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『うたごえの戦後史』を読みました

今年10月下旬に、河西秀哉氏が人文書院から『うたごえの戦後史』という論文集を出しました。せきは11月半ばに買って読み、読書感想文を当ブログに書くと宣言してもいましたが、一か月半ほど塩漬けになってしまいました。


第一章では第2次世界大戦時体制のなかでの合唱、第二章では敗戦後の合唱運動の歴史、第三章では「うたごえ運動」の歴史、第四章では日本独自という「おかあさんコーラス」の歴史、第五章では映画・ドラマにみられる合唱・うたごえの変遷を追いかけるという構成です。その書きぶりは日本近現代史(特に天皇制)を扱う研究者ならでは。学者がご自身の専攻や学術トレーニング経験を活かして合唱を題材とする論述を繰り広げるさまは、『なまずの孫』シリーズを著した国文学者・深澤眞二氏に通じるところがあると思います。

第四章までは戸ノ下達也・横山琢哉編『日本の合唱史』に登場するトピックのいくつかを掘り下げた論考がなされています。清水脩や秋山日出夫といった男声合唱界のビッグネームが登場することについては「日本における男声合唱史の研究」における書評に記されているのと同様の感想を持ちました。また、うたごえ運動について取り上げた章では拙サイト内「日本の絶版・未出版男声合唱曲」で見かけるお名前が散見され、それまで縁遠いと思っていたうたごえ運動に少しばかり親近感をおぼえました。

第五章は、当ブログで「【メモ】合唱をモチーフにした日本のエンタメ作品って?」という記事を書いたことがある身として興味深く読みました。挙げられている作品で重複しているのは映画「独立少年合唱団」ぐらいですが(実写の映像作品限定、アニメや演劇は対象外)さらっと触れた程度の拙ブログとは段違いの深い論考がなされています。今年春に公開された映画「桜ノ雨」が出てこないのは執筆時期の問題でしょうね。

この本を読んだ旨ツイートしたところ、著者の河西氏から以下の反応をいただきました。なお「カエルの女王様」は私のミスで、「カエルの王女さま」が正解です。

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