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ドラマ「表参道高校合唱部!」のこと(その5)男子部員編

今年7〜9月クールにTBS系で放映された金曜ドラマ「表参道高校合唱部!」について、いろいろ書き連ねています。シリーズ連載の趣旨は「(その0)はしがき・目次・関連リンク集」をお読みくださいませ。

本記事では、男子部員について、つれづれに。


相葉廉太郎(泉澤祐希さん)

香川真琴が入部する前からいた合唱部の部長です。パートはバス。佐々木美子(萩原みのりさん)同様、いかにも合唱部にいそうなたたずまいがリアルです。というか、あんなっぽい雰囲気の知り合いがおります。

もともとテノールだったのが人数の都合でバスになったことが第6話で明かされましたが、第7話のコンクールでテノールがアンドリューひとりになってもパート移動せず、少なくとも最終回の特別公演まではバスのままでした。でも実際の歌声を聴く限り、やはりバスが声質からいって最適なパートっぽいように思われます。混声合唱のバスはヘ音譜表をはみ出す高い音が要求されることもある(たとえば「Over Drive」に上のEが出てくる)ので、高い音も低い音も使えるのは有利です。

もっとも、DVDおよびBlu-ray特典映像に収録されたインタビューによると、ベースの部員ばかり次々増えてゆくため、パートバランスを考慮し泉澤さんがこっそりテノールに混ざって歌ったことがあるんだそうです。

「米搗まだら」「追分節考」などの曲名を出してくるあたり合唱ヲタの要素も見受けられますが、ヲタっぽく見えない。カッコよさや人徳のたまものでしょう。実際、ドラマ最終回間際、文化放送「レコメン!」に主演の芳根京子さんがゲスト出演した際、自分が演じた以外の登場人物なら誰になってみたいか尋ねられ「部長が私のツボにハマっている。あのまじめさになってみたい」と答えています。うらやましい限り。ちなみに一緒にゲスト出演した吉本実憂さんは「香川真琴になりたい」と答えてました。

2ちゃんねるドラマ板の「【TBS金10】表参道高校合唱部!♪32曲目♪」スレッドで、「部長好き特選『部長の歌声がいい!ランキング』」なるものを書いていた人がいました。スクリーンショットを以下に張り付けておきます。

(2chドラマ板より)部長好き特選『部長の歌声がいい!ランキング』

1位の「恋しくて」は冒頭に独唱があります。声が魅力的という人が多いようですが、せきは別のポイントに着目しています。合唱人がポップスを歌うとぎこちなくなりがちなところ、田島貴男や宮沢和史といった方面を思わせる歌いまわしが見事です。合唱指導の福永一博さんが団長を務めるハルモニアアンサンブルはポップスの歌いまわしにも定評があるので「恋しくて」もご指導のおかげというところが大なんでしょうけど、それにしても自然。あと、初期のころに比べると歌声に艶が出ており、成長がわかります。

2016/01/10追記

2016年1月8日付で公開されたワニブックアウトの記事「【INTERVIEW】芳根京子/初主演ドラマ『表参道高校合唱部!』を振り返る」で《メンバーの中だと楽譜は私と部長(相葉廉太郎役/泉澤祐希)が読めるくらいだった》という発言があります。それを読んでツイッターで「泉澤君って楽譜読めるんですね!!」とご本人に話しかけた人がいまして、以下の返答がツイートされました。

山田アンドリュー(瑛さん)

真琴が入部する前から合唱部にいた3人のうちの1人です。第5話で夏目快人が入部するまでテノールパートはアンドリューひとりだけでした。第6話でほかの部員から「安藤くん」と呼ばれるなど、いじられ役ポジションを得ているようです。

歌声は、英語圏な人ならではのハッキリした滑舌が特徴的だと思います。「合唱歌手としての引田里奈」でやったみたいな方式で歌声の変遷を追いかけるのも一興かと(ただし、混声テノールは内声ゆえ、ソプラノの里奈よりも声を聞き分けるのが難しいです。「原宿祭りメドレー」は男声で1パート(ところどころ2つに分かれる)だし。パートソロがある第3話「Tomorrow」は比較的わかりやすいかな)。第7話は快人の入院でテノールはアンドリューひとりになりますが、「ハナミズキ」中盤の対旋律が安定したdolceなトーンで、合唱テノールとしての成長が喜ばしいです。

ところで、Smartザテレビジョンのインタビュー記事で、学生時代の合唱経験について尋ねられた瑛さんは《中学3年生の時に、民謡の「俵積み唄」を合唱コンクールで披露しました。当時の僕は、クラスの中で目立つタイプの生徒ではなかったんですけど、ソロパートで歌うことにも挑戦しましたね。しかも全校生徒の前で(笑)》と答えています。ソロパートがある「俵積み唄」って、ひょっとして松下耕さんが作曲した混声合唱とピアノのための四つの日本民謡『北へ』に収録されているものでしょうか? だとしたら、校内合唱コンクールであれを取り上げるなんて随分チャレンジングな中学校ですね。

宮崎祐(高杉真宙さん)

