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2012/01/15の日記:北村協一メモリアルコンサート MISSION

日帰りで上京し、すみだトリフォニーホールで行われた「北村協一メモリアルコンサート MISSION」を聴いてきた。昨年の今ごろ伺った「北村協一メモリアル 関西学院・上智・同志社・立教 OB合唱団合同演奏会 ——キリスト教一致祈祷週間にちなんで——」の続きというか本編というか、そんな演奏会。

出演者・来場者の皆様、お疲れ様でございました。


上京の足は往復とも上越新幹線。往路で乗ったのは10時ちょうど発ということになっていた便。雪の影響か長岡駅到着は3分遅れだったが、東京着は定刻。都内は晴れていた。

総武線に乗り、錦糸町駅で降りて、すみだトリフォニーホールへ。足を運んだことのないホールだと思い込んでいたけれど、ホール付近の商店街を見て、2007年2月24日に行われた「北村協一追悼演奏会 Love。」の会場がここだったことを思い出した。あの演奏会、せきは有志合同演奏「Love。メモリアル合唱団」メンバーとして出演していた。いずれにせよ聴衆として足を踏み入れるのは初めて。

前回見た景色との一番の違いは、東京スカイツリー。場所によっては街並みの間から東京スカイツリーの全体像が拝めて、おのぼりさん気分を満喫できるのだ。


昨年11月の立教大学グリークラブOB会総会・懇親会でお誘いを頂戴していたものの、行くことを決めたのが前日の夜。当日券が入手できるかどうかわからない。無駄足になることを少しでも避けようと、開場10分ほど前にホールに行き、無事に2階で指揮台真正面にあたる席のチケットを買い求めることができた。

1. 新月会(関西学院グリークラブのOB合唱団)

Spirituals
指揮:山田真也
  • Roll, Jordan, Roll!
  • I Got Shoes
  • Little Innocent Lamb
  • My Lord, What a Mornin’

北村先生といえばSpirituals(近年は「黒人霊歌」でなく、この呼び名がよく用いられる)。その中でも演奏頻度がさほど高くないものをピックアップ。

今回は特に、しばしば倍音すら響くユニゾンに感服した。これだけパートが一つの線にまとまり、確かなピッチだったら、素晴らしいハーモニーなのも道理ですね。

2. 上智大学グリークラブOB合唱団

多田武彦委嘱作品集 〜上智大学グリークラブ委嘱作品から〜
作曲:多田武彦
指揮:篠崎新一
  • 或る誕生(組曲『雪国にて』第2曲、作詩:堀口大學)
  • 梨の花とお寺の奥さん(組曲『北陸にて』第2曲、作詩:田中冬二)
  • 老雪(組曲『雪国にて』第5曲、作詩:堀口大學)
  • 遠き山見ゆ(組曲『山の印象』第3曲、作詩:三好達治)

北村先生といえばタダタケ。その中でも、上智大学グリークラブが北村先生の指揮で委嘱・初演した組曲からピックアップ。もっとも「遠き山見ゆ」は近年の組曲改訂で差し替えられた曲で、上智グリーに献呈されてはいるが、北村先生+上智グリーの現役およびOB合唱団が演奏することはなかった由。

ほのぼのとした柔らかいトーンを聴き、多田先生が『北陸にて』『雪国にて』など上智グリーのために書き下ろした組曲の作曲にあたってイメージなさったサウンドが、なんとなく見えたような気がする。

余談。曲目を見て、なにわコラリアーズが今月29日に石川県金沢市で予定している「ただたけだけコンサート Vol.3 北陸にて『北陸にて』」との重複に気づいた。そこでは『北陸にて』『雪国にて』と、関西学院グリークラブが北村先生の指揮で初演した『白き花鳥図』が取り上げられる。せきは残念ながら伺えないのだが、えちごコラリアーズの練習指揮者であるムレ氏が歌い手に混じる。

3. 同志社グリークラブOB合唱団

男声合唱組曲『水のいのち』から
作詩:高野喜久雄/作曲:高田三郎
指揮:小林香太/ピアノ:木下亜子
  • I. 雨
  • IV. 海
  • V. 海よ

同志社グリーのOBによる合唱団のひとつクローバークラブが男声合唱版を初演した『水のいのち』も、北村先生のレパートリー。せきが北村先生に初めてご指導をいただいたのは立教グリー1年の男声定期演奏会・最終ステージで、その演目がこの組曲だった。

