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2011/11/13の日記:歌う仲間のコンサート

県内で行われた「歌う仲間のコンサート」という演奏会を聴きに、新潟市西蒲区の巻文化会館まで足を運ぶ。


この日、都内では、わが出身団体・立教大学グリークラブの男声定期演奏会やら、まる一日男声合唱漬けになれる東京都男声合唱フェスティバルやら、いろんな演奏会があった。どれも魅力的だが、分身の術は使えないので悩んだ。

今回「歌う仲間のコンサート」を選んだ理由は大きく二つ。一つは、演目に珍しいものが多く、新潟県在住という点を抜きにしても貴重なチャンスに思われたから。もう一つは、出演団体の一つである宇都宮おとこコーラス粋狂座の指揮者・加藤拓氏のお父上に、えちごコラリアーズでお世話になっているから。


会場前に着いたのは開演5分前だったが、駐車場が満杯で車の駐め場所を探すのに時間がかかり、第1ステージ最初の2曲を聴きそびれた。

第1ステージ

アルカディア合唱団愛唱歌
指揮:田辺伸五郎
合唱:アルカディア合唱団吉田フラウエンコール、宇都宮おとこコーラス酔狂座
  • 手まり唄〔日本古謡/篠原真編曲〕
  • とんがり山〔混声合唱組曲『太海にて』第4曲、間所ひさこ作詩/多田武彦作曲〕
  • 夏の夕べ〔渡辺忠恕作詞/フィンランド民謡〕
  • 夜道をひとり歩めば〔レールモントフ作詞/合唱団白樺訳詞/シャシーナ作曲/スヴェシンコフ編曲〕
  • 百姓娘〔飯塚広訳詞/ルーマニア民謡/おきはるお編曲〕

現在のアルカディア合唱団は女声だけだが、かつて混声合唱団として活動していた時期の愛唱曲を集めたステージ。オーソドックスで堅実な演奏。

プログラムを見て、酔狂座さんが全ステージに出演することを初めて知った。大半が譜持ちだとはいえ、凄い。しかも10/16には島根県益田市で「グラントワ合唱祭 2011 〜古事記編纂1300年記念 琉球舞踊と石見神楽の共演〜」、10/29〜30には「コロフェスタ 2011 in 横浜」と立て続けに本番を終えたばかりとのこと!

第1ステージが終わって一同が退場したのち、田辺氏と加藤氏の両指揮者がステージに戻ってトーク。加藤氏のお父上と田辺氏が高校クラスメイト以来のおつきあいで、田辺氏は加藤氏を幼少期からご存じで、加藤氏はアルカディア合唱団に在籍していたことがあるとかいう話。また加藤氏は昨年のTOKYO CANTATで開催された「第2回 若い指揮者のための合唱指揮コンクール」(本選にtek310氏や近藤基氏が出場した)グランプリ受賞者ということで、コンクールの様子や、優勝の副賞でノルウェーのオスロに3か月間留学したときに書いたノルウェー旅日記ブログなどの話も。

第2ステージ

三文オペラ合唱組曲
Bertolt Brecht作詞/加藤直訳詞/Kurt Weil作曲/寺嶋陸也編曲
指揮:加藤拓
ピアノ:寺嶋陸也
合唱:宇都宮おとこコーラス酔狂座、うつのみやレディーシンガーズ晶〈AKIRA〉有志
  1. 序曲
  2. 朝の讃美歌
  3. 大砲ソング
  4. ポリーの涙
  5. 色欲の罠のバラード
  6. 快適な生活のバラード
  7. ヒモの歌
  8. 人間の努力のむなしさの歌
  9. ソロモン・ソング
  10. マック・ザ・ナイフ

オペラやオペレッタやミュージカルのナンバーから抜粋し、ストーリーと無関係に並べてコンサート形式で上演したみたいな感じの合唱曲集。現時点で栗友会関係団体しか取り上げたことがないはず。福永陽一郎先生や北村協一先生がそういう曲集をいくつも編曲しておられましたっけ。

主に男声合唱で、ところどころ女声合唱が絡んでくる編曲。前半は独唱が結構たくさん。ちょっとした動き(立ち位置の移動とか)が付いてた。いちいち曲名を言ってから歌うのも珍しいが、これは加藤直氏が作詞した他の合唱オペラの楽譜でも見かけた指示のような気がする。

かなり演劇性が求められるナンバーを我がものとして歌っていたのはさすが。

ところで、うつのみやレディーシンガーズ晶の有志8名様、他のステージにも出演したのだろうか?

