「第70回全日本合唱コンクール全国大会」大学職場一般部門を聴いての感想。
年内に書き終えたかったのですが、このあと年末お約束の記事を書いたり(そんなわけで本日もうひとつ記事を出すつもり年内には間に合いませんでした。年明け1つ目か2つ目の記事となる予定)月初定例のウェブサイト更新作業をしたりという予定が控えているため、初日の表彰式以降については年明け以降の執筆・公開となります。あらかじめご了承くださいませ。
この部門は1階席中央の奥で聴いた。近くに合唱指揮者の蓮沼喜文氏が座っておられた。
前置き
各団体の自由曲についてはパナムジカ公式サイト「コンクール情報」の「平成29年度(第70回)全日本合唱コンクール出場団体・演奏曲目・結果」(ただし演奏順にあらず)を、課題曲の中身については同じく「平成29年度(第70回)全日本合唱コンクール課題曲」を参照ください。
ナニサマな表現が混じってます。気分を害する御方におかれましては何卒ご容赦いただきたく。
ここまでは大学ユース合唱の部について書いた記事の再掲です。加えて、当方の合唱経験や記憶力などに起因する事情で、特に現代の洋物について記述が薄ぼんやりした傾向が強いことも、先に断り書きしておきます。
感想など
- 室内合唱団“零”
- 指揮:縄 裕次郎
堅実な演奏とでもいうべきか。指揮者の御方は一昨年のTokyo Cantat後の宴席でご一緒し(先様は私を認知しておられないだろう)寺嶋陸也氏を想起する居ずまいでいらしたような記憶があるが、そのお人柄そのままといった印象のサウンド。
自由曲は、のちに『おらしょ』として有名になった千原作品の原型にあたる組曲全曲。松原千振氏の提案で間に挟まる楽章を書き足し現在の形に改題されたのだが、そのほかにも少なからず異同がある。隠れキリシタン迫害の悲劇性は今回のバージョンのほうが前面に出ているという印象。楽曲の原点を見るような形で興味深かったし、演奏からは骨太さを感じた。
- ウィステリア アンサンブル
- 指揮:藤岡直美
課題曲は流麗な演奏。
自由曲は色彩美に満ちた演奏。ただ、女声にありがちだけど、子音が少々聞き取りづらかったかも。片方の曲の冒頭が「わらわ(童)」っぽく聞こえ「薔薇は」だと分かるまで数秒かかった。
- 合唱団まい
- 指揮:雨森文也/ピアノ:平林知子
指揮者とピアニストの組み合わせが今年の六連合同と同じコンビということで、曲の雰囲気は全く異なるものの、ついピアノを比べながら聴いてしまう。歌い手の人数は数分の一だけど明晰なピアノのタッチには違いがなくて、でも合唱とのアンサンブルが見事なバランスのとり方で、改めて感嘆。
自由曲は、指揮者もピアニストも歌い手に加わり、真ん中に集まってモンテヴェルディの曲を。オペラの中で演技しながら歌うコロスぽさを感じたし、親密な空気に包まれた演奏の姿からは「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ一家をも連想した。
- L’Aube des Temps
- 指揮:菅野正美
曲想に応じて、のびやかだったり緊張感が漂ったり。ルネサンスものでも近現代ものでも自分たちの音楽。
- Serenitatis Ensemble
- 指揮:白神直之
課題曲は、しっかり地に足の着いた演奏。
自由曲は楽曲のもつ美しさを非常に美しく歌い上げた。ただ、合唱に対して音程や発音の厳密さを求める作曲者がお聴きになったら、いろいろ引っかかるところがあるかも。
- Chor Doma
- 指揮:寺田有吾
課題曲におけるソプラノの声楽的困難として書いたことを克服できていた団のひとつがここじゃなかったっけかなあ。
- アンサンブルVine
- 指揮:伊東恵司
見せ方・聞かせ方が巧み。カラーの異なる曲を組み合わせて歌い分けたり、最後の曲で振り付けを組み込んだり。競技としてのコンクールにとどまらず、コンペティションにおけるプレゼンテーションといった趣も感じられるパフォーマンス。
- 混声合唱団鈴優会
- 指揮:名島啓太
半年ほど前のユートライとの演奏会で聴いたときは正直ちょっと声もアンサンブルも粗めかなという印象だった。今回はそのときとはだいぶ違う練りこまれた演奏という印象。会場の違いによるところもあるだろうし、聴き手である私の問題によるところも大きいんだろうけど。
- 女声合唱団ソレイユ
- 指揮:樋口久子
実際に聴くことができたF4はここだけ。輝昭作品らしき込み入った音だけど、音符に振り回されているという印象は薄く、むしろ曲の雰囲気が的確に伝わったように思う。
自由曲、男声合唱版を今年お江戸コラリアーず演奏会で聴いた。女声合唱だと、音質も相まって、オーロラっぽさがより分かりやすい。
- マルベリー・チェンバークワイヤ
- 指揮:桑原妙子
平均年齢がだいぶ若め。課題曲は声楽的にややチャレンジングだったようなという淡い記憶。一方、自由曲では持ち味が遺憾なく発揮され、声の多彩さや瑞々しさ溢れる演奏だったような。