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2018/04/29の日記:第33回四大学女声合唱連盟定期演奏会

はや4か月近く前の話になるが、今年のゴールデンウィークは2度上京した。1度目は4月29〜30日の1泊2日、初日は四大学女声合唱連盟(略して四女連)のジョイントコンサートを聴く。

前回これを聴いたのは2015年の第30回。メンバーはすっかり入れ替わったはず。

出演者・スタッフ・来場者の皆様、お疲れ様でした。


11時過ぎに長岡駅を出る上越新幹線に乗って東京入り。

いっぺん食べてみたかった新小岩の某店で1時間半の行列の末、15時過ぎに遅い遅い昼飯。大急ぎで平らげ、開演時刻の16時ギリギリに、かつしかシンフォニーヒルズに到着。演奏会場はそこのモーツァルトホール。


このたびは終演直後ツイッターに書き留めておいた備忘録をもとに当記事を綴る。

今回の演奏会パンフレット、前半のオムニバスステージ2つについて記されているのは楽曲のタイトルと歌詞と聴きどころガイド程度で、作詩作曲編曲者が記載されていない!!

わたくし不勉強なもので、聴いて誰の作品か分からない曲目が多かった。あとで調べるなどにより可能な限り補完を試みたものの(なので今回は脱線気味のうんちくが普段以上に多め)データの遺漏は埋められず。ご容赦を。


エール交換

このたびの校歌はステージ構成と同じ順番での演奏だった、はず。

共立は童声合唱ふうのトーン。ユニゾンが非常に綺麗。ソプラノに歌いながら左腕が動く癖のあるメンバーがいるのが目についた。男声には時々みられるけど女声では珍しい。

立教、備忘録ツイートに「演奏会のエールで2番も歌ったのは初めて聴いたような気がする」と書いてしまったが、前回聴いたときもそうだったので、この場を借りて訂正。自分が現役だった四半世紀ほど前からの伝統として、どうもエールではフレーズの収め方に繊細さを欠く傾向がみられる。スイッチ操作ではなくコンセントを引っこ抜いて電源を切るかの如し。

日本女子、団全体のトーンを束ねる声のメンバーがソプラノにいる。おかげでアンサンブル全体のまとまりがよかった。このソプラノ団員さんは換声区近辺や激しい跳躍時に発声およびピッチが時々不安定になる点が惜しいのだが、そのうちきっと克服できるであろう。

慶應。エールで何となくわが現役時代の立教女声を思い起こした。単独ステージの途中で理由が分かった。とても鳴りが深いメンバーがアルトにいるのだ。無伴奏曲に映えそうな安定感たっぷりのサウンド。

第1ステージ:共立女子大学合唱団

わたしたちの そら(アラカルト)
指揮:相澤直人/ピアノ:名倉扶季
  • 空がこんなに青いとは
    (作詩:岩谷時子/作曲:野田暉行)
  • 空が青いんです
    (作詩:サトウハチロー/作曲:?)
  • 空のキャンバス
    (作詩:岡倉ケンジ/作曲:周藤諭)
  • 空のうた
    (作詩:林望/作曲:上田真樹)※童声(女声)合唱組曲『あめつちのうた』第1曲
  • あなたに とどく そら(A・Wに…)
    (作詩:?/作曲:?)
  • たとえば、空
    (作詩・作曲:瑞慶覧尚子)

相澤氏の指揮で紡がれる音楽はとても柔軟。その自在さは、あたかも細長いゴム風船をよじってプードルなどを編む大道芸の如し(あれ力加減が難しいんですよ。おととし挑戦したことがあるけど、うまくいかなかった)。このあと相澤氏の著書として「合唱エクササイズ ニュアンス編」が出版された。そこに記されたことを作為がみられないほどまで消化吸収・血肉化しているからこその柔軟さなのかもと、その本を読んで思い返した。

名倉氏のピアノはがっしりしたもの。ドイツリートと相性がよさそうなタッチ。

このステージの演目を模造紙に書きだしたものがロビーに張り出されていたのだが、あとで写真撮影するつもりでいたらインターミッションの時には既に外されていたようで見つけられず。残念。

1曲めは1970年に開催された第37回NHK全校学校音楽コンクール小学校の部の課題曲なので私も知っていた。冒頭の「知らな」にアクセントだかスタッカートだかを付けて歌っているのは恐らく譜面通りなんだろうけど、それを表現した演奏を聴いた記憶がなかったので新鮮だった。

2曲めの作詩者はネット検索で絞り込めたものの、信長貴富氏が作曲したものと山本繁司氏が作曲したものが存在するらしく、判断がつかず。

3曲めが最もドラマチックだったかな。このあと演奏を中断し、客席にいらした作曲者の周藤氏が紹介された。指揮者は「本来ならステージの最後に紹介するところだけどパンフレットに作者の情報がないので演奏直後に紹介する」とかおっしゃっていたような。

4曲めの作者はネット検索で判明。

5曲めは恐らく日本女子の単独ステージで演奏された組曲の第5曲。

ラストにあたる6曲め、前述の張り紙にああ書いてあったのが記憶に残っている。この曲だけ当て振りによる動作が加わっていた。前述の左腕が動くソプラノさんが、動作を加えて歌ったとき最もイキイキして見えた。ミュージカルやオペラみたいに動きを伴って表現する曲で持ち味が生かせる人なのかも。

蛇足。相澤氏のプロフィールに、自作「ぜんぶ」が使用されたドラマとして「表参道高校合唱部」と記されているが「表参道高校合唱部!」が正しい。OB六連のパンフレットでも感嘆符が抜けた表記だった。この記事を書いた時点ではがそうなっている。

