blog.合唱アンサンブル.com

せきと申します。ウェブサイト「合唱アンサンブル.com」を動かしております。

ステージ出演予定などは告知カテゴリをご覧ください。

あさって歌う2つの民謡合唱曲

きたる2009/10/24に開催される「第1回 にいがたコーラスアンサンブルフェスティバル」で新潟ユース合唱団が取り上げる曲のうち、三善晃作曲「佐渡おけさ」「ソーラン節」について。

この2曲はいずれも「混声合唱のための 五つの日本民謡」という曲集に収録されています。東京混声合唱団というプロフェッショナルが委嘱・初演しただけあって手加減なしの難易度で、アマチュアだと腕におぼえがなければ手が出せない代物です。正直、新潟ユース合唱団としては大冒険の選曲なんですが、よく喰らいついてるものだとせきは感服します。

出版譜のライナーノーツは分かりにくいのですが、端的に言うと「民謡を題材に作曲する際、自分なりのフィルタがかかった。合唱団の皆さんには、民謡が歌われる現場のナマの空気やリアリティを忘れないで演奏してほしい」という趣旨なのでしょうかね。

もっとも、民謡の原型をなるべく残そうという苦心は随所にあらわれていて、それがこの曲集の、特に音取り段階での難しさにつながっています。

最近はYoutubeやニコニコ動画などに民謡の動画が投稿されているので、原曲の民謡に簡単に触れることができるようになりましたから、いろいろ視聴してみると演奏に役立つものが得られると思います。


佐渡おけさの原曲は、酒宴のお座敷で歌われたもののようです。日本語版Wikipedia「佐渡おけさ」の項を読めば概要がつかめるでしょう。女声パートを悩ませる「ハァ アリャサッサッサ」は、原曲では音程の付かない掛け声・合いの手です。こういうふうにして音程のないものから複雑な和声をつけた曲として、能の謡を土台にした「王孫不帰」という三善氏の男声合唱曲を、せきは想起します。

歌詞には様々なバリエーションが存在します。「佐渡おけさ」→「佐渡おけさ歌詞集」に列挙されています。合唱曲に採られていない歌詞の中には、佐渡島と越後の遠距離恋愛をほのめかすものもありますね。

三善晃氏には「佐渡おけさ」による混声合唱曲がもう1作品あります。和太鼓などの打楽器とピアノが付くもので、合唱団弥彦が1996年に初演しました。初演演奏会で三善氏と宗左近氏の対談があり、その中で宗氏が草柳大蔵氏から「新潟芸者の歌い踊る佐渡おけさは雨が降るよ」と言われたというエピソードを紹介しています(詳細:合唱団『弥彦』夜と谺(こだま)〜対談「宗左近、三善晃」)。


三善氏による合唱曲「ソーラン節」は、柴田南雄氏(新潟ユース合唱団のボス・tek310氏が好きな作曲家の一人)が、労働のナマの息吹があると激賞したものです。
ソーラン節の原曲は、北海道の漁師が、獲れたニシンを網からタモで船上に掬い上げるときの労働歌です。詳しくは日本語版Wikipedia「ソーラン節」の項をどうぞ。

途中「ごみ島」が出てきますが、「ゴメ島」「奥尻」「これ島」と歌うバージョンもあります。「ゴメ島」と名の付く島は北海道に何箇所かあるのですが、ニシン漁ということを踏まえるなら、道北端に近い枝幸郡枝幸町音標にあるゴメ島と理解するのが最も蓋然性が高そうです。なお「ゴメ」とはアイヌ語でカモメのこと。
ソーラン節にもさまざまなバリエーションの歌詞が存在します。場を盛り上げるために歌われるアドリブも多く、中には景気づけのために歌われる、色っぽい、時として卑猥な歌詞もあります。

深沢眞二氏の著書「なまずの孫 3びきめ 邦人合唱曲への文芸的アプローチ」26〜27ページ(メロス音楽出版)によると、「離れ島でも〜」のくだりについて「もてない男だって漁で稼げば港の女郎屋でもてまくる」という解釈もできるとのこと。それを踏まえると「一夜千両の網起こし」も「モテるために稼ぐぞ!」という裏の意味が漂ってきますね。

コメントする

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.


    ケータイ利用者さまへ

    当ブログは携帯電話から直接アクセスできます。コメントも可能です。

    なお、アクセントやウムラウトが付いたアルファベットや「髙(ハシゴ高)」などの文字を正しく表示できない携帯電話端末が存在するので、そういう文字は代替表記しています。

One in a Million Theme by WordPress theme