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2011/06/25の日記:第32回立教大学グリーフェスティバル

地元を合唱活動の拠点とするせきにとって、6月は新潟県合唱連盟主催の合唱祭で歌うことがメインイベントである。さらにレディースクワイヤJuneの定期演奏会に賛助出演などすることもある。一方、せきの出身団体である立教大学グリークラブの現役とOB会が共催する演奏会「立教大学グリーフェスティバル」も通常6月開催で、合唱祭本番や直前練習とバッティングすることもしばしば。

今年は幸い県内の諸々が19日で一通り終わったため、25日のグリーフェスティバルはスケジュールに気兼ねせず聴きに出かけることが叶った。


10時ジャスト発の上越新幹線で上京。池袋で昼飯と買い物をし、東武東上線に乗って大山駅で下車し、板橋区立文化会館へ。現地に着いたのは開場時間の14時を少し回ったあたりだが、入口から長蛇の列。板橋区立文化会館でグリーフェスティバルを開くときはおなじみの光景なり。

入口のOBOG受付に芳名帳が置いてあったので署名してきたら、ロビーにOB会の会計担当が座る年会費(せきは既に支払済)受付窓口が設けられていて再び芳名帳への記帳を求められた。二重記帳はいいのかどうか戸惑ったものの、両方に書いた。

招待者席から通路を挟んですぐの、ほぼセンターの席で拝聴。


開演に先立ち、立教大学の金チャプレンが登壇し、全員起立で東日本大震災の被災者に対する祈りをささげる。

エール「立教大学校歌 栄光の立教」

現役による校歌。名簿上は100名ぐらいいただろうか、圧巻。

第1ステージ:OB・OG混声合唱団トリニティコール

混声合唱のための組曲『津和野』より
作詩:安野光雅/作曲:森ミドリ
指揮:田中秀男(昭和38年卒)
ピアノ:横山 博

全7曲から成る組曲のうち、第1曲「山の向こうは」、第4曲「天神山の子守唄」、第3曲「津和野の風」の3曲を演奏。プログラムには「1」「2」「3」と通し番号がふられていたが、組曲の楽章番号と演奏順が一致しない場合こういう表記はいかがなものかと思う(って話、昨年の現役女声定期演奏会感想でも書いたなあ)。他のステージも同様。

合唱団も指揮者も暗譜で演奏したことに驚く。「天神山の子守唄」に手拍子が入っていたから、というだけの理由ではなさそうだ。情感豊かなステージだった。

初めて聴く楽曲だったが、齢を重ねた大人の合唱団が歌うと味わい深いですね。

第2ステージ:セントポール・シニア・グリークラブ

男声合唱による『ふるさと集』より
指揮:後藤勝巳(昭和40年卒)
ピアノ:小坂幸世
  • 故郷(作詩:高野辰之/作曲:岡野貞一)
  • ふるさと(訳詞:オリオンコール/作曲:オナーティン)
  • ふるさとの(作歌:石川啄木/作曲:庄司光郎/補作:篠田守弘)
  • まなびや 〜我らのふるさと〜(作詩:小坂克己/作曲・編曲:藤橋清助)
  • ふるさと(作詩:室生犀星/作曲:磯部俶)

平均年齢が古稀を超えたという男声合唱団による、ふるさとを描いた曲を集めたオムニバスステージ。1曲目と4曲目がピアノ付き、残り3曲は無伴奏。

「まなびや 〜我らのふるさと〜」は団員によるオリジナル曲で、この曲のあと影アナウンスで作者が紹介された。お二方とも昭和28年卒。作曲者はその場で頭を下げておられたが、作詩者はご都合で出演できなかった由。その代わり、ピアニストが作詩者の実娘であることが告げられた。

プログラムを読み、庄司光郎氏が2005年に亡くなられていたことを初めて知る。庄司氏は法政大学アリオンコールのOBで、せきは第3回OB六連合同演奏で法政大学校歌をこの方のタクトで歌った経験があるが、晩年に近い時期だったとは。そのときの合同演奏曲集に、書下ろしもしくはそれに近い状態らしき「ふるさとの」の譜面が載っていた。

あと、プログラム2曲目の項で「この曲についてご存じの方がおられましたらお教えください」と書いてあった。せきもこの曲については知識皆無で、いろいろ知りたい。当方宛に情報提供いただければ責任をもってセントポール・シニア・グリークラブの方々にお伝えいたします。

