blog.合唱アンサンブル.com

せきと申します。ウェブサイト「合唱アンサンブル.com」を動かしております。

ステージ出演予定などは告知カテゴリをご覧ください。

ドラマ「表参道高校合唱部!」のこと(その1)いち合唱人の感想

わたくし、今年7〜9月クールにTBS系で放映された金曜ドラマ「表参道高校合唱部!」を楽しく見ておりました。

そんなわけで、ドラマ周辺のことについて、いくつかの記事に分け、つらつら書きます。敬称は実在の日本人に限りさん付けで統一。

シリーズ連載の趣旨は「(その0)はしがき・目次・関連リンク集」をお読みくださいませ。


合唱を題材にしたという要素を脇に置いても、素晴らしいドラマだと思います。1分たりとも欠かさず全話コンプリート視聴したテレビドラマは久々でした。

ざっくり概略を記すと、芳根京子さん演じる香川真琴という合唱大好きな女子高生を主人公に、さまざまなトラブルを歌の力で乗り越えていくというプロットです。トラブルの中には胸が痛くなるような重たいものもあり、それゆえ初回は最後まで視聴できなかったという人もいたぐらいですが、それを補って余りあるカタルシスが得られるように作られていると思います。まさしく、キャッチフレーズ「“歌の力”で学校にミラクルを起こす痛快な青春学園ホームコメディー!!!」のとおりです。回をまたがって回収される伏線も多く、最初から最後まで見通すと最終回で大きなごほうびがもらえること請け合いです。

第5話までは真琴の合唱愛に打たれて合唱部員が次々増えていきます。三谷幸喜さんの脚本によるドラマやフジテレビで石原隆さんがプロデュースしたドラマなどでしばしばみられる黄金パターンで、これらの源流はアメリカ映画「がんばれ! ベアーズ」あたりまで遡ることができます。

1話完結の要素もありつつ、複数のトピックが同時進行で少しずつ動いていきつつという話の進め方は、宮藤官九郎さんの脚本によるドラマ、たとえば「マンハッタンラブストーリー」あたりに通じるものがあるように感じました。

クドカンドラマは小ネタと呼ばれるギャグ(脚本家に近い世代にターゲットを絞ったものが多い)が有名ですが、櫻井剛さんをメインライターとする「表参道高校合唱部!」は小ネタに相当する役割を果たすものとして様々な合唱曲や練習法が登場します。大半は昨今の合唱事情を反映したものですが、後半になるとマニアックな合唱ネタも混じってきます。放映開始当初、劇中で歌ってほしい曲を番組公式ツイッターで募ったところ、高嶋みどりさん作曲「太鼓を叩け、笛を吹け」だの、荻久保和明さん作曲「火焔土器」だの、これ本当に歌えるのかというリクエストがちらほらツイートされた件が影響しているのかもとせきは推測しています。


ドラマ公式サイト内「合唱監修・福永一博先生の オモコー合唱紹介コーナー」では各話で演奏された合唱曲について撮影裏話紹介や解題が記されていますが、マニアックな小ネタの解説はされていないので、僭越ながらここに記しておきます。

第7話でコンクール曲として少し練習した「米搗まだら」は間宮芳生さん作曲『合唱のための12のインベンション 日本民謡による』に収録されています。同じ曲集で「米搗まだら」の次に載っているのが、今年度全日本合唱コンクール課題曲のひとつ「知覧節」です。そんなわけで「米搗まだら」が登場したとき、コンクールに染まっている合唱人がパロディと受け取って大笑いしたツイートをたくさん見かけました。

第9話でタイトルだけ出てくる「追分節考」は、柴田南雄さん作曲によるシアターピース群の第1作です。高校文化祭でクラスの出し物として歌うような曲ではないという趣旨でのチョイスでしょう。でも、日本には校内のクラス対抗合唱コンクールで林光さん作曲「水ヲ下サイ」やトルミス作曲「鉄への呪い」などといったハードな合唱曲を取り上げる高校が実在しますし(後者=平成25年度栃木県立宇都宮高校校内合唱コンクール3年4組)、「追分節考」を全日本合唱コンクールで演奏し全国大会に進出したという中学校の部活(2001年・第54回:岸和田市立久米田中学校合唱団)もあるわけで、そういった事例が頭にあると変なリアリティを帯びてしまいます。


TBSは「日本名曲アルバム」という、アマチュアやセミプロの合唱団が週替わりで出演して歌う番組をBSで制作・放送しています。この番組は、ドラマ「表参道高校合唱部!」と関連が深いように見受けられます。前述の合唱監修者・福永一博さんが代表を務めるharmonia ensembleは「日本名曲アルバム」常連出演団体ですし、毎話ドラマのクライマックスで演奏される合唱編曲を書き下ろした井上一平さんは「日本名曲アルバム」でしばしばお名前を見かけるアレンジャーです。また、時々「日本名曲アルバム」に出演する合唱団お江戸コラリアーずなどで指揮者を務める村田雅之さんが第4話の協力者としてクレジットされていたり、最終話では合唱指導スタッフにharmonia ensembleの櫻田江美さんが福永さんと並んでクレジットされていたりしています。

先に小ネタとして記した部分も含め、ドラマでの合唱のディテールは相当きちんとしており、事実と異なる部分も取材をしたうえであえて違うことをやっていると分かる部分が大半でした。ツイッターの合唱クラスタにも、ドラマを見ながら生で実況ツイートをする人々がいて(せきもその一人)、そこでの反応はおおむね好意的でした。

コメントする

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.


    ケータイ利用者さまへ

    当ブログは携帯電話から直接アクセスできます。コメントも可能です。

    なお、アクセントやウムラウトが付いたアルファベットや「髙(ハシゴ高)」などの文字を正しく表示できない携帯電話端末が存在するので、そういう文字は代替表記しています。

One in a Million Theme by WordPress theme