが安定しており、アンサンブルも破綻なく整っていて、現代作曲家コチャール作品ならではのハーモニーはばっちり。

何人か登場したソロ、皆さん素晴らしい。

ピッチを左右する発声。Altoはせきの現役時代から自他ともにエリートと認めるパートで、この盤石さが今も引き継がれているのは見事。Mezzo Sopranoもさすが。問題はSopranoで、へたった声がCredoの「qui propter 〜」以降から目につきだした。

難があると思ったのは発音。母音のつくりは日本語だと及第だが西欧言語としては浅い。子音も飛ばない。いちばん気になったのは「excelsis」という語で、ことごとくekshelsisでなくeshesisに聞こえる。ほか「gloria」のLが聞こえなかったり、DがしばしばNに聞こえたり。ついでに、Rは巻き舌を使うほうがいいと思う。

あ、「peccata」のKKAを促音ぽく発音してたのは分かりました。

第2ステージ:合唱組曲『サハラ』

園田恵子作詩/荻久保和明作曲
神山聡美(学生)指揮/田村祥子ピアノ

前項でも触れたSoprano、このステージで一番ボロが出た。声区転換で何度かコケていたし、歌い回しが「ワ・レ・ワ・レ・ハ・ウ・チュ・ウ・ジン・ダ」みたいに1シラブルずつ音を置いてゆくような感じでフレージングどうこう以前の状態だったし。

フレージングについては、全般に語頭を拾おうとか語尾を収めようとかいうのがよく分からなかった。でも、Mezzo SopranoとAltoはフレーズが点の連なりでなく線としてつながって聞こえましたぞ。

曲全体の起伏はちゃんと音になっていたと思う。荻久保作品のAllegroの底に流れる狂気も若干ながら感じ取れた。学指揮さんに拍手。

第3ステージ:女声合唱組曲『光る砂漠』より

矢沢宰作詩/萩原英彦作曲
湊晋吾指揮/田村祥子ピアノ

本来は全9楽章の組曲だが、第2曲「恋の詩でも読んだあとのように」と第4曲「海辺で」をカットした7曲が演奏された。やっぱり全曲やっていただきたかった。一般的な演奏会よりステージ数が少ない3ステージ構成なんだし、演奏会の時期は例年より半月ほど遅かったわけだし、演奏者のみなさんの様子を見てると全楽章を歌いとおすことは問題なくできたはず。せきの現役時代、今は名誉部長の皆川達夫先生からしばしば「立教グリーは最後の最後まで詰めていこうという努力をしない点がよくない」というお叱りをいただいたものだが、その意味を実感できたような気がする。

関連して、プログラムのパンフレットでは「2. 早春」「3. ほたるは星になった」〜「7. ふるさと」みたいに省いた曲を詰めてナンバリングされていたが、あの数字は楽章番号であるから「3. 早春」「5. ほたるは星になった」〜「9. ふるさと」みたいに書くべきだったろうと思う。

演奏は他2ステージと同様で、ピッチ崩壊やアンサンブル破綻が全くみられない。「早春」冒頭の独唱も特筆すべき抜群。

ただ、詩には喜びや決意の言葉が綴られているのに、そしてその背景には病身ゆえの生への渇望があるのに、歌声から聞き取れる表情の変化はあまりにも少ない。湊氏がタクトで煽っても歌い手の反応は薄い。せき自身の問題として前日の耕友会コンサートで繰り広げられた熱演との落差などを疑ってみたけど、どうもそればかりではなさそうだ。

もしかすると立教女声って自分たちの歌唱表現で客席に何かを伝えようという意識づけが稀薄なのかもしれない。ここまでケチをつけてきた発音や発語の問題も根っこはそこにあろう。演奏会=成果発表会というスタンスならそれはそれで結構だが、それにしても入場料1,000円(チケット交換をやってると意識しにくいが)や時間などのコストをさいて足を運ぶ聴衆に思いを馳せてみては。

これだけ厳しいことを書き連ねるとダメさ加減ばかり読者の印象に残るかもしれない。実際そんなことはなく、終演後に来場者の方々が口々に感銘の声を漏らしながらホールを去っていた。どこに素晴らしさを感じたかは理解も共感もできるし、その感銘は確かに本当と認める。

アンコール

湊氏アンコールは、いきものがかり「Yell」鷹羽弘晃編曲版、すなわち2009年度Nコン中学の部課題曲。本編より声が出ておりイキイキ歌っていたように聞こえた。

学指揮アンコールは、高田三郎作曲「風が」(組曲『心の四季』第1曲)。端正な演奏。

しめくくりとして皆川名誉部長がお出ましになり恒例の「神共にいまして」。経験者としては無条件で胸に来る。ある時期、皆川名誉部長は「もうステージでは振らない」とおっしゃったことがあったように認識していたが、神共は指揮なさると知って安堵した。先生いつまでもお元気で。そして皆さんお疲れ様でした。


休憩中、せきが存じ上げる方にロビーで何人もお目にかかった。

ご挨拶などさせていただいたのは、スタジオ全の駒崎さん、昭和30〜40年代卒団の大先輩数名、そして2年先輩で現役当時Bassパートリーダーだった方。最後に記した先輩と一番長いこと立ち話をし、せきの同期にあたる御連れ合いに見せるということで写メを撮ったりもした。

OB男声合唱団スタッフや女声合唱団しおん幹部諸氏ともすれ違ったが会釈程度。


9日後の11月13日は同じホールで男声定期演奏会がある。ただ、昨年まで歌っていた新潟ユース合唱団の第2回演奏会が同じ日にあり、せきはそのステマネを仰せつかっているので残念ながら伺えない。後輩の皆さん顔晴がんばってね!

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