第3ステージ:立教大学グリークラブ

混声合唱『愛唱曲集』より
指揮:高岡啓太(学生指揮者4年)・池本陽(学生指揮者3年)
ピアノ:内木優子
  • COSMOS(作詞・作曲:ミマス/編曲:富澤裕)
  • 世界の約束(作詩:谷川俊太郎/作曲:木村弓/編曲:白川雅樹)
  • 君や忘る道(『良寛相聞』より、作詩:良寛/作曲:千原英喜)
  • 初夏の歌(『いろとりどりのうた』より、作詩:川崎洋/作曲:信長貴富)

初舞台にあたる新入生を加えた、現役のステージ。

前半2曲は池本くんが、後半2曲は高岡くん(高はハシゴ高)が指揮。指揮者によって選曲傾向が微妙に異なるのが面白い。高岡くんは振りながらしきりに何かの仕草をしており、響きを高く保つようにという指示に見えた。

「COSMOS」は今や校内合唱コンクール定番のひとつと化しているが、せきは初めて聴いた。言われなければポップスの編曲と分からない曲。こういう曲が生まれるから、ポップス編曲を十把一絡げで目の敵にしたら損なのだ。

「初夏の歌」では、おそらく譜面上の指示に従い、終盤で照明を落としてペンライトを明滅させる演出がなされた。予備知識がないとインパクト抜群ですね。


このステージのあと15分間の休憩。ロビーに出て小用を足したりお茶を飲んだりしたが、来場者に知った顔は見かけず。ただ、間もなく出番のはずのOB男声合唱団メンバーがホール外を動き回る姿を見かけた。

今月初めの「タダタケを歌う会“コンサート第壹”」のとき同様、ステージとステージの間でペットボトルに入った飲み物を口にする聴衆が客席にいた。かつては見なかったような気がするのだが……。


第4ステージ:女声合唱団しおん

W. Byrd『3声のミサ』より
作曲:William Byrd
指揮:神住知子(昭和56年卒)
  • Kyrie
  • Gloria
  • Agnus Dei

深い祈りと確かな経験に裏打ちされた演奏だったのだが、個人的にはショッキングに感じたことがあった。

ひとつは人数。パンフレットでは各パート3人ずつだったが、実際にはAltoだけ1人少なく計8名で演奏した。今春リサイタルを予定していて(残念ながら東日本大震災の影響で来春に延期される由)、そこでは現役女声有志も加わることになっていたそうだが、この縁でしおんに加わって合唱を続けるメンバーが増えることを願う。

もうひとつはSoprano。印象に残っていたのと違う金属的なトーンに耳を疑った。他2声が記憶にたがわぬ安定感たっぷりのトーンだっただけになおさら。ホールの残響が少な目だったことが災いしたように見受けられる。もしかしたらキーを半音〜全音下げて歌うほうがよかったのかもしれない。

第5ステージ:立教大学グリークラブOB男声合唱団

男声合唱組曲『わがふるき日のうた』より
作詩:三好達治/作曲:多田武彦
指揮:高坂徹(昭和56年卒)
  • V. 郷愁
  • VI. 鐘鳴りぬ
  • VI. 雪はふる
  • I. 甃のうへ

本年9月23日に彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホールで単独リサイタルを開くとのことでチラシが入っていた。その前哨戦。

抜粋演奏にあたっての曲順で膝を打った。この組曲、構成上の緊張と緩和を重視しての配列だろうとは思うが、どう演奏しても「郷愁」で聴衆がダレがちなのだ。単体では雰囲気のある小品なのにもったいない。その「郷愁」を冒頭に持ってくるのは、楽章の連続性という意味でも素晴らしいアイディア。また、多田作品では1曲目と終曲を同じ調性(もしくは同主調や平行調)にすることで組曲の円環をかたちづくるものが多く、『わがふるき日のうた』もそのいい例で、あえて終曲のあとに1曲目を演奏することには大いなる説得力がある。

演奏は、「雪はふる」中盤で起きた事故を除けば、安心して聴けるもの。

パンフレットで、『わがふるき日のうた』とほぼ同時期に三好達治をテクストとした組曲を作曲者が集中的に発表したことについて《人生半ばを迎え、三好氏の作品群の精神性を求めた必然的な結果であろうと思われます》という考察が記されているけど、せきが現役3年次にこの組曲を取り上げたとき多田先生御自ら寄稿してくださったメッセージではちょっと違う理由説明が記されている。作曲活動を始めた当初から三好氏の詩に作曲しようとしてきたけれどうまくゆかず、人生経験と作曲経験を積み重ねてきたことで詩の流れの微細な移ろいが読み解けるようになったとか、そういう主旨(似たような記述が、昨年メロス楽譜から出版された三好・多田コンビの組曲『秋風裡』前書きにある)。