今回のステージは、一にも二にも言葉を大事にした演奏と感じた。

4. 立教大学グリークラブOB男声合唱団

Naenie(哀悼歌) Op.82
作詩:Friedrich Schiller/作曲:Johannes Brahms/編曲:北村協一
指揮:前川和之/ピアノ:内木優子

北村先生は内外の独唱曲や混声合唱曲も数多く男声合唱に編曲しておられた。そのうちの1作品。

メンバーがステージに揃ったのを見て驚いた。シモ手から順にTop Tenor/Bass/Baritone/Second Tenorで、Tenor系が八の字に向かい合って平台に並び、その間でBassとBaritoneが山台に立つというもの。こういうフォーメーションを立教がしたのは初めて見たような気がする。

演奏は求心力が高く、約15分ずっと引き込まれた。特に最弱音でのハーモニーときたら。ただ、Tenor系も山台にのぼり、BassとBaritoneは1段上に立ったほうが、楽曲も演奏者もより魅力が発揮されたのではとも感じた(1階席だと適度なサウンドに聴こえたのかもしれないけれど)。

5. 合同演奏

MESSE SOLENNELLE 〜荘厳ミサ〜
作曲:Albert Duhaupas
指揮:太田務
  • Kyrie
  • Gloria
  • Credo
  • Sanctus
  • O Salutaris
  • Agnus Dei
  • Domine Salvum
  • Pie Jesu

演奏前に曲紹介があった。北村先生は晩年やりたいとおっしゃっていたことが三つあり、一つは多田武彦作曲の男声合唱組曲『雨』演奏(最期のステージとして実現した)、一つは福永陽一郎先生と共同編集した「グリークラブアルバム」の再録音(準備は進んでいたが今のところ実現していない)、そしてもう一つがこの『MESSE SOLENNELLE』全曲演奏。帰天の数日前、病床に関西学院・上智・同志社・立教の大学男声合唱団OB幹部を呼び集め「君たちミッション系4大学が協力し合い『MESSE SOLENNELLE』を演奏して欲しい」と伝えたそうで、それを使命(MISSION)として昨年および今回の演奏会プロジェクトが立ち上がったとのこと。

トータル40分超という大曲ゆえ、取り上げられるとしても昨年のように抜粋で演奏されることが多い。今回は満を持してのフル演奏。ヴォリュームのある曲ながらも中だるみやスタミナ切れなどまったく感じられなかった。北村先生への思いあってこそだろう。

アンコールは、磯部俶作詩作曲「遥かな友に」林雄一郎編曲版。2番はハミングで、そこに北村先生が演奏会でスピーチした模様の録音が流れた。3番では指揮者の太田先生が客席を向き「皆さんも一緒に歌いましょう」とおっしゃったので、せきも客席にて唱和に加わった。


余談その一。皆様方の悼む思いに水を差す野暮を承知で書き留める。いそべとし記念男声合唱団公式サイト「磯部 俶 の男声合唱作品 解説」によると、磯部氏は林版「遥かな友に」が作曲者に無断で編曲・出版されたことを極めて御不快に感じておられたという。「グリークラブアルバム」第1集に載っているあの譜面、編者が二人とも帰天なさっているから無理かもしれないが可能なら今からでも、作曲者ご自身によるオリジナル版に差し替えられないものだろうか? 今回は北村先生ともゆかりのある編曲だから演奏されたのだろうが。

余談その二。前夜「この演奏会を聴きに上京する」とツイートしたところ、いそべとし記念男声合唱団の指揮者でもある須賀敬一先生からお返事を頂戴した。須賀先生が早稲田大学グリークラブの学生指揮者だった昭和24年、そのとき北村先生が学生指揮者だった関西学院グリークラブと一緒に、高知県でのキャンプやジョイントコンサートを実施した旨をご教示いただいた。


ロビーには関西学院グリークラブのCD・DVDを売るコーナーがあり、隣のモニターで北村先生の生前の演奏録画を流していた。

大勢の立教関係者とお目に掛かる。中でも、女声合唱団しおんの皆様には、来月18日に予定されている「春のコンサート〜PRIMAVERA〜」に伺えないもので、あらかじめ失礼をお詫び申し上げる。

立教関係者の中には、同期(年賀状のやりとりはしているのだが)と2年後輩がいた。二人とも現役時代は学生指揮者で、前世紀以来の再会。同期から「Facebookはやってないの?」と尋ねられたが、当方あいにく手を出していない。帰り際、近況報告代わりに、えちごコラリアーズWhite Day Concert 2012のチラシを渡した。


終演後は銀座方面で買い物ののち新幹線で家路につく。都内が晴れていると長岡はたいてい雪。

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