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ドラマ「表参道高校合唱部!」のこと(その4)続・女子部員編——合唱歌手としての引田里奈

今年7〜9月クールにTBS系で放映された金曜ドラマ「表参道高校合唱部!」について、いろいろ書き連ねています。シリーズ連載の趣旨は「(その0)はしがき・目次・関連リンク集」をお読みくださいませ。

今回は当初の予定を変更し、前回の記事「(その3)女子部員編」を書くためにやったプロセスの補足説明を兼ね、森川葵さん演じるソプラノ部員・引田里奈の歌声に注目して、その変遷を追いかけてみます。


なお、この記事はドラマ公式サイト内で配信されていた録音に沿った形で記していましたが、2016年11月初めごろに配信が終了した模様です。そこらへんを踏まえ、2016年12月に大幅な改稿をしました。実際の歌声と比べながら読みたい人はドラマ等をご覧ください。販売用DVD・Blu-rayをお持ちでしたら、特典ディスクに収録されている合唱シーン集と見比べるのがおすすめです。


第1話「Over Drive」

里奈にスポットライトが当たる回です。あらすじを本記事にかかわる範囲に絞って書きます。

表参道高校に転校してきた真琴(芳根京子さん)は、合唱部員勧誘活動のため、中庭で一人で歌います。それを聴いた里奈は「ちょっと感動しちゃった」と、合唱部への入部を申し込み、唯一のソプラノになります。全校集会の場で発表会をしようということで、真琴は「Over Drive」の譜面を配りました。譜面を見て里奈は顔色を変えました。皆に内緒で覆面ネットアイドル「ネコ娘」として里奈が歌い踊っていた曲だったからです。正体をバラす気かと詰め寄る里奈に真琴は「声でわかるよ。合唱に大事なのはまず相手の声を聴くこと。歌声を聴くだけで、相手の気持ち、体調までわかる。それが合唱の面白いところだから」と答えるのです。

発表会直前、舞台袖で待機していた合唱部員ですが、里奈はトイレに行くと言って抜け出し、そのまま客席に座ってしまいました。唯一の主旋律パートを不在にすることで合唱部の演奏を阻止しようという谷 優里亞(吉本実憂さん)の策略によるものです。しかし残された部員たちは真琴の熱意に圧倒され、下3パートだけ・主旋律ぬきで歌い始めます。それを聴いて我慢できなくなった客席の里奈が途中から小声で主旋律を口ずさみ始め、「心の」付近でフルボイスになって舞台上に駆け上がり、歌う喜び全開で合唱に加わります。

このくだりの森川さんの歌声は、とても説得力が高く、これがなかったらドラマは成立しえないほど重要な役目を果たしたとせきは思います。

第2話「翼をください」
第3話「TOMORROW」

次の2回はあえてまとめました。うちの再生環境だと、森川さんの声質の横幅の広さが強調され、主に中低音域でソプラノらしからぬ太さに聴こえます。辛口で申し訳ないのですが、正直「OVER DRIVE」の印象があると「どうしちゃったの?」という感覚は否めないところです。

リアルタイム視聴した際せきはキーが合わないのかな程度に思っていました。でも改めて歌ばかり続けて聞くと「Over Drive」に比べソプラノの響きのポジションが著しく落っこちているように見受けられます。

Smartザテレビジョンの連載企画で、部長・相葉廉太郎こと泉澤祐希さんのインタビュー記事に《森川さんは本当に良い声をしているんです! (森川さんは)合唱部ではソプラノを担当していて、主旋律を歌っているんですけど、すごく声が響くんですよね。でも、本人は「歌に自信がない」って嘆いていますが、僕は「いつも良い声だなぁ」って思っています(笑)。》という発言があります。

この「歌に自信がない」という嘆きが、響きのポジションを落とした一要因ではないかと、せきは推測します。ボイストレーニングや練習の過程で自らの発声のしかたに迷いや不安があると声が前に飛ばなくなって響きが陰るという現象は体験も見聞きもしてますので。この推測が正しければ、真琴がネコ娘の正体を里奈と見抜いたくだりそのままですね。(的外れだったら申し訳ないです)

