投稿者: せき
「合唱アンサンブル.com」というウェブサイトをやっている者です。

流行性感冒

流行性感冒

TVのニュースをボーッと眺めていたらガッショウという単語が耳に飛び込んできました。
画面にはステージ上で歌う合唱団。背景には朝日新聞の旗。ああ、合唱連盟コンクールの話題か。
でもNHK、しかも全国ニュースでなぜと思って聞き耳を立てたところ、新型インフルエンザが流行しだした現状にかんがみて全日本合唱コンクール福島県予選が聴衆なしで開催されているという報道でした。
こういう形で合唱が全国ニュースとして報じられるのは複雑な気分です。
ご存知でない方は、MSN産経ニュース記事「【新型インフル】聴衆不在で合唱コンクール 福島」や、河北新報記事「東北のニュース/福島県合唱連盟、コンクール非公開に 新型インフル対策」をどうぞ。
わが地元では日本文理高等学校野球部が夏の甲子園で準優勝を獲ったということで大歓喜に沸き立っています。
それに続き、日本文理高を含め、ベスト4進出校の応援に出かけた各校の学生に新型(の疑いがある)インフルエンザへの感染者が出たことも報じられています。
そういう事例を耳にしたばかりの身として、福島県合唱連盟の措置に対し、過剰反応という批判もあるようですが、せきは英断だと思います。
批判といえば、審査員・関係者以外の観客を入れないコンクールに対する批判もあるんですが、これについてせきはChorusroom Journalの「コンクール、インフルエンザ、インターネット」というエントリを読んで目から鱗でした。
これから合唱のコンクールは、NHK・合唱連盟とも、ブロック単位の地区予選を経て全国大会を迎えます。
また、芸術の秋ということで演奏会を開く合唱団もたくさんあります。
演奏者としても聴衆としても、インフルエンザの感染には気をつけたいものです。

『新しい歌』改訂で何がどう変わったか概観する(混声篇)

『新しい歌』改訂で何がどう変わったか概観する(混声篇)

昨日付けエントリ「譜面入手 & 連載再開予告」の続きということで、混声合唱版「新しい歌」旧版と改訂版の出版譜をざっと見比べてみました。
本エントリ執筆にあたって参照したのは、旧版の初版第1刷と、改訂版の新第1刷(通算23刷)です。
ライナーノーツには改訂に当たって作曲者が次のように書いておられます。

《新しい歌》を作曲してから約10年が経ち、これまで実演に接して気になっていた楽譜上の表記をこのたび見直すことにいたしました。変更内容は強弱記号やピアノのアーティキュレーションといったディテールがほとんどであり、聴いた印象が変わるというものではありません。

実際はどうなのか。確かに「ディテールがほとんど」で、音楽の屋台骨に影響するほどの大改訂ではありません。でも、旧版の譜面を見ながら改訂版の演奏を聴くと「ン?」と思う人も案外いそうな変更が目白押しです。
これからこの組曲もしくはその収録曲を演奏する人におかれましては、正誤表で済まさず、改訂版の譜面を買いなおすほうがよいと思います。
以下、変更点を、営業妨害にならない範囲でざっくり概観します。
全編にわたり、テンポ指定が「=」から「≒」に変わって許容範囲が広がったことや、テンポ・強弱のめりはりがより明確になったことなどが、パート問わず挙げられる変更です。
テンポ・強弱の変わり目が前後した箇所や、細かいクレッシェンド・デクレッシェンドの繰り返しが大きな一つのクレッシェンド・デクレッシェンドに収斂された箇所もあります。
旧版では楽典的に間違った「piú ff」みたいな指定が目に付きました(piúは「より○○」という意味なので、強弱記号で後続するのは本来 f [forte] と p [piano] だけ)が、強弱指示が具体的なものになったり、大雑把に直前のダイナミクスより大きくしたい場合は「piú forte」と統一されたりしたことも、見落とせません。
合唱については、音・拍の取り直しが要る箇所があります。
「II. うたを うたう とき」については、第24小節の女声パートでdivisi(声部分割)のしかたが変更されています。
「III. きみ歌えよ」については、フレージングが分割されたヴォーカリーズがいくつかあります。
「V. 一詩人の最後の歌」については、第57小節で全パート揃って音符の長さが短くなっているのと、第93小節でAltoの音程が変更されているのと、第98小節のAltoが「B. F.」から「B. O.」に変わっているのと、同じ小節のBassでヴォーカリーズの譜割りが男声版(少なくとも旧版)と同じ形に変更されていることの4点に要注意です。
ピアノについては、強弱やテンポに関する指定の変更のほか、右手の和音の音数が間引かれている箇所が大半を占めます。左手を足す形で音数が増やされた和音もあります。音符の長さの変更やペダルの指示の追加もあります。
「III. きみ歌えよ」については、4分打ちでバンプを刻む和音の一部がDm(クラシック式に書くとd-mollの基本形)からB♭ on D(クラシック式に書くとB-durの第1転回形)に変更されています。
「V. 一詩人の最後の歌」については、合唱以上に大胆に手が加わった箇所が散見されます。大半は合唱が高揚する部分のバックで鳴る和音です。エンディングで合唱のロングトーンにかぶさる和音連打も書き直されており、旧版になじんだ人の多くがエンディングのピアノで目を丸くするのではと思われます。
サウンドに直接かかわりない譜面の変更点も挙げておきましょう。

