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2011/02/12の日記(その1):合唱団NEWS第13回演奏会

だいしホール 於 新潟市中央区で行われた「合唱団NEWS第13回演奏会 〜ア・カペラ100%〜」を聴いてきた。この混声合唱団の演奏会に行くのは2度目。新潟ユース合唱団を通じてご縁が出来たメンバーが何名かいて、大入りの客席にも仲間がちらほら。さらに、えちごコラリアーズに参加してからは、同じ時間帯に近くの練習会場を使っているよしみで練習室に顔を出しあうというつながりもできた。


合唱団NEWSは1〜2年に1作品のペースで、新潟市出身の作曲家・佐藤さおり氏に合唱作品を委嘱・初演し、歌い継いでいる。穏やかに明るくて和やかなパフォーマンスやサウンドのが印象的な団だが、それは佐藤氏の作品から受けてきた影響も大きそうな感じがする。

佐藤氏の作風は、北川昇氏や上田真樹氏あたりの方面にカテゴライズされるように思う。また、フランスを拠点に演奏活動をしながら作曲している点は松本望氏と共通する。いずれにせよ、もっと合唱界で広く歌われてしかるべき作曲家であろう。せきは箕輪久夫先生の音楽生活50年記念コンサートで「天空」というピアノ付きの小品の初演に参加した経験がある。

この団が佐藤作品の中でも特に好んで取り上げているレパートリーが、山田ゆきえという人の詩をテキストにした小品集。

今回、プログラムの後半で、山田氏書き下ろしの詩による佐藤氏の合唱曲が特集された。新作初演も含まれているわ、山田氏が初めて演奏会にご臨席になるわ、お二人の縁がNEWS演奏会当日の新潟日報朝刊で紹介されるわ、そりゃもう大騒ぎさ、なのである。


せきは14時半の開演ギリギリに会場に駆け込んだ。あまりにもギリギリすぎて最初のステージは客席に座る時間すらなく、後ろで立って拝聴する。

【西洋編】ビクトリア没後400年

  • O quam gloriosum est
  • Missa O quam gloriosum est より
    • Kyrie
    • Gloria
    • Sanctus – Benedictus
    • Agnus Dei

Tomas Luis de Victoriaの作品は、NEWSがしばしば取り上げるレパートリー。さすがに手慣れたステージで、よく整理されたポリフォニーだった。

モテットはパートがシャッフルされた形で1列の半円形になって演奏されたが、ミサ曲ではオーソドックスなSATBの並びに転換しての演奏。ミサはCredoが割愛された。

【邦人編】多田武彦混声合唱曲集

  • 柳河〔組曲「柳河風俗詩」第1曲〕
  • 雨〔組曲「雨」第6曲〕
  • 木兎〔組曲「わがふるき日のうた」第4曲〕
  • ここが美しいそれは……〔組曲「京都」第6曲〕
  • 作品第貳拾壹(宇宙線富士)〔組曲「富士山」第5曲〕

おそらく初挑戦の多田作品。せきも混声で聴くのは初めて。このステージから客席で聴く。

「わがふるき日のうた」から1曲ピックアップするなら「甃のうへ」「郷愁」「鐘鳴りぬ」「雪はふる」のどれかって団が多いようだけど、今回「木兎」を選んだのが珍しい。

「ここが美しいそれは……」はオリジナルの混声合唱曲、それ以外は男声合唱からのトランスクリプション。この男声版、せきはすべてステージで歌った経験があり個人的に馴染み深いのだが、今回の演奏から、多田氏が混声合唱に対して抱くイメージを通して作品の別の面が見えたような思いがして、興味深く聞いた。

ただ、この作曲者は男声作品を混声にトランスクリプトする際キーを下げることが多いのだが、今回「柳河」「作品第貳拾壹」でBassメンバーの一部に男声版のキーを引きずったかのように見受けられる音程の狂いが生じていて残念。

蛇足ながら、今後タダタケに再挑戦するなら「季節のたより」や混声版「中勘助の詩から」あたりはいかがでしょう。

【佐藤さおり編】

  • 憧憬
  • 無伴奏混声合唱のための「アルバムIII」より「聖」〔委嘱〕
    • Ave maris stella
    • Pange lingua
    • Veni Creator Spiritus
  • 無伴奏混声合唱のための「アルバムIII」より「央」〔委嘱初演〕
    • 植物
    • 少年
    • 終夜
  • またね
アンコール
  • 地球の歌
  • さくらのはなびら

インターミッションを挟んでの後半は、アンコールも含め佐藤作品づくし。

佐藤氏が作曲活動を始めてしばらくは日本語詩による親しみやすい小品が主だったけれど、パリに留学・移住した2000年代後半から先鋭的な技法を用いた作品やラテン語の聖句に作曲した作品が目につくようになった。

後者の典型例が、昨年の合唱団NEWS演奏会で初演された「聖」である。これは3曲ともグレゴリオ聖歌を起点に独自の音世界が展開されてゆくモテット。演奏会前半で演奏された「O quam gloriosum est」およびそのパロディミサ曲と似た関係にある。大学時代Josquin des Prez作曲「Missa Pange lingua」を歌った身としては、同じ聖歌が使われている「Pange lingua」に懐かしさと新鮮さをことのほか感じた。

今回初演された「央」は、「憧憬」「またね」同様に山田ゆきえ氏の詩がテキスト。違う世界を通過した作曲者が一周まわって出発点に戻ってきた、という感じのサウンド。この曲集の命名は作詩者で、「なかば」と読ませている。

「またね」のあと、客席の作詩者が紹介され、場内は大喝采。あ、山田氏の顔写真や「またね」テキストが、ブログ「コンチェルト2号感動の毎日」の「よかった〜!合唱団NEWSさん!」という記事に載ってますね。


アンコールが終わり終演、と思いきや、この演奏会はロビーストームも行う。さっき初演したばかりの「終夜」もさっそく歌っていた。

ここで知り合いである出演者諸氏とご挨拶。お茶を飲みに伺ったときにいらしたメンバーは「おお」という反応だったが、久しぶりに顔を合わせる代表さんは本気でびっくりしてたみたい。


出演者・来場者の皆様、お疲れ様でした。幸せな気分になれる演奏会でしたね。

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