森川さん自身が初回放映後のインタビューで《「歌がうまいんだね!」って言ってもらえて…。すごくうれしいんですけど、苦手意識があるので何だか複雑な心境でした。》とか、《正直言って、自分の歌っている声があまり好きではない》とか語っているのは謙遜ではなかったということなんでしょうかね。もっとも《正直言って、自分の歌っている声があまり好きではない》発言には《のですが、みなさんに喜んでいただいているのなら、これからもがんばって歌わせていただきます。》という続きがあります。

欠点をあげつらってばかりだと余計に自信をなくされそうなので(ドラマが終わってから書いてる時点で遅いけど)好ましく聴こえた点も記すと、高音域はきっちり響いていますし、他パートに比べればマイクが声をよく拾っています。「翼をください」では音符の始まりで下からしゃくる傾向や母音の違いによるピッチのぶれがみられましたけど「Tomorrow」以降では概ね治っているようです(あの種の癖は抜けにくい人も結構いる)。

第4話「原宿祭りメドレー」

劇中ではシルバーコーラスやキッズコーラスと共演しますが、かつて公式サイトで放映された形のほかに合唱部だけが歌う音源も公開されていました。実は後者のバージョンを聴いたことが本記事を書いた最大の動機です。現在この録音が公式には提供されていない件を極めて残念に思います。

この時点でも合唱部でソプラノを歌っているのは里奈ひとりです。「女々しくて」では、共演している合唱団も含め一人だけでオクターブ上を歌っています。「サボテンの花」「夏の思い出」では、響きの落っこちがずいぶん改善されています。また「Over Drive」ではアカペラボイスアンサンブルのリードボーカルっぽい声の出し方だったのが、今回はいかにも合唱のソプラノパートらしくって、他パートを包み込んでハモりやすく聴こえる音色になっています。ところが最後の「学園天国」で声ががらっと変わります。フィンガー5のアキラくんみたいな声の主旋律も里奈なんです! オンエアでは共演している合唱団の声が重ねられていますが、合唱部だけのバージョンを聴くと意図して歌い分けていることが明瞭です。そしてどっちの歌声も見事だと思います。

ついでながら、先に「Over Drive」について書いたときはあえて触れなかったのですが、第1話でネコ娘として歌い踊るネット投稿動画では合唱の演奏で聴いてきたものと全く違う声が使われています。これでネコ娘の正体を里奈と見破るのは難しいと思います。かつてはドラマ公式サイトでその動画が45秒ほど配信されていました。現在はオンエアで使われた断片をDVDやBlu-layか再放送(あれば)でしか確認するしかないようです。

合唱の中であれだけ多彩な声音を使い分ける人、せきは初めて見ました。半年に満たない練習期間にもかかわらず能力を引き出して育てた合唱指導者の福永一博さんに負うところが大きいのでしょうね。場面や役割に即して臨機応変に歌い方を変えてゆくことは大事なことと常々せきは考えているもので(なかなか自分にはうまくできないけど)、この「原宿祭りメドレー」での里奈に激しく衝撃を受けた次第でございます。

なお、「サボテンの花」「夏の思い出」で音色が溶け込みやすく変わったのは、もしかすると第4話の劇中で登場した、城田優さん演じる合唱部顧問・鈴木有明教諭のノートに書かれていた「主旋律の歌い方に慣れてきたから、次は他パートを聴きながら歌え」という指導の影響もあるかもしれません。

曲想に応じた歌い分けについては、「(その0)はしがき・目次・関連リンク集」のコメントで福永一博さんが《作品の持つスタイルや、様式にそって発声・音色を変えたりすることや、8話の恋しくての歌い回しは、特に指導に尽力したポイントでもあった》とおっしゃっています。この記事で先にネガティブな側面を取り上げた「翼をください」「Tomorrow」についても、歌い手側としては同様の狙いがあったのでしょうね。

第5話「TRAIN-TRAIN」

ソプラノは桐星成実(柴田杏花さん)・里奈。2名って、声のアンサンブルにおいてパート内で声をそろえるのが一番難しい人数なんです。にもかかわらず、ふたりの声が一体に溶け合って聴こえる瞬間が何度かあります。響きの共通要素が多いということが最大の要因でしょう。終盤でソプラノが上下に分かれますが、下担当(終止和音F-durで第3音にあたるAを出す唯一のパート)が里奈です。全体に成実と同化しようとしつつ、divisiでソプラノが上下ひとりずつになったときはしっかり音を出していて(でも悪目立ちはせず和音の中に溶け込んでいる)、ここでも役割に応じて歌い方を変えていることがわかります。