  • 表紙に外国語タイトルとして「Cantos Nuevos」と書き足された
    (タイトル曲の原題をそのまま用いた模様)
  • 「IV. 鎮魂歌へのリクエスト」間奏の口笛について脚注が消された
    (『「IV. 鎮魂歌へのリクエスト」その2: ジャズとの関連』参照。ただし、ピアノパートに「※」の残骸がある)
  • 巻末の原詩について、作曲されなかった部分に対する強調修飾が斜体から傍線に変わった

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Unter dem Lindenbaum!

Unter dem Lindenbaum!

晩御飯を食べながら「世界陸上ベルリン」男子マラソンのTV中継を眺めていた。
実況のアナウンサーが、走路になっている当地のメインストリート「ウンターデルリンデン」と言ったのを耳にし、一瞬せきの頭の中に『さすらう若人の歌』終曲の一節が流れた。

譜面入手 & 連載再開予告

譜面入手 & 連載再開予告

『新しい歌〔改訂版〕』の出版譜を、やっと混声合唱版だけ入手。混声版を選んだのは、新潟ユース合唱団で練習している「うたを うたう とき」に使うから(旧版も持っているんですが、せっかくなので)です。
そんな事情もあり、当ブログで書きかけのままになっている連載『「新しい歌」をめぐって』、遠からず再開するつもりです。
改訂版で変更された箇所を列挙するのは作曲者・出版社に対する営業妨害になるので差し控えます。
ただし、『「IV. 鎮魂歌へのリクエスト」その2: ジャズとの関連』について、譜面改訂に伴い説明を補足しなければという箇所が1点あるので、それだけ追記しました。

おめでとう長高合唱部

おめでとう長高合唱部

昨日、第76回NHK全国学校音楽コンクール新潟県大会高等学校の部で、せきの母校である県立長岡高等学校(以下「長高」と略。ちなみにチョウコウと発音します)が金賞を獲得し県代表となりました。OBとしては嬉しい限りです。

せきが新潟県内でのアンサンブルコンテストやら合唱祭やら合唱コンクールやらとご縁ができて2年目。その中で驚いたことの一つが、長高の名前を見つけたときでした。

合唱部としてこの種のイベントに参加するようになったのはそう古い話ではないように思います。

せきが合唱界に足を踏み入れたのは二昔ほど前、高校1年のときで、大叔母の誘いを受けて地元の「第九」イベントに参加したのが始まりです。ここでは大学受験間際まで歌い続けました。

当時、長高に音楽部という部活はありましたが、合唱団として定常的な活動はしていなかったはずです。2年生か3年生のとき学園祭「和同祭」で音楽部以外のメンバーを含む有志が合唱団を組んで出場していましたが(せきは不参加)その程度。

文武両道を謳う高等学校ながらも、芸術の課外活動にはあんまり力を入れていなかったと記憶しています。

そういう環境を踏まえると、今回の長高合唱部金賞は大変な快挙なのであります。

(まして、フルート奏者として活躍する同窓の後輩・小山裕幾さんが長高在学中に日本音楽コンクールで第1位を獲得したことは、驚天動地レベルの出来事だったわけです)

長高合唱部が出場する関東甲信越ブロック大会は、9月6日、さいたま市の大宮ソニックシティ大ホールにて開催されます。河本隆吉先生のご指導のもと、県大会以上に充実した音楽ができますように。