下の名前はタスクと読みます。第2話から登場します。引きこもりの長髪姿は強烈でしたね。

第8話ではLGBTがらみの悩みを抱えます。そのくだりでの揺れ動く心も見どころです。ちなみに、合唱業界で作曲家としてお名前が広まりつつある森山至貴さんは社会学者でもあって、研究者としての専攻領域がLGBTとかqueerとかの方面だったりするそうですが、第8話についてどのようなご感想を持ったか気になるところです。

第2話では音程が悪いからということでバケツをかぶって自分の発する音程を聴きながら歌う練習をしていました。鶴田浩二さんよろしく自分の耳に手を当てて歌う程度のことならやる合唱人はいますが、バケツをかぶるのは初めて見ました。調べたところ、音痴矯正トレーニングとして行われることがあるらしいです。ただ、特に無伴奏合唱では他の人が発する音程に応じて自分の音程を微調整する作業が必要で、バケツをかぶると周りの音が聞き取りにくくなるので、入門段階を脱した人にとっては逆効果となりうる練習法ではと思われます。

2015/10/29追記

余談(もとは別のエピソードが入っていましたが「その2」に移しました)。初出演映画「カルテット!」は、高杉さん演じるバイオリニストの卵が、両親の不和や姉の反抗といった家庭崩壊寸前状態を解決すべく、家族によるカルテット演奏を実現させようと悪戦苦闘するというプロットなんだそうです。家庭や学級の危機を共同作業によって解決しようとするというプロットはしばしばみられます。そもそも「表参道高校合唱部!」の場合、合唱部員たちが真琴の両親の離婚危機を救うためにやったことは家族で歌うことでなく合唱劇の上演ですし(終盤、夫婦で歌うことになるわけですが)。

2015/11/01追記

Smartザテレビジョンの高杉さんインタビュー記事に、次の発言があります。

あ、一つ僕にはよく分からないところがあるんです。

たまに芳根さんがアルトパートを担当していて、バスと同じくらいの音程のときがあるんですけど、そういうときに耳をそばだてて他の人の音を聞いているんですよ。部長も同じことをするのですが、あれってどういう意味があるんでしょう。歌がうまい人にしか分からない何かが聞こえるのかなあ(笑)。

既にどなたかから答えを教えてもらえたのかもしれないですが、おそらくバケツのくだり後半に書いた通りで、芳根さんや泉澤さんは他の人の音を聞きながらご自身の出す声の音色を合わせたりピッチを微調整したり呼吸を揃えたりしてるものと思われます。

桜庭大輔(堀井新太さん)

第3話の終盤で入部し、次の第4話ではさっそく「学園天国」のリードボーカルを担当します。

体育会系の部活経験者が合唱に転身すると、体ができているおかげで息がよく流れて声量が豊かというのは、中高生の合唱部あるあるの一つみたいです。

第8話でもソロを歌います。途中でバスパート仲間の祐と二人で歌うのですが、これが実に息ぴったり。技術として素晴らしいのですが、祐と大輔は中学からの仲良しで、しかも祐は大輔に対して特別な感情を抱いていたという話の流れを踏まえてみると、なんか妙に勘ぐってしまう自分が嫌になります。

まあ真面目な話、部長を含めたバスパートの3名は歌い手として粒が揃っており発声の方向性も近いため、パートとしてまとまりがよいように思います。バスは「ハナミズキ」でdivisiがあるけど誰が上で誰が下か聞き分けが難しい。

ちなみに、堀井さんは泉澤さんと朝の連続テレビ小説『マッサン』で共演経験があり、次項の志尊淳さんとは所属事務所が一緒ということで、それぞれ以前から仲良しでした。この三人は『表参道高校合唱部!』終了後もしばしばプライベートで集まっているようです。

夏目快人(志尊淳さん)

物語上は活躍する場面がとても多いのですが、合唱部で歌いだしたのは第5話からです。それもパートバランスの都合という理由で合唱部顧問の鈴木有明教諭(城田優さん)から勧誘されたことによるものでした。

スポーツ系の部活だったらキャプテンでも不思議はない。でも合唱部だと一般部員。ステージマネージャーとして走り回る姿とか似合いそうですけどね。

ソロは第9話「愛の歌」二重唱版と第10話「愛の歌」混声合唱版で出てきます。かなり話し声と近い歌声ってところですかね。

志尊さんは2016年10月から12月までNHK BSプレミアムで放映された連続ドラマ「プリンセスメゾン」に奥田直人役で出ていました。第2話終盤で、クラムボン「バイタルサイン」の一節を陽月華さん(要理子役)・舞羽美海さん(阿久津マリエ役)と一緒に歌うシーンがあります。「表参道高校合唱部!」第9話の「愛の歌」二重唱版を彷彿とさせる演出でした。なお、このドラマは『表参道高校合唱部!』で里奈役だった森川葵さんが主演ですが、森川さん演じる沼越幸が歌うシーンはありません。


このあと当ブログでは「表参道高校合唱部!」について、部員以外の人たち編と、落穂ひろい的な記事と、目次&リンク集記事を書く予定です。

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