第6話「心の瞳」以降は最終回まで、おおむね「その3」に書いた通りです。里奈についてはパート内に響きで溶け込むような歌いかたをしているように見えます。個性をコントロールしサウンド全体に声を溶かし込む方向で歌うのは、日本の合唱歌手がしばしば行うアンサンブル手法です。どこからどこまでが合唱指導の先生方や共演者諸氏のアドバイスによるものか、はたまた森川さんご本人の自発的なものかは存じません。


えみり先生こと神田沙也加さんみたいに歌の活動を本業のひとつとする人ならともかく、歌うことをが嫌だの苦手だの公言しているにもかかわらずドラマ上の役柄で歌ったという非合唱人を合唱歌手として取扱いガチな論評を加えていくのは、われながらどうかしてると思います。演技がどうのという観点をまるきり脇に置くのはご本人にとって不本意であろうと思いつつ、ほかの部員とバランスを欠く取り上げかたになることにためらいをおぼえつつ、でも「原宿祭りメドレー」の音源を聴いた衝撃を書き残し誰かに伝えたいという欲求には勝てませんでした。



引田里奈の合唱歌手としての特徴としてもうひとつ、ほかのメンバーと歌いながら積極的にコミュニケーションをとろうとする傾向が第2話以降で認められます。ただしこれは里奈だけでなく、真琴や部長にもあてはまります。具体的には「(その7)アイコンタクト」に書いたので、ご興味のある方はそちらをどうぞ。



ここまで記してきたことは「原宿祭りメドレー」で感じたビックリ度と「翼をください」「Tomorrow」についての推測が主な論旨で、「Over Drive」についてはそれらに対する導入という程度のつもりでした。ちょっと論の進め方が我田引水ぽいのは承知の上。

でも、ドラマ「表参道高校合唱部!」は部員役を務めた演者さんたちの歌唱技術がどう成長していくかという実録的な見方もできます。その見方をするなら「Over Drive」についてもう少し踏み込んだほうがいいかもと思い直し、以下に前史などを書き足すことにしました。

Smartザテレビジョンでの高成麻畝子プロデューサーインタビューや、ドラマ公式サイト「現場レポート」第1回および「オモコー合唱紹介コーナー」第1回の記述などを総合すると、ボイストレーニングなどを含む合唱の練習は5月から始めていたことがわかります。また、佐々木美子役・萩原みのりさんのブログに、「Over Drive」のレコーディングは6月28日頃に行われたと書いてあります。つまり、特訓開始から「Over Drive」披露までの期間は1か月半強〜2か月弱であったということです。

表参道高校合唱部の部員を務めた役者さんで、ドラマ制作が始まる前から歌声を披露しているメンバーは、森川さん、柴田杏花さんの2名が確認できています。柴田さんについては「(その3)女子部員編」を参照。(筆者未確認の作品も情報として書いておきます。夏目快人役の志尊淳さんが「ミュージカル テニスの王子様」で、佐々木美子役の萩原みのりさんが2012年にベネッセコーポレーションCM「進研ゼミ・歌う新高1生」で、相葉廉太郎役の泉澤祐希さんが2015年にNHKで放映されたドラマ「ちゃんぽん食べたか」で、歌っているそうです)

森川さんは2015年初めに公開された主演映画「チョコリエッタ」でエンディングテーマ曲を歌っています。映画公式サイトからリンクされている予告編動画(1分6秒目付近〜)で聴けます。里奈を演じるときとはずいぶん違う発声で、歌うというより「口ずさんでいる」と表現するほうが適切かもしれません。(ほか、2012年12月に放映された深夜番組「久保ヒャダ こじらせナイト」で小沢健二さんの「僕らが旅に出る理由」を歌っていて、ご本人いわく《歌は苦手ですがほんともう死ぬきで(笑)歌ってきました》だそうです。これも某所で録画を見てしまいましたが、著作権的にアレっぽいので詳細は差し控えます)

