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2015/07/04・05の日記:第4回全日本男声合唱フェスティバルin京都(その2)広瀬康夫講座を受けてきました

「第4回全日本男声合唱フェスティバルin京都」参加記録、第1弾の続きです。

本記事は、広瀬康夫氏による講座を受講してきたよという方面に絞った話。


このフェスティバルへの「参加」は、歌い手として出演することを意味する。通常は合唱団単位での参加だが、このフェスティバルでは合同演奏に相当する講座があって、その講座にだけ個人で参加することも可能である。今回の第4回は、浅井敬壹講師による多田武彦作品集を歌う講座と、広瀬康夫講師によるアメリカの合唱曲を歌う講座が開かれ、せきは後者に参加してきた。

参加の動機とか背景とか

どの講座も魅力的だが、フェスティバル初日にだけ行われるリハーサルは同時並行なので受講できるのはひとつだけ。このたび広瀬講座を選んだのは、講習曲の中にバーバーショップ・ハーモニーのヴォイスアンサンブルが含まれることが最大の理由である。

バーバーショップ・ハーモニーは、日本の男声合唱界では前世紀末ごろから脚光を浴びるようになり、第52回東西四大学合唱連盟演奏会(2003年)での広瀬氏指揮による合同ステージ「バーバーショップコーラスの世界」あたりがきっかけで東西四連の関係団体に広まった。そのアンコールで演奏されたTom Gentry作詞・作曲・編曲「Sound Celebration」は、今やバーバーショップになじみの薄い団体にも取り上げられる大ヒットレパートリーである。

もっとも、普及活動が進んだ時期せきは新潟県内に拠点を移したので実演に接した経験は少なく、わが出身団体である立教大学グリークラブや立教大学グリークラブOB男声合唱団の有志メンバーが演奏会レセプションや懇親会などで歌うのを耳にした程度。もちろん歌うのは初体験となる。

7月4日:リハーサル

リハーサルは前半・後半90分ずつに分かれ、広瀬講座の前半は小ホール(アンサンブルホールムラタ)客席、後半は大ホール舞台上で行われた。浅井講座はその逆で、中休みを利用して入れ替わり。

前半、まずは声出しをまだしていない参加者が多いからということで2種類のカデンツをさくっと。カデンツといっても「I→IV→I(第2転回形)→V→I」から一ひねりも二ひねりも加わっていて、音の動きが増えてテンションコードも混じったもの。

カデンツのあとは、講習曲の中から、いわゆる黒人霊歌の3曲を練習。全体的に英語ならではの発音にピンポイントで注意がなされた。

  • Spiritual/編曲:William Levi Dawson「Soon Ah Will Be Done」
  • Spiritual/編曲:Henry Thacker Burleigh「Were You There?」
  • Spiritual/編曲:William Henry Smith「Ride The Chariot」

「Soon Ah Will Be Done」はかなり速いテンポが指定された譜面。このテンポに慣れてほしいとのことで、一度ゆっくり歌ったあとは譜面通りのテンポで練習。低声部と高声部が掛け合う箇所で食いつきが鈍い点をたびたび指摘されたっけ。

広瀬氏の指揮する合唱では切れ味の鋭いアクセントが印象に残るが、確かこの曲の練習時にヒントとなる指導をいただいた。「フォルテやアクセントは腹筋背筋を使うなどと考えるより、まず息を素早く吐き出そう」。

「Were You There?」は、合唱アレンジにあたって挿入されたフレーズの取り扱いに関する指示が興味深かった。あと、有声thをザ行で発音しないよう何度も言われた。

「Ride The Chariot」では、ソロと合唱の掛け合いにふさわしい形でダイナミクスに手が加えられた。

ここまで練習した3曲はすべて歌唱経験があるので、せきは早い段階で譜面を落とし、耳でトーンを合わせながら、指揮がどんなテンポの動かし方をしても即応するように心掛けながら歌った。

大ホールに移動して、後半はバーバーショップのレパートリー2曲。

  • Traditional/編曲:Shelton Kilby III「No More Sorrow」
  • 作詩・作曲:Dottie Rambo/編曲:William Levi Dawson「When I Lift Up My Head」

まず、バーバーショップ・ハーモニーの基礎知識レクチャー。各パートの役割は伝統的な男声合唱と異なる要素が多いとのことで「必要なら今からでもパート移動にチャレンジしてみては」とのことだったが、実際にパートを動いた人はいらっしゃらなかったような。

