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組曲「吹雪の街を」考 (2) 伊藤整におけるテクストの位置づけ

テクストの詩は、すべて詩集『雪明りの路』から採られたものです。
十代後半、伊藤整少年は少なくとも2人の女性と恋愛を経験しました。この時期に書かれた詩には、その恋愛体験を題材としたものが多く、組曲「吹雪の街を」はそういう詩を中心に選ばれています。
そして21歳で、伊藤青年は、詩集『雪明りの路』を上梓しました。編集過程で、詩人は十代半ばから書き溜めてきた詩をまとめて読み直し、それを踏まえて詩集の序文をこう締めくくります。

此処に集められたものを見ていて私は涙ぐんでしまった。
何もかもが其処から糸をひくように私に思出されるのである。
之が今までの私の全部だ。
なんという貧しさだろう。
幾年もの私がこんな小さな哀れなものになって了った。
私はまた之からこの詩集を懐にして独りで歩いて行かなければならない。
頼りないたどたどしい路を歩いて行かなければならない。
私を呼んでいるものが、待っているものがあるような気がするのだ。
では左様なら。
愛惜きわまりない、稚い年月の私の夢よ。
其処に絵のように浮いてくる人々よ。

そう、詩集『雪明りの路』は、詩人にとって自らの思春期を総括し、甘酸っぱくほろ苦い青春から卒業するきっかけとなった存在なのであります。
(序文の全体は北海道中央タクシー株式会社の公式サイト内で読めます)
この詩集を出してまもなく伊藤氏は大学に進み、生活の拠点を北海道から東京へ移し、文芸活動の場を詩から小説や評論へシフトさせてゆくのでした。
—— 組曲「吹雪の街を」考の目次へ ——

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