「Over Drive」での森川さんの歌は、声楽畑の人が聴くと意見が分かれるところかもしれません。やわらかい声質や豊かな響きに魅力を感じる人、時々こもったりイ母音で食いしばりすぎたりな点が気になる人、いろいろな評価があるかな。

でも補助線として、里奈になる前の合唱モードでない歌声と比べると、長所に惹かれた人、欠点が耳についた人、いずれの立場からも「よく頑張ったね」といったところに集約できそうに思われます。高校や大学の合唱団などで未経験者の新入部員を育てる経験をしたことがある人なら「たった2か月もしないうちに、あんな声が出るようになるとは!」という驚嘆も加わることでしょう。入部から2〜3年たっても共鳴を歌声に生かしきれない人はざらにいますから。

ちなみに演出上クライマックスまで里奈の合唱歌手としての歌声はほぼ封印されていますが、合唱部に入部して基礎練習をするシーン中、ハンドサインをやりながらカデンツで導音(do-do-do-ti-doのti)を歌う瞬間にとてもよく響きの当たった声を発します。

蛇足ながら、せきの極私的趣味でいえば、第1話「Over Drive」のあのリードボーカルは、ストライクど真ん中な声です。聴くと嫌なことが吹っ飛んで幸せな気分に浸れます。「宝物(中略)信じてるの」のくだりとエンディングのボーカリーズが特に好みです。ア母音が綺麗なんですよねえ。包容力の高さを感じさせるあの歌声は合唱に限らず得難い財産とさえ思います。

歌唱技術の成長という観点からは、第7話「ハナミズキ」も要チェックです。この曲のソプラノは優里亞・里奈の2人。声質が異なるペアなので各人の声を聞き分けることはさほど難しくないと思います。里奈については「翼をください」「TOMORROW」で顔をのぞかせる発声の癖がずいぶん緩和されていて、練習や指導の成果が分かります。


森川葵にとっての「歌うこと」

この記事をまとめるにあたっていろいろ調べてみたら、里奈とはあたかも真逆であるかのように、演者である森川葵さんは歌うことについて複雑な感情を抱いているらしいのです。余計なお世話なんでしょうけど、そこらへんにも踏み込んでしまいます。

森川さんはしばしば「私は歌うことが苦手・嫌い」という発言をしています。この記事で賛辞を書きまくった身として胸が痛むところです。

端的な例は、2016年9月8日に放映された「ダウンタウンDX」での発言「歌うドラマもやらせてもらったが、なんか結局あんまり歌うことが好きになれなくて」ですね。ドラマのタイトルは伏せられていましたが「表参道高校合唱部!」をさすと思われます。トークの概要は「Techinsight」2016年9月10日付け記事【エンタがビタミン♪】にまとめられています(ただし、くだんの発言で「いいドラマなんですけど」と自らフォローを入れたことには触れられていません)。

また、FM J-WAVE「SMILE ON SUNDAY」2016年12月11日放送回の「SOUNDS GOOD」というコーナーに森川さんがゲスト出演した際、最後のほうでアイドルタレントの役をやってみたいという話をしていました(劇中の里奈もアイドル志望という設定でしたね)。メインパーソナリティのレイチェル・チャンさんが「ソロのアイドルだったら吹き替えなしで歌わなきゃですよね」と問いかけたところ、一瞬ウッと詰まったような反応ののち「が、頑張ります……」と答えていました。

もう少し詳しいのは「Deview-デビュー」の森川さんインタビュー(2015/11/11付け公開)。恐らく「表参道高校合唱部!」クランクアップ後に取材された記事です。

私、歌うことがそんなに好きじゃないんです。だから、『表参道高校合唱部!』がちょっと辛かった時期があって。これまでは同世代が多かったけど、上の世代の方からも『観てたよ』って声をかけてもらう機会も増えたし、幅広い世代の方に名前を知ってもらうきっかけにはなったんですけど、ドラマの撮影で歌って、撮影がない日も歌の練習があって……というのが辛かったんです。でも、共演者の皆さんもスタッフさんもみんな優しかったし、みんなと目を合わせて歌うことはすごく気持ち良かった。

……率直ですねえとでも申しましょうか。女優業が楽しいと思っているかどうかという質問に対する答えの中に挟まれた発言で、この後は歌うことには言及されず女優としての生きがいを見つけたという方向の話になっています。