7月4日からの1週間アメリカでバーバーショップの世界大会が行われ、広瀬氏は十何年もそちらに参加していたのだが、今年はアメリカに行く代わり日本でバーバーショップの普及活動を行うことにしたそうで、講習曲にバーバーショップのレパートリーを混ぜたのもそういう理由があるとのお話もあった。

「No More Sorrow」はベースのパートソロから始まる曲。変に凸凹を付けずレガートに、最初の休符までノンブレスで歌いとおせる程度のボリュームで歌うようにとの指示。ほか、パートの役割に即したボリュームの切り替えとか、音程の微調整とか、カタカナだと「ア」で書く音素でも本来の発音に合わせて適切に区別するようにとか、Tag(バーバーショップならではの終結部)でハーモニーを決めるとか。

「When I Lift Up My Head」も基本は同様。譜面で指示のないポルタメントを付けるなという指示はこっちの曲だったかな。カルテット演奏では歌い始めでしゃくると気持ちいいことが多いのだが、コーラスでそれをやるとハーモニーが濁るためだそうです。

どちらの曲も、何度か歌ったところで「個々人の両隣に違うパートがきて、カルテットの集合体となるよう並び替えよう」と。ショットガンという並び方だそうで。翌日の成果発表ではパートごとに固まるフォーメーションで歌うことになったが「チャンスがあればショットガンでの演奏もやってみたい」とのこと。

講習の締めくくりに、大ホールで、両講座の成果発表および聴きあい。

7月5日:コンサート本番

合同演奏(成果発表)は全24団体中、12団体目と13団体目の間に行われた。服装は特に指定されていなかったが、いわゆる黒人霊歌系の曲目やバーバーショップ・ハーモニーの曲を歌うときは「Yシャツ+スラックス+蝶ネクタイ+サスペンダー」という極私的イメージがあったので、そのいでたちで歌うことにした。本番、同じ格好をしていたメンバーは他に誰もいなかった。

12団体目の演奏が終わったのち合同演奏。広瀬講座→浅井講座の順番で行われた。

広瀬講座のメンバーが舞台に揃ったのは当初の予定より数分早く、進行役の提案で、時間になるまでオーケストラのチューニングみたいに各自で声出しをした。

そして演奏開始。曲順は練習順に同じ。いわゆる黒人霊歌の3曲が終わったところで並び替えて5曲歌いとおす。ところが進行があまりにもスムーズで時間に余裕ができたとのことでアンコールを求められ、「When I Lift Up My Head」をショットガン・フォーメーションで歌い、演奏終了。

バーバーショップの2曲でせきは結局譜面を外せなかった。講座はとても楽しく貴重な体験ができたけれど、暗譜で歌えるまで音を体に入れていればもっと楽しかったろうと少々後悔が残る。

補足

このたび講習で使った譜面は、「Soon Ah Will Be Done」「Ride The Chariot」はパナムジカでピース譜を買い求め、残り3曲は合唱連盟が用意したものを使った。「Were You There?」の譜面を合唱連盟が用意していたのは現在絶版になっているためとのこと。この曲の代表ともいうべき合唱編曲なのに……。

「Ride The Chariot」は、カワイ出版に福永陽一郎編曲としてクレジットされている「グリークラブアルバム第2集」と9割がた同じ編曲。違いは、テンポの指示と、ソロの扱いについて注釈がついていることと、ソロのバックコーラスでトップテナーが1音符だけ違う高さで歌うことぐらいで、耳で聞いただけでは判別困難と思われる。

講座(リハーサル)そのものはとてもスムーズに進んだ。広瀬氏が指導する団体(関西学院グリークラブ、コール・セコインデ、金沢メンネルコール、九州フレッシュメンコア)が受講者として参加していた影響もあろう。

講習ではマイクが用意されたが、指揮するときの唸り声を拾ってしまうことが判明し(「師匠[故・北村協一先生]譲り」と笑っておられた)前半早々に肉声のみとなった。

広瀬講座の個人参加者には、バーバーショップ・ハーモニーの普及活動に力を入れておられる菅野哲男氏もいらした由。氏もJAMCAこと日本男声合唱教会の個人会員で、せきはJAMCAのメーリングリストで少々やりとりさせていただいたことがあるのだが、面識がないこともあり、結局ご挨拶できずに終わった。

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