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2014/03/22の日記:花*花コンサート

越の国室内合唱団 VOX ORATTAと新潟県立長岡向陵高等学校合唱部による「花*花コンサート」を聴いてきた。


演奏会の客席に足を運ぶのは2013/12/08の「第12回リリックホール コーラスフェスティバル」以来、3か月半ぶり。御縁のある方々が出演する催し物は年末から今月にかけて数々開かれているものの、一身上の都合から不義理ばかりで、伺うのは地元・長岡市内で行われるものだけという次第。特に、出演者ご自身から直接お誘いいただくイベントをお断りするのは心苦しい限りである。

今回も調整に悩んだが、間際になって行くことを決め、新潟ユース合唱団の実行委員仲間であったVOX ORATTAメンバーの伊月さんにチケットの手配をお願いした。


会場の長岡リリックホールに着いたのは13時45分ぐらい。既に100人に及ぶ列ができており、開場時刻としてアナウンスされていた14時から10分ほど前倒しで入場が始まった。

入口付近には、出演者および関係者直筆のメッセージが顔写真付きでボードに張り出されていた。その中には最終ステージ演目などの作曲者・信長貴富氏によるものもあって、これまで目にしてきた信長氏の顔写真や文章とイメージが違って興味深かったので、スマートフォンで撮り、ツイートした

休憩中は来場者である新潟ユース時代の知り合いや撮影スタッフと、終演後はVOX ORATTAメンバー何名かや来場者の現役大学生と語らう。


第1ステージ:越の国室内合唱団 VOX ORATTA単独
指揮:仁階堂孝
  • 『HAMBA LULU - Five African Songs -』より Hamba Lulu [Zulu Wedding Song]
    (編曲:Mike Brewer)
  • O magnum mysterium
    (作曲:Tomas Luis de Victoria)
  • 『Three Sacred Hymns』より III
    (作曲:Alfred Schnittke)
  • KOLINDA
    (作曲:Vajda Janos)

1曲めはシアターピース的な演出が加わった、アフリカの婚礼歌。オープニングであることもたぶんに意識したものであろう。2曲目以降はヨーロッパ宗教曲。曲ごとにフォーメーションがくるくる変わる。

仁階堂氏+VOX ORATTA(このステージは17名)のサウンドは、無印良品ブランドを思わせるナチュラルさに溢れていた。高橋悠治作品あたりと相性がいいかも。

第2ステージ:新潟県立長岡向陵高等学校合唱部単独
指揮:田辺美栄子
  • 無伴奏女声合唱による日本名歌集『ノスタルジア』より 花
    (作詩:武島羽衣/作曲:瀧廉太郎/編曲:信長貴富)
  • にじ色の魚
    (作詩:村野四郎/作曲:木下牧子)
  • 『MISSA BREVIS』より Gloria
    (作曲:Nancy Telfer)
  • 女声合唱のための無伴奏小品集『愛のとき』より 霧明け
    (作詩:木島始/作曲:高嶋みどり)

歌い手9名。最初の3曲は各パート3名ずつ。6声に分かれる「霧明け」は1パート1名ないし2名。

前半2曲は天然水のごとき涼やかなサウンド、後半2曲は熱気がこもったアンサンブルで、同じ合唱団とは信じがたいほどの変化。合間にスピーチなどが挟まったにも関わらず、曲の冒頭で音を全くとらずに歌い始めたことは驚嘆ものである。

曲紹介スピーチで「Gloria」を「栄光よ」と訳していたように聞こえ、少々違和感をおぼえた。あの曲は冒頭で「Gloria」と連呼するので呼びかけみたいに受け取るとしても無理はないけど、本来は「天のいと高きところでは神に栄光あれ」というフレーズの一部。

第3ステージ:合同演奏
指揮:仁階堂孝/ピアノ:石川潤
  • さくら
    (日本古謡/編曲:武満徹)

  • (作詞・作曲:喜納昌吉/編曲:信長貴富)
  • 心に花を咲かせよう
    (作詩:山本瓔子/作曲:上田真樹)

コンサートタイトルでもある「花」をモチーフにした親しみやすい日本の曲を集めたステージとのこと。歌い手は計32名だったかな。

歌い手一人一人の自立性の高さも相まって、のびのびとした堂々たるアンサンブル。それでいて細かいところ(たとえば「心に花を咲かせよう」で掛け合う部分)まで指揮者の行き届いたケアが見受けられた。

第4ステージ:合同演奏

指揮:仁階堂孝/ピアノ:石川潤/三味線:本條秀五郎

  • 混声合唱によるうたの劇場『不完全な死体』
    (作詩:寺山修司/作曲:信長貴富)

本日の白眉。一言でいえば「凄い」。楽曲もパフォーマンスも。

寺山修司という名前から私が真っ先に思い浮かぶイメージは「昭和40〜50年代のアングラ文化」。せき個人のイメージではなく、それなりに共有されているステレオタイプであろうと思うが、そこを忠実に音像化した楽曲といえよう。寺山氏のテクストによる信長作品、たとえば『思い出すために』『カウボーイ・ポップ』とはずいぶんアプローチも雰囲気も異なる。

このたびは、演劇や舞踏の色彩を帯びた、シアターピース形式での上演により、「昭和40〜50年代のアングラ文化」性の濃厚さが増幅されたステージとなったように思う。

第1曲と終曲に用いられる三味線は、作曲者によると「テキストの持つ俗の雰囲気をデフォルメする意図から」とのこと。浄瑠璃っぽくもあり、芸者がお座敷で爪弾いているようでもあり。

終演後、周りの来場者は皆さん口々に賛嘆の声を漏らしていた。

アンコールはなし。


最終ステージの最後に、招待者として、『不完全な死体』ほか作曲者の信長氏と、来年初演予定の委嘱作品「はなふるよるに」テクストを担当する脚本家・映画監督の五藤利弘氏が紹介された。ほか、作曲家・上越教育大学教授の後藤丹氏らしき方のお姿も見かけた。

今回は『不完全な死体』出版初演ということで、ロビーで楽譜販売コーナーが設けられ、終演後は購入者限定で信長氏によるサイン会も行われた。せきも買いたかったけど今回は手元不如意のため断念。


末筆ながら、出演者・スタッフ・来場者の皆様、お疲れ様でした。

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