カテゴリー: 鑑賞の感想

2010/11/13の日記(その2):若き3団体による響宴

2010/11/13の日記(その2):若き3団体による響宴

今回は新潟ユース合唱団2010演奏会に対し、舞台袖からステージリハーサルや本番の演奏を拝聴して感じたことを記します。….

2010/11/3・4の日記(その3):第101回立教大学グリークラブ女声定演

2010/11/3・4の日記(その3):第101回立教大学グリークラブ女声定演

前記事「2010/11/3・4の日記(その1)」では触れなかった演奏会リポートの第2弾。

11月4日の晩「第101回立教大学グリークラブ女声合唱団定期演奏会」を聴きました。

まずお断り。いつも以上に長い記事になった上、批判的な記述が多めです。頭ごなしの罵詈雑言や放言は差し控えたつもりですが、気分を害する方がいらっしゃるのではという不安が拭い去れません。あらかじめお詫び申し上げます。

〔「第101回立教大学グリークラブ女声合唱団定期演奏会」本編リポートに続く〕

2010/11/3・4の日記(その2):耕友会コンサート Vol.6

2010/11/3・4の日記(その2):耕友会コンサート Vol.6

前記事「2010/11/3・4の日記(その1)」では触れなかった演奏会リポートの第1弾。

11月3日の夕方、新宿文化センターで「耕友会コンサート Vol.6 —松下耕指揮者生活25周年—」を聴いた。

プログラムはすべて松下氏の近作、しかも耳にする機会が少なそうな編成の曲ばかり。

〔「耕友会コンサート Vol.6」本編リポートに続く〕

「Nコン2010全国コンクール」TV観覧記: 高等学校の部

「Nコン2010全国コンクール」TV観覧記: 高等学校の部

昨日に引き続き、Nコン2010こと第77回NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部の全国大会TV中継を見ました。

課題曲

技術面は平均値が高い分、かえって粗が目についてしまいます。端的に言うと、どこも最後のシンプルなドミソの和音がいまひとつ決まらないところとか、宮崎と杉並について男声パートの声が鳴り始めるまでオンビートでなく若干の遅延があったりとか。

表現面は甲乙付け難かったですね。

自由曲

今回は全団体が日本人作品。しかも11団体中6団体が鈴木輝昭作品、3団体が鈴木氏の師である三善晃作品。残り2団体はそれぞれ松下耕作品と高嶋みどり作品。中学の部と好対照ですね。「Nコンon the Web」を見ると外国作品は例年より少なめかなという感はあるものの、ここに名前を挙げなかった日本人作曲家も割と取り上げられているようです。思うに、鈴木輝昭作品もしくはそれに近いサウンドの曲を選んだことで課題曲の音に慣れた団が勝ち抜いたってところなんでしょう。

岡崎高校が取り上げた「ソーラン節」は昨年新潟ユース合唱団で歌った(参照:「あさって歌う2つの民謡合唱曲」「2009/10/24の日記(その1)」)ので懐かしかったです。

特別ステージ:谷川俊太郎氏による自作詩の朗読

谷川氏が自作を朗読するのは入場料を払っても聞く価値があるとおっしゃってた人がいますが、本当ですね。俳優さんみたいに演技しているわけでなく、でも色彩の豊かな朗読でした。

朗読された詩は「春に」「愛」「いのち」の3作品でした。「春に」は木下牧子氏が作曲したもので有名。「愛」は鈴木輝昭氏が「もうひとつのかお」中の1曲として作曲した詩。「いのち」は今回の課題曲になった詩。

そうそう。詩を読む前、鈴木輝昭氏から谷川作品の素晴らしさをたたえるメッセージが届けられました。せっかくなら審査員として来ていた木下氏からもメッセージをもらえばよかったのに。

