blog.合唱アンサンブル.com

せきと申します。ウェブサイト「合唱アンサンブル.com」を動かしております。

ステージ出演予定などは告知カテゴリをご覧ください。

メロス楽譜(メロス音楽出版)社長・西野一雄氏を悼む

この週末、「日本の絶版・未出版男声合唱曲」リストをまとめている者としては見過ごせない訃報に接した。


西野氏と直接お目にかかったことはない。十何年か前、当時歌っていた立教大学グリークラブOB男声合唱団が『ソネット集』『Missa Mater Patris』などの楽譜をまとめて注文する際に電話でお話をしたことが2、3回あった。話のついでに『Missa Mater Patris』出版譜について「浄書に使われた底本がそういう体裁で記譜されていたことは存じ上げているが、複数のパートを1段にまとめて書かれるのは音域の入れ替わりなどが多くて見づらい」と申し上げた覚えがある。

西野氏とのつながりといえば男声合唱版「季節へのまなざし」浄書製本譜。知る限りの一部始終を昨年3月20日付け記事「男声合唱曲『季節へのまなざし』浄書製本譜の裏話」に記した。

メロス楽譜から公刊された出版物は概ね買い揃えたように思う。特に多田武彦作品は発売を知ったら即座に手配した。メロス出版創業当初は公刊物でない浄書譜(主にメンネルコール広友会がらみや、同団でつながりのあった北村協一先生・畑中良輔先生つながりで依頼・制作された)も直販で有償頒布されていたが、せきはほとんど手を出していない。ある時期から公刊物でない浄書譜の有償頒布がアナウンスされなくなった。深澤眞二著「なまずの孫 二ひきめ」に、林光作曲『おとずれ』の浄書譜がらみで作曲者とトラブルが起きたことをにおわせる記載があり、そこらへんと関係があるのではというのが極私的推測。


今にして振り返ると、西野氏の身に何か起きたことを示唆する事象が近年いくつも起きていた。

最初にハテと思ったのは、一昨年7月に出版された多田武彦作曲『達治と濤聲』の版元がメロスでなくカワイ出版であったこと。なのに当時せきはなぜか初演者とのつながりによるものかなと思い込んでしまった。前々月に出版された『鳥の歌』まで多田作品はメロスから出続けていて、西野氏は新刊が出るたびに日本男声合唱協会のメーリングリストへ告知を投稿しておられたので、出版事業に影響があるような状況でいらっしゃるとは迂闊にも想像がつかなかったのだ。同年10月にカワイ出版から『京洛の四季』楽譜が発売されたときも同様。

次にハテと思ったのは、昨年5月、メロスの出版事業をパナムジカが継承することがアナウンスされたとき。ほどなくブログ「合唱道楽 歌い人」の記事「メロス楽譜の事業継承」が公開され、ようやく事情がのみこめた。なお、同ブログでは氏の訃報を受け「西野一雄氏 ご逝去」という記事が公開されたばかりである。

せきの中で男声合唱版「季節へのまなざし」が音楽之友社より出版される予定という一昨年夏のアナウンスがせきの中で出版事業継承と結びついたのは、昨年夏ごろ(実際に発売されたのは昨年3月)。あの浄書譜を発行し続けられない状況になったから、いい機会として本来の版元から正式な出版譜を出すという話になったのだとしたら、もろもろ説明がつく。電話でお話させていただいた十数年前にしてそれなりの齢でいらっしゃったあたりから察するべきであった。


ともあれ、西野氏およびメロス楽譜には大変お世話になり、ありがとうございました。どうぞ安らかに。

コメントする

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.


    ケータイ利用者さまへ

    当ブログは携帯電話から直接アクセスできます。コメントも可能です。

    なお、アクセントやウムラウトが付いたアルファベットや「髙(ハシゴ高)」などの文字を正しく表示できない携帯電話端末が存在するので、そういう文字は代替表記しています。

One in a Million Theme by WordPress theme