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2014/11/08の日記:第105回立教大学グリークラブ男声定期演奏会

11月8日、日帰りで首都圏に行き、わが出身団体による「第105回立教大学グリークラブ男声定期演奏会」を聴いてきた。出演者・スタッフ・来場者の皆様、演奏会お疲れ様でした。

男声単独の定期演奏会は2005年(第96回)以来。その翌年も定期演奏会を聴いたが、このときは男女合同であった。


11時過ぎに長岡駅から上越新幹線に乗り大宮で埼京線に乗り換えてJR川越駅で降り、バスに乗って本川越駅へ。駅前で遅めの昼飯をいただいたのち、周辺を散策。大学〜大学院在学中、本川越駅の真裏に住んでいたもので、当時の住まいがあった場所に足を運んだら、なんと更地になっていた。さらに、家主さんのお宅の前を通ったら、表札が変わっていた。十余年という時の流れを実感する。

本川越駅から西武新宿線に乗って航空公園駅で降り、駅から歩いて所沢市民文化センター ミューズへ。並木道は西欧の雰囲気。

会場のアークホール(大ホール)はパイプオルガンを備えた見事なホール。

プログラムパンフレットに記載されたメンバーは、Top Tenor=16名、Second TenorとBaritoneとBassが各11名、計49名。

エール
「St.Paul’s will shine tonight」
編曲:鶴岡陽一
指揮:小林真人(学生)

せきが現役だった当時は「Rikkyo College Song」という肩書だったが、この日は「立教大学第二応援歌」と紹介されていた。プログラムパンフレットで「’s」をことごとく「,s」と書いていたのは頂けない。

鶴岡先輩(故人)による編曲はきっちりハモらせるのが意外と難しいのだが、なかなかしっかりした演奏というのがわが印象。

おもしろいところでタメをつくる指揮だなと思った。あとのステージを聴くと、もしかすると高坂先生の影響があるのかも。

第1ステージ
『MISSA in honorem Sancti Huberti』
作曲:Franz Nekes
指揮:黒岩英臣

作曲者は19世紀後半に聖歌隊の作曲で活動した人とのこと。簡素ながらロマン派の響きをたたえた小ミサ曲で、日本では関西学院グリークラブが林雄一郎氏のステージで取り上げたことがある程度かな。立教男声が取り上げるのは2度目。

黒岩先生の指揮は往々にして濃厚すぎる傾向があるように思うが、今回は音楽の表情が的確に伝わる演奏だったと思う。合唱もしばしば倍音が鳴っていた。

第2ステージ
男声合唱組曲『北斗の海』
作詩:草野心平/作曲:多田武彦
指揮:高坂徹

今回の演奏会の中ではこのステージがベストだったと思う。曲間で全く音を取り直すことなく進んだのは歌い手の充実ぶりあってこそ。

高坂先生の指揮による演奏を聴くのは3年ぶりぐらい。前に聴いたときに比べると、ずいぶんサウンドに円熟味が増したように思う。全体に、これまで他団体・他の指揮者で聴いてきた『北斗の海』よりも早めのテンポで、でもこの組曲を演奏するときにつきまといがちな粗暴さは皆無であった。

このステージだけ、各パートの声が、立教大学グリークラブOB男声合唱団のパートリーダーを思わせるような音色で揃っていた。せきがOB男声に混じって歌っていた当時は高坂先生のステージについて同団の技術系スタッフが現役の指導に加わっていたものだが、高坂先生は2〜3年ほど前にOB男声の常任指揮者を退いたそうで、今はどうなっているのだろう。

2曲目の独唱はBaritoneで歌われたように見受けられる(譜面での指定はTenor)。なかなかの安定感で、海を見渡すような雰囲気だった。

ところで、今年の東京都合唱コンクール「大学職場一般部門 大学ユース合唱の部」で、Choir Novitasという団体が出場して、この組曲から第3曲「風景」と終曲「エリモ岬」を歌った。指揮者は今年度立教グリー男声学生指揮者の小林くん。おそらく現役有志から成る団体だろう。もしそうなら、長年コンクールから距離を置いていた立教グリーがコンクールに挑戦した点が興味深い。総合順位は残念ながら最下位だったが、定期演奏会での演奏を聴く限りでは信じ難い。

第3ステージ
男声合唱とピアノのための『初心のうた』
作詩:木島始/作曲:信長貴富
指揮:小林真人(学生)/ピアノ:内木優子

混声合唱版・女声合唱版を含め、この組曲を全楽章聴くのは初めてである。聴いた記憶があるのは混声版の第1曲のみ。

音取りにやや骨が折れる組曲のように思うが、全くサウンドに破綻がなかったし、緊張と緩和の切り替えも適切だったように思った。ただ惜しむらくは棒うたい気味だったような印象。他の日本語ステージ曲から言葉のさばき方について学び応用できるところが多かったはずなのだが……。

内木先生がプログラムに寄稿したメッセージは、より良い演奏をするための練習の組み立て方についてのアドバイスが軸であった。このへんに近年の現役の状況を知るヒントがあるのしらん。

第4ステージ
男声合唱組曲『水のいのち』
作詩:高野喜久雄/作曲:高田三郎
指揮:高坂徹/ピアノ:久邇之宜

高坂先生がプログラムに寄稿したメッセージには、東日本大震災の直後に入学・入団した今年度幹部学年がこのたびの定期演奏会で無事に卒団を迎えることへの想いを綴ると共に、《特に今年度は「永遠なるもの」「普遍」を探求すべくオーソドックス中のオーソドックスたる「水のいのち」で「命、水、海、輪廻」を》と記されている。また久邇先生もプログラムに《今回の「水のいのち」は本当に正統派中の正統派に仕上がり》と書いておられる。

まさしく両先生がおっしゃるとおり、たいへん実直にして端正な演奏であった。ただ、高田作品にストイックさや張りつめた気迫を求める聴き手にとっては物足りなさを感じた人もいらっしゃいそうな気がする。

アンコール

高坂先生+久邇先生のアンコールは、大木惇夫作詩/佐藤眞作曲「大地讃頌」。幹部学年が東日本大震災という天変地異を経て入団したことと、組曲『土の歌』における「大地讃頌」の役割を考え合わせると、極めて重たい意味を持つ選曲である。演奏は詩に寄り添った丁寧なもの。

鉢巻に法被姿で登場した黒岩先生のアンコール、北原白秋作詩/多田武彦作曲「鮪組」(組曲『三崎のうた』終曲)。黒岩先生がタダタケということに驚いた。でも最後「おさかもり」の「か」でfpからのcresc.をしたところが黒岩先生ならでは。

学生指揮者・小林くんのアンコールは、星野富弘作詩/新実徳英作曲「ばら・きく・なずな」(組曲『花に寄せて』終曲)。楽曲の力も相まって、胸に迫るものがあった。

しめくくりとして恒例の「神共にいまして」。だがおなじみの皆川達夫名誉部長でなく引き続き小林くんのタクトであったのが一OBとして切ない。


終演後、大先輩の方々と餃子屋さんで杯を共にさせていただき、ご無沙汰している間に起きたもろもろ(詳細割愛)について伺う。

帰りの電車ではレセプションからお帰りの久邇先生もご一緒であった。


せきは電車を新宿三丁目駅で下車し、新宿のビックロなどで時間を潰したあと、新宿駅前から夜行バスに乗って明け方に帰宅。

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