実況席ゲスト

今回は錦織健氏お一人でした。ツイッターでは「テキトーなことばかり言って」と不評の声が見られましたが、声楽技術的なことや舞台人かつ合唱部出身者ならではのメンタルなことに関するコメントは悪くなかったと思います。少なくとも、昨年の中学の部でプーランク作品を取り上げた団を宗教曲だからといって「原点回帰」と紹介した秋川雅史氏に比べれば、ちゃんと予習をした形跡が認められる点で段違いでしょう。

2010/08/29の日記(その2): 舞台袖から

2010/08/29の日記(その2): 舞台袖から

平成22年度新潟県合唱コンクールについての記録「その1」の続きです。前回は裏方として働いた話を書いたのですが、ずっと舞台袖で仕事していたので全出場団体の演奏が断片的ながらも耳に入ってきました。そこで感じたことをアトランダムに記します。



中学校や高校の部には、直前リハーサルを終えて舞台袖に集まると儀式をやる合唱団がいくつかあるのですね。たとえば、円陣を組むとか、エイエイオーと拳を突き上げるとか、ストレッチや柔軟運動をやるとか。

トップバッターの新潟市立宮浦中学校合唱部さんは、フォーメーション通りに並んでいる状態を活用し、指揮に合わせて歌うシミュレーション練習を声を出さずにやってました。

袖で待機中の場面は自分の所属する団体しか知らないので、興味深かったです。


中学校の部では、易しいとは言い難い曲を取り上げた割には基礎トレーニングの不十分さを感じさせる団が複数ありました。

オ母音がウっぽく聞こえたり、エ母音が平べったくて曲想と不釣り合いだったり(せきの出身団体でご指導くださった大久保昭男先生のボイストレーニングでは母音の発音を重視するので、そこいらが気になるのです)。

オクターブユニゾンのフレーズでオクターブがところどころ揃わない(原因は、他パートを互いに聴き合ってないことや、音域によって発声に不安定さが生じることなどのように見受けられる)団もありました。


高校の部では、捨てるかのようなブツ切りでフレーズを収める団が目につきました。主に課題曲でF2を選んだところです。


理事長賞を獲得した敬和学園高等学校混声合唱部の演奏に対し進行担当一同が目を丸くしてました。せきも白眉と思いました。

最後「eleison」と連呼する個所で子音「s」を飛び出して発音した人がいたように聞こえたのが惜しかったですけど。

関東大会ではさらに練りこんだ演奏が期待できそうです。


課題曲G3「風」冒頭部。高校団体はマルカートで演奏する団ばかりだったのに対し、大学・一般団体ではレガートさを取り入れた団ばかり。

前者はドイツのリーダーシャッツ的に、後者はフレーズを歌おうという雰囲気が漂うように聴こえ、がらっと印象が変わるのが面白かったです。せきの好みは前者かな。


今年も箕輪久夫先生は大車輪。新大室内合唱団、合唱団Lalari、レディースクワイヤJune、アンサンブル・ロゼの4団体を指揮しました。

LarariとJuneは演奏順が連続していたため、Juneの直前リハーサルは箕輪先生不在で行われたようですが、それでも金賞(関東大会進出は逃したものの)を獲得したJuneはさすがです。


ちょっと前にツイッターで書いた話題。出演した指揮者の中に、キュッキュと靴底をきしませて舞台袖を歩く先生がいらしゃいました(個人攻撃したくないので特に名を秘す)。舞台袖のような音を立ててはいけない場で足音を立てること自体がマナー的によろしくないし、自分の立てる物音に配慮しないのって音楽演奏者としていかがなものかと思います。他山の石としてせきも気を付けねば。


表彰式の審査員講評で岸信介先生が「レパートリーが偏りすぎているのではないか?」とおっしゃってました。昼食中のおしゃべりで、受付だか会場係だかを担当した女性スタッフが口をそろえて「自由曲、懐かしい曲ばかり」と言っていたのを思い出しました。



メモを取ってる余裕なんてなかったので記憶に頼って思い出し思い出し書いてますが、4日も経つと忘れてることが多いものですね……。