一方で、引用箇所最後の「みんなと目を合わせて歌う」というのがアイコンタクトをしながら歌声でアンサンブルするという意味なら、そこに快感を見出したというお話は合唱人として嬉しいですね。

上記をポジティブに表現したのが、森川さんが「表参道高校合唱部!」をクランクアップしたときのコメントでしょう。販売用DVD・Blu-rayの特典ディスクに収録されているクランクアップ映像集に収録されていますが、ここではドラマ公式サイトの現場リポートコーナー最終回「撮了コメントを紹介します♪」から引用させていただきます。

オーディションのときに歌がキライと言ったはずなのに選んでいただき、本当にやれるか心配でした。それから毎日練習練習で、楽しいというよりは辛いと思うことの方が多かったんですけど、みんなと歌っているときに気持ちいいなと思える瞬間を感じることができました。歌の良さを知ることができて、参加させていただきよかったです。

ところで、ぴあ中部版WEBの風間志織監督インタビュー後半で、映画「チョコリエッタ」エンディングテーマ曲を森川さんが歌った経緯が語られています。それによると、森川さんはその撮影現場で空き時間にいつも歌っていたのだそうです。「ダウンタウンDX」で紹介された言動と一緒ですね。《いつも歌を歌ってるくせに『私、音楽大嫌いです』って言う》点を、風間監督は《森川さんの面白いところ》と評します。

一見矛盾をはらんでいるかのように見える言動ですが、ご本人のブログにある2013/10/01付記事「あるふぁーーは」の《私はひとまえでうたうのがだいっきらいだーーーぁぁあ! けど鼻歌はすきなんだー。》という記述にこれらの言動を読み解くヒントがあるような気がします。

そのヒントを裏付けるかのように読める発言が、2016年2月1日付で公開されたanのインタビュー記事終盤で見つかりました( http://weban.jp/contents/c/c_interview/160201/ で公開されていたのですが、2016年8月頃に公開終了となった模様)。ドラマ公式サイトにあるインタビューとも重なりますね。

好きなことや得意なことをやるのは楽しいので、できれば苦手なことはやりたくないと思う部分がありました。その気持ちに大きな変化を生んだきっかけとなったのが、昨年出演したドラマ『表参道高校合唱部!』です。合唱部員役でしたが、実は……歌が大の苦手。プライベートで仲のいい友だちの前で歌うのさえイヤなのに、どうしてこんなにたくさんの人の前で歌わないといけないんだろうと、最初は戸惑っていました。でも、オンエアを見たら、歌っているシーンで感動して涙がこぼれたんです。そのときに、もしドラマを見てくれる人が、同じように心を動かしてくれるのなら、頑張りたいという気持ちになりました。


以下、2016年12月に追加した書き下ろし部分です。

TBS系列で放映されているトークバラエティ番組「A-studio」で森川さんは2016年4月からアシスタントを務めています(通例だと任期1年間)。同番組の公式サイトではアシスタントによるブログと動画コメントが放映に合わせて更新されるのが通例です。記事や映像の中には歌うことについて語ったものもあり、ここまで論じてきたことの背景などにつながると思われるので紹介します。

どうもご自身の歌唱能力に対するコンプレックスが強く、それが人前で歌うことに対する苦手意識をこじらせてしまっているように見受けられます。前掲の風間さんのインタビュー記事に出てくる《昔なにかのテレビ番組で歌わされたとき、すごい下手だったらしく》というネガティブな体験(おそらく先に触れた「久保ヒャダ こじらせナイト」。キーが低くて歌いにくそうでした)などで「うまく歌えない」という自己像を強めているようなふしもあります。この見立て通りだとしたら、時々みられる現象ではあるのですが、実にもったいなくて残念なことだと思います。

もうひとつ残念なのは、森川さんがテレビやラジオで歌が苦手と発言する際「表参道高校合唱部!」を引き合いに出してフォローする共演者が今のところ見当たらない点です。「A-studio」ブログ「答はなし」には里奈の歌声を絶賛するコメントがたびたび寄せられているのに……。



全面改稿前の最終バージョンも別に保存しておきました。この記事からのみリンクを貼っています。

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