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指揮者としての荻久保和明氏

荻久保和明氏は『縄文』シリーズや『季節へのまなざし』『IN TERRA PAX 地に平和を』『しゅうりりえんえん』などを書いた作曲家として有名です。指揮活動をしておられることを御存じの人もそれなりにいらっしゃるはず。氏が客演指揮をするときは自作を振ることがほとんどなので、作曲活動の延長としてタクトをとっていると認識している人も多いのではないでしょうか。

ただ、松下耕氏や相澤直人氏みたいなスタイルで作曲活動と指揮活動を並立させる音楽家とみるほうが、荻久保氏の実像に近いと思われます。


混声合唱団コールクライスという団があります。創立以来、荻久保氏が指揮者を務める団です。その演奏会記録を見ると、他の作曲家の曲が予想外に多いことが分かります。プログラムに自作が含まれない演奏会も4回ほどあります。せきは演奏を聴いた経験がないので、残念ながら同団に対する論評はできませんが……。


荻久保氏の指揮による演奏を聴いたこと自体は何度かあります。そのうちのひとつ、1996年9月22日に東京芸術劇場大ホールで行われた日本男声合唱協会創立25周年記念第13回演奏会の合同ステージ『幻の雪』委嘱初演では、アンコールとして清水脩編曲「最上川舟歌」と磯部俶作詩作曲「遥かな友に」が演奏されました。どちらも荻久保氏ならではの演奏で、特に「最上川舟歌」終盤でaccel.しながらエンヤコラと掛け合うくだりは“縄文なるもの”に満ち溢れたサウンドのように聞こえました。

荻久保氏の指揮で歌った経験も一度あります。第43回東京六大学合唱連盟定期演奏会(1994年5月3・7日)の合同ステージです。鮮烈かつ豊富な語彙で表現を引き出すタイプの御指導でした。たとえば「そこはワグネルトーンに香水を一滴たらした声で」「(Prestoになるくだりで)ここから狂気の世界に入る」とか。

早稲田大学グリークラブ100周年特設サイトの「Artist Interview 第3回 荻久保和明氏 (作曲家・指揮者)」で、座談会参加者のお一人が『これは伝え聞いた都市伝説のようなものなんですけど、先生が6連合同のアンコールで「IN TERRA PAX」を振られた時に、練習で「これで全部平和になったと思うなよ」とおっしゃったとか(中略)この話は事実ですか?』と発言しています。ご本人は覚えてないとお答えになりましたが、あれは事実です。もっとも、言い回しは微妙に違っていたような気がします。わが記憶が確かなら「この曲が(本編で演奏した組曲『縄文“愛”』での問題提起に対する)答えだと思うなよ」もしくは「これですべてが解決したと思うなよ」みたいにおっしゃっていました。

ちなみに、そこで演奏した男声合唱版「IN TERRA PAX」は、のちに出版されたバージョンと微妙に相違があります。覚えている限りだと、最後のB-durでBassが根音でなく第5音を受け持つとか。



本記事は、前回で書きかけたものの、独立させた別記事としたほうがよかろうと思い直し、いったん引っ込めた文章に加筆したものです。

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