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酒を造る里のものがたり

今年2月13・14日に「酒を造る里のものがたり」というコンサートが、旧越路町・現長岡市の朝日酒造エントランスホールで開催されました。せきがこれを知ったのは、後で地元の新聞紙上で記事として取り上げられてからだったように記憶しています。

そのコンサートの模様を追ったドキュメンタリー番組『酒を造る里のものがたり〜〜酒屋唄と新作合唱曲「酒造り唄」〜』が本日夕方に新潟放送で放映され、視聴しました。


朝日酒造は音楽活動に理解のある酒蔵で、たいへん響きのよいエントランスホールを合唱団の練習に貸し出したり演奏会会場として提供したりしています。

番組によると、同社は2008年の初め、酒屋唄(杜氏・蔵人の仕事唄)を合唱曲にして後世に残そうというプロジェクトを立ち上げました。そこで上越教育大学名誉教授の茂手木潔子氏が「労働の現場から離れたところで合唱曲に仕立てたら酒屋唄の本質が損なわれてしまう。酒屋唄の原型を最大限に活かす曲にせねば」という方針を提唱したようです。これに沿い、蔵人が働きながら(正確には、昔の作業工程を再現しながら)歌うさまと合唱演奏のコラボレーションという、稀少かつ貴重な楽曲が出来上がることになりました。

確かに、民俗素材による合唱曲は、作曲家のファンタジーが大なり小なり影響を及ぼし「合唱曲」として独立した作品になるものがほとんどです。せきの知る限り、民俗素材による合唱曲で、オリジナルの演奏者と合唱団とが一緒に演奏した事例は、日本だと法政大学アリオンコールの演奏会で柴田南雄「萬歳流し」に横手萬歳の人が参加したぐらいだと思います。

今回、作曲を担当したのは菅野由弘氏。邦楽器を用いた楽曲や日本の伝統音楽を取り入れた作品(器楽曲)が多いということで白羽の矢が立ったようです。合唱曲もいくつか書いておられますが、Nコン課題曲「風を拓いて」みたいなタイプの作品が主です。番組内では菅野氏の作曲中の模様を取材したVTRも流れ、その中で氏は「酒屋唄は素材そのままが一番いいんだけど……」と、作曲家はどうあるべきかの苦悩を口にしておられました。


番組ではコンサートの模様も流れましたが、残念ながら抜粋だったように見えました。指揮は作曲者ご本人。練習指揮および音頭取り役(独唱)は山本義人氏。合唱は混声で5曲だか6曲だか、うち「仕込み唄」は男声合唱として演奏されました。

合唱曲パートは、小山清茂作品や小倉朗作品などに近いスタイルだと感じました。再演する価値のある曲だと思うんですが、地元以外の地域で取り上げたり、蔵人とコラボせず合唱だけで演奏したりすると、楽曲が作られた主旨から外れるかもしれないというのが気がかりです。


番組の最後に、長岡市街地の中心部にある阪之上小学校で行われた、蔵人さんたちを招いて児童たちが酒造り唄を再現する公開授業のVTRがくっついていました。プロジェクト一連の流れということのようです。


『酒を造る里のものがたり〜〜酒屋唄と新作合唱曲「酒造り唄」〜』は年明け1月5日の昼間、14時から再放送予定とのこと。新潟県ローカルの番組なので、ご興味のある新潟の合唱人はどうぞ。



追記

『民俗素材による合唱曲で、オリジナルの演奏者と合唱団とが一緒に演奏した事例』について、ツイッター上で高橋直樹氏から下記のご教示をいただきました。

有難うございます。せきが不勉強なだけで、他にもこういう事例はいろいろあることでしょう。

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