「第4回全日本男声合唱フェスティバルin京都」参加記録の第4弾です。(第1弾;第2弾;第3弾)
本記事では、同フェスティバル講師のおひとりである浅井敬壹氏について感じたことを記す。
2日目の開会式。
開会式では講師御両名によるスピーチがあった。まず広瀬講師がしゃべっている間、浅井講師はいちいち広瀬講師の発言にリアクションする。時には広瀬講師の顔を横からのぞき込むようなしぐさを見せたり。ふつうは脇でかしこまって直立不動で聞いていそうなものだが、おちゃめな御方である。
その言動から垣間見えるお人柄はチャーミングで、普段あまり人間観察をやらない身でも興味を惹かれるところを感じた。
初日の聴きあい。浅井講座は参加者が450名も集まったとのことで、舞台上ばかりでなく、舞台後方パイプオルガン前の客席も使って演奏することとなった。いざ歌うと、これだけ大人数ゆえ縦が揃わない。さらに「かきつばた」中盤の掛け合いで事故が起きてしまった。その場は特にダメ出しなどされる様子もなく解散。
翌日昼間の成果発表。浅井講座による演奏に先立ち、なんと講師御自らマイクをとり「450名もの大人数ですから、まあズレますわな。そこらへんは大目に見て下さい」という趣旨のことをおっしゃった。さらに「かきつばた」中盤についても各パートが歌いだすタイミングについて堂々と再確認の指導をなさった。イベントの性質を考えると別に問題はなく、それで場の空気は和らいだ。でも凡人にできることではない。せきは客席で目を丸くした。
肝心の成果発表本番については、さすがに一糸乱れぬ演奏であった。あと、おのおのの曲で独特の情感や表情があらわれているようにも見受けられた。
余談ながら、せきが浅井氏が指揮するステージの実演に接したのは現在のところ、2007年3月に法政大学アカデミー合唱団の北信越地方演奏旅行で長岡市立劇場に来たときの『思い出すために』一度きりのはず。
浅井氏といえば「吉本興業から来た浅井です」とか「お酒はやっぱり(スポンサー名)」などを伝え聞くところであるが、今回せきが目にした限りではこれらの伝説的発言はなさらなかったように思う。もっとも、講座内のリハーサルではその種のことをおっしゃったのかもしれない。