第3ステージ

ノルウェー歌曲集
指揮:加藤拓
合唱:アルカディア合唱団、吉田フラウエンコール、宇都宮おとこコーラス酔狂座
  • Brureslatt(結婚を祝う歌)ノルウェー伝承曲
  • Varsog(春のつぶやき)H. Hyldbakk作詞/H. Sommerro作曲
  • Dalakopen(ダラコッペン)ノルウェー伝承曲/B. Kruse編曲
  • Solvet(銀)H. Ibsen作詩/T. Lammers作曲/寺嶋陸也編曲

指揮者がノルウェー留学で接した楽曲を紹介するという趣旨のステージ。民俗性が興味深い。

「Solvet」は加藤氏いわく「恐らく日本に紹介されたことのない曲」だそうで、留学中に合唱指揮者のカール・ホグゼット氏から演奏を強く奨められ、寺嶋氏に混声4部合唱版を書き下ろしていただいたとのこと。つまり本邦初演かつ編曲初演。言葉の壁をクリアできれば今後広まっていくことが期待できそうな曲だと思った。

なお曲名には「a」の上に小さな丸を付けた文字や「o」に斜め線を入れた文字などノルウェー語独自のアルファベットが含まれるが、携帯電話などからご覧になる人もいらっしゃるので、丸や斜め線を略した文字で代替表記したことを断っておく。

第4ステージ

男声合唱とピアノのための『ふじの山 〜明治・大正の唱歌編曲集〜』より
指揮:田辺伸五郎
編曲・ピアノ:寺嶋陸也
合唱:宇都宮おとこコーラス酔狂座
  • 春の小川(文部省唱歌)
  • 鯉のぼり(文部省唱歌)
  • ふじの山(文部省唱歌)
  • 荒城の月(土井晩翠作詩/瀧廉太郎作曲)
混声合唱とピアノのための『ふるさと 〜明治・大正の唱歌編曲集〜』より
指揮:田辺伸五郎
編曲・ピアノ:寺嶋陸也
合唱:アルカディア合唱団、吉田フラウエンコール、宇都宮おとこコーラス酔狂座
  • 夕焼小焼(中村雨紅作詩/草川信作曲)
  • 冬の夜(文部省唱歌)
  • 故郷(高野辰之作詩/岡野貞一作曲)
  • 村の鍛冶屋(文部省唱歌)

プログラムには『私たちの活動について』という8ページからなる小冊子が綴じ込まれており、そこで田辺氏は、合唱団「弥彦」みたいな合唱界の最前線を走る活動とあわせて、ポピュラーな名曲を取り上げた親しみやすいステージも取り入れるようにしていると記しておられる。このステージもそういう趣旨。

いわゆる歌と伴奏ではなく、合唱とピアノが対峙するつくりの編曲。荻久保和明作品の「縄文なるもの」が弥生期ふうに変質したらこんな感じになるのかなと思った。

演奏は、合唱の素晴らしさもさることながら、寺嶋氏のピアノは音の一つ一つが粒だって輝き、それでいて力演熱演という様子ではなく、ずばり職人芸。

唱歌編曲集のあと、田辺氏がマイクを取り「プログラムには載せていませんが、東北の被災者に対する応援歌のつもりで」ということで、本編に3曲追加。

混声合唱とピアノのための『つぶてソング 第1集』より
和合亮一作詩/新実徳英作曲
指揮:田辺伸五郎
ピアノ:寺嶋陸也
合唱:アルカディア合唱団、吉田フラウエンコール、宇都宮おとこコーラス酔狂座
  • フルサト
  • 放射能
  • あなたはどこに

アナウンスされたのは「つぶてソング」というくくりのみで個々の曲名は紹介されなかったが、せきはこの3曲(連作で最初に発表されたもの)を作曲者の独唱によりYouTubeで聴いていたので即ピンときた。今年のコロフェスタ合同演奏曲をそのままもってきたものらしい。

つぶてソング演奏後、再び田辺氏がマイクを取り「この次からアンコールです」。加藤氏のアンコールは英語の曲。その場では曲名がわからなかったのだが、アルカディア合唱団のサイト内にある「歌う仲間のコンサート」告知ページにだけ曲名が載っていて本編で演奏されていない「AN IRISH BLESSING」がそれかな? 田辺氏のアンコールは、三木露風作詞/山田耕筰作曲の「赤とんぼ」を、おそらく篠原真編曲版で。

なかなか貴重なコンサートを楽しませていただいた。出演者、スタッフ、来場者の皆様、お疲れ様でした。


余談。前述の小冊子『私たちの活動について』は、田辺氏のかかわる演奏団体やコンサートの紹介およびメッセージがてんこ盛りである。

そこで合唱団「弥彦」の観客集めに苦心していることが記されていたが、例年「軽井沢合唱フェスティバル」と開催日程が丸かぶりしているのも一因ではなかろうかとせきは考える。でも来年、合唱団「弥彦」は8/24〜26、軽井沢合唱フェスティバルは8/10〜12と半月ずれるので、双方とも参加者が増えればいいなあ。

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