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2011/06/05の日記:タダタケを歌う会“コンサート第壹”

日帰りで上京し、午後から虎ノ門のJTアートホールアフィニスで催された「タダタケを歌う会“コンサート第壹”」を聴いてきた。その名の通り、演目はすべて多田武彦氏の書いた男声合唱曲。

この団体の存在はかねてから気になっていた上、お世話になった立教大学グリークラブOB男声合唱団の先輩が何名もいらっしゃるので、都合をつけて客席に馳せ参じようと思っていたのだ。6月5日は男声合唱団トルヴェール・えちごコラリアーズの両団とも練習日ではなく、スケジュールで気兼ねする心配が無用だったことで背中を押された。


客席は大入り満員。立教関係者も多く、ほとんどの先輩方にはインターミッションや終演後にご挨拶申し上げた。

それにしても、演奏前やインターミッション中に客席でペットボトルや水筒を取り出して何か飲む人が散見されたことには唖然とした。


開演に先立ち、新倉幸四郎団長(立教グリーOBの先輩のおひとり)によるご挨拶。震災を経て演奏会を開くに至った経緯などのお話があった。この演奏会では入場料収益の全額を日本赤十字社に寄附することになっていて、それで25万円を超える義捐金が集まったという御礼も。

プログラムのパンフレットを読むと、多田氏から計4ページものメッセージを寄稿いただいているし、各ステージの曲目解説も簡潔にして詩・音楽双方に目配りの利いたものだしで、見事な編集ぶりは驚嘆もの。

Stage I

男声合唱組曲『東京景物詩』
作詩:北原白秋 作曲:多田武彦
指揮:藤田正浩

きちんと要所を踏まえた端正な演奏。ただ、組曲の後半から、声の立ち上がりにTenor系とBass系で若干の時差が見え隠れしたのが気になった。

このステージだけ人数が他より何名か多かった。プログラムパンフレットの名簿に「友情出演」とあるのがこの方々かな?

Stage II

タダタケ ア・ラ・カルト
作曲:多田武彦
指揮:藤田正浩

1950〜1960年代に初演されたスタンダードナンバーから5曲によるステージ。曲目は、「柳河」(男声合唱組曲『柳河風俗詩』第1曲)、「椿」(男声合唱組曲『中勘助の詩から』第2曲)、「石家荘にて」(男声合唱組曲『草野心平の詩から』第1曲)、「武蔵野の雨」(男声合唱組曲『雨』第2曲)、「アカシヤの径」(『ポピュラー・ソング・アルバム 1』第4曲)。詩人も初演団体も見事にばらけた選曲。

ステージ冒頭などで折々に指揮者がマイクを取り、解説などをしゃべる。今年の六連の合同ステージがこのスタイルで指揮者(このときは松下耕氏)のスピーチが挿入されていたことを不満とする感想文を見かけたが、オムニバスで構成されるステージである以上MCが挟まることに全く問題はないとせきは感じる。もちろん今回も同様。

団員をのびのび歌わせようとするかに見受けられるタクトも手伝い、多田武彦作品に対する愛が最もストレートに溢れ出ていたステージのように思う。

このあと15分の休憩。

Stage III

男声合唱組曲『南國の空青けれど』
作詩:立原道造 作曲:多田武彦
指揮:高坂徹

2009年11月に立教グリー現役が高坂氏の指揮で初演した組曲。せきは今回が初体験。素晴らしいものを委嘱した後輩の皆さんに感謝ですね。譜面が未出版なのがもったいない(※このあと楽譜がメロス音楽出版から刊行されました)。

演奏は白眉。『東京景物詩』途中からStage IIを通して気になっていた高声と低声の時間差も解消されていた。インターミッションの間にダメ出しがなされたのか、それとも平素の練習から高坂音楽監督が注意していたのか。あえて一つだけ難を挙げるなら、第4曲のBassソロで口跡がやや聞き取りづらかったこと(この独唱者もお世話になっている先輩のお一人なのでケチをつけるのは畏れ多いのですが……)。

アンコール

高坂音楽監督が袖に引っ込んだあと、合唱団から常任指揮者の藤田氏が出てきて「雨後」(男声合唱組曲『追憶の窓』第3曲)。えちごコラリアーズで間もなく演奏予定の曲ということもあり、いろいろ考えながら聴く。

最後に再び高坂音楽監督が登場し「梅雨の晴れ間」(男声合唱組曲『柳河風俗詩』第4曲)。せきは高坂氏の指揮で2度ほどこの曲を歌ったことがあり、当時のもろもろを思い出して懐かしかった。一方で「韮畑」のクレッシェンドが丸く柔らかみを帯びていたのは自分の体験した演奏と違い、時の流れを感じた。


メンバーの皆様の多田作品への思い入れが伝わってきて、一緒になって楽しんだ演奏会であった。同時に、さまざまな意味で、わが合唱生活の原点を再確認した思いもする。

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