第2ステージ:立教大学グリークラブ女声

北欧ア カペラ名曲集 Vol.2
指揮:湊晋吾
  • SANCTUS
  • OSANNA!
  • Examine Me
  • Hjathningarima

西洋現代無伴奏合唱曲は湊氏が持ち込んだ路線。すっかり団の栄養として定着しているようで何より。コンクールの都道府県大会を突破する団体と遜色ない出来栄えだと思った。特に3曲めの、恐らく立教女声史上初挑戦であろうトーンクラスターは白眉。

ボイストレーナーが猿山順子氏に替わったのですね。グリーフェスティバルのレセプションにおみえになった。そこでのスピーチによると、今年から着任した模様。

作詩作曲者を調べるべくネット検索をしたところ、パナムジカで「[CD]現代女声宗教合唱集 (I Himmelen)」という商品を見つけた。今回とりあげられた4曲と一緒のタイトルの曲が含まれている。おそらく4曲いずれも今回の演奏曲なのだろう。「Examine Me」の作曲者がBengt Johanssonというのは納得。

パンフレットでは、1曲めが「gloria tua」で終わり《2曲目の「OSANNA!」では、SANCTUSから『Hosanna in excelsis』というフレーズを引き継ぎ》とある。この記載からは、同一のミサ曲から連続する楽章を抜き出して取り上げたものであるかのような印象を受ける。でも上記の通りなら別の作曲者による独立な曲という可能性が大きく、もしそうなら解説文としてミスリーディングといわざるを得ない。なんとなく雰囲気が違うなとは思っていたけれど、同じミサ曲の中でもSanctusとHosannaで曲想が変わることはしばしばあるから深く気に留めずスルーしてしまったのだ。

第4曲はアイスランド民謡の合唱編曲とパンフレットに説明があった。タイトルについて「th」と表記した箇所は、パンフレットではð(エズ)と記されていた。英語などで使われる有声歯摩擦音をIPAで表記する際に使われる記号である。

第3ステージ:日本女子大学合唱団

児童(女声)合唱組曲『きのう・きょう・あした』より
作詩:ヒビキ・トシヤ/作曲:宮川彬良
指揮:榊原哲/ピアノ:鈴木永子
  • きょうのユメ あしたのホント
  • こいぬが わすれた こえ
  • えんぴつの みかた
  • たまごは しってる
  • あしたをつくる うた

いかにもアキラさん作曲といった雰囲気の肩の凝らない小品集を、黒ベストに蝶ネクタイで簡素な振りを付けて歌った。目に楽しいし、演奏も基礎がきちんとしているから心おきなくパフォーマンスを堪能できた。

途中、指揮者がニワトリの鳴き声を発したときは場内大受けだった。

この組曲は本来6曲編成のところ、第5曲にあたる「あなたに とどく そら」をカットしての演奏。でもパンフレットには断りなし(よくあることだけど)。演奏時間の制約や他のステージで取り上げたというあたりが割愛理由かな。のち7月に日本女子大学合唱団が東京都合唱祭に出場したときはこの曲も歌った模様。

第4ステージ:慶應義塾ワグネル・ソサィエティー女声合唱団

Bob Chilcott 合唱曲集
指揮:樋本英一/ピアノ:小林功
  • Music to hear
    (作詩:William Shakespeare/作曲:Bob Chilcott)
  • Tomorrow shall be my dancing day
    (作曲:Bob Chilcott)
  • The Swallow
    (ニューファンドランド民謡/編曲:Bob Chilcott)
  • The Song of the Stars
    (作曲:Bob Chilcott)
  • Mouse Tales
    (作詩:Lewis Carroll/作曲:Bob Chilcott)

チルコットの幅広い作風を概観でき、面白いステージだった。もちろん曲想の変化を反映した演奏のたまもの。

パンフレットで「五曲目」として扱われていた『Mouse Tales』は「Beneath the Mat」と「The Trial」から成る小組曲で、2楽章すべてが演奏された。

第5ステージ:合同演奏

女声合唱とピアノのための『百年後 —タゴールの三つの詩—』
作詩:ラビンドラナート・タゴール/訳詩:森本達雄/作曲:信長貴富
指揮:山脇卓也/ピアノ:須永真美
  • 光よ
  • 歌のない夜明けの歌
  • 百年後

山脇氏が歌い手にわーっと出させる演奏は初めて見聞きしたかも。お江戸コラリアーずなどの演奏から吠えさせず安全運転させる指揮者というイメージを持っていたので、少し驚いた。

それでいて破綻なく、歌い手がイキイキしているのは、合同演奏の理想像に限りなく近い。素晴らしい。さらに、合同演奏という規模の大きさと、楽曲そのものがもつサウンドの立体性が好ましい相乗効果をもたらしたように感じた。

終曲のエンディングでピアノの残響と歌声が混じり合うのは、確かに鮮烈な音がする。しばしば話題になるのがよく分かった。

アンコール

せいいっぱい
作詩:木島始/作曲:信長貴富
指揮:山脇卓也/ピアノ:須永真美

10年半ほど前に共立女子大学合唱団の定期演奏会で初演された単品。いまのところ未出版で、聴けたのは貴重な機会。



終演後、合唱人が集うと評判の某小料理屋さんに行こうと高田馬場に移動したものの、満席などの理由で店には行けず。

あきらめて、浜松町へ移動し投宿。ホテルはなかなかなものだったが、周辺は居酒屋ばかり。そうでない飲食店が見つからず、晩飯は吉野家の牛丼しか選択肢がなかった。高田馬場で食事をとっておけばよかったなあ。

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