第6ステージ:立教大学グリークラブ/OB・OG有志

ジェズアルド作曲『宗教声楽曲集』より
作曲:Carlo Gesualdo di Venosa
指揮:田中秀男(昭和38年卒)
  • Sancti Spiritus, Domine
  • O vos omnes
  • Ave dulcissima Maria

立教グリーは辻荘一名誉部長の遺言もありルネサンスポリフォニーを取り上げるという伝統がある(近年はグリーフェスティバルの合同演奏だけになりつつあるけれども)が、ジェズアルド作品は初挑戦。和音などで骨が折れる作品群なのに、難儀さを全く感じさせない見事な演奏だった。

合同ステージでは皆川達夫名誉部長がマイクを持ち作品解説をするようになったとのこと(せきは知らなかったのだが)。しかし、今年は皆川先生の体調が芳しくないため会場にいらっしゃらず、田中指揮者が演奏前にミニレクチャーをした。そこで田中指揮者いわく「『ora pro nobis』は『私たちのために祈りたまえ』という意味だが、今回は『私たち』を『東日本大震災被災者の皆様』と読み替えて演奏する」とおっしゃる。

アンコールは恒例の、現役合唱指揮者のタクトによる「行け 立教健児」「St. Paul’s Will Shine Tonight」と、皆川先生でなく田中指揮者による「神共にいまして」。皆様方お疲れ様でした。


演奏会後、何人かの大先輩からお誘いをいただき、レセプションにお邪魔した。酒は全く呑まずお茶ばかり飲み、料理は寿司とカレーピラフを少々。もっぱら先輩諸氏や現役諸氏との座談に興ずる。

途中、信長貴富作曲「しあわせよカタツムリにのって」が新入生だけで披露された。女声が大変しっかり歌えていることにびっくり。そのとき話し相手だった準女声学生指揮者さんに聞いたところ、女声の新入生には合唱経験者が多く「育て甲斐がある」とのこと。せきも今後の演奏会が楽しみである。

トリニティコール、セントポール・シニア・グリークラブ、OB男声合唱団も1曲ずつ披露。トリニティは林光編曲「箱根八里」、SSGは本編でやった「ふるさと」、OB男声は本編でやった「鐘鳴りぬ」を演奏した。「ふるさと」はお誘いを受けたが歌ったことがなく(世紀末近辺、一部の単語が問題視されて演奏されなかった時期があった)初見では難しい曲なので辞退。「鐘鳴りぬ」は歌えるのだが誘われなかったので聴くだけ。

いつもレセプション最後に来場者一同でカレッジソングや「神共にいまして」を歌うのが恒例化していたはずだが、なぜか今回は全員合唱がなかったのが残念でならない。

レセプションは7時半過ぎにお開き。


大山駅前で夕食を頂き、東武東上線から池袋でJRに乗り換えて東京駅に向かい、指定席を取っていた上越新幹線の最終便へ。JRの在来線が人身事故とやらでダイヤが大きく乱れていたが、時間にゆとりがあったので実害は受けず。大宮駅で接続待ちのためちょっと長めに停車していたのも人身事故の影響かな?

日付が変わる間際に無事帰宅。えちごコラリアーズ土曜晩の練習に出て下道ドライブで帰宅するのと大差ない時間ですな。

コメント(4)

  1. 内木優子ってどういう人?

    返信

    かん

    • かんさま、いらっしゃいませ。
      内木優子先生はピアニストであらせられます。10年ぐらい前から立教大学グリークラブOB男声合唱団および現役がお世話になっています。
      せきがOB男声に参加していた当時、内木先生は練習本編ばかりでなく練習後の宴席にもしばしば顔を出しておられました。ただ当方OB男声と疎遠になって久しいため近年どうだかは分かりかねます。

      返信

      せき

      • せき様
        お返事ありがとうございます[0xf649]
        そうですか、ピアニストなんですか?当方、寡聞にして知りませんでした。聞いたことない名前なんですが有名な方なんでしょうか?演奏会とかやってるんですか?それとも伴奏専門なんですかね?

        返信

        かん

        • 内木先生の演奏活動は室内楽やアマチュアオーケストラとの共演が主みたいです。歌との共演は立教グリー関係ぐらいしか私は存じ上げません。
          直近だと来月13日にかつしかシンフォニーホールで行われる立教大学グリークラブ男声定期演奏会に出演なさるそうで、そこで配られるパンフレットにプロフィールが載っているはずですので、よろしければどうぞ。ご都合がつかないようでしたら(携帯電話からご覧のかん様には酷かもしれませんが)Googleなどで検索いただければと存じます。

          返信

          せき

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