Nコン2009こと第76回NHK全国学校音楽コンクール小学校の部の全国大会TV中継を、拙サイト「日本の絶版・未出版男声合唱曲」更新作業の合間に見ておりました。
全編通して、小学生はみなさん一生懸命に歌い、練習の成果を発揮していたと思います。
課題曲。
2曲どちらも部活動・コンクールでなくたって気軽に歌える取っつきやすさですけど、こうして様々な演奏を聴いてみると、技術的な完成度を高める上での落とし穴がちらほらあるのですね。
「ここからいちばんとおいところ」については、フレーズ歌い始めの裏拍でうまく乗りきれず、テンポがもたり気味の団体が目立ちました。エンディングの課題曲全員合唱でも、ここで微妙に遅れて足を引っ張ってる人が結構いたような。
「夢の太陽」は、スキップする(と講評で作曲者が表現していた)リズムと、言葉を立てるディクションとの両立がポイントだと思いました。
自由曲。
起伏の激しいものが好まれるようです。単純に聴き映えするってこともあるのでしょうし、小学校の部の課題曲は例年ずっと同じ色合いで終始する傾向にあるためその対比でということもあるのでしょう。
ただ、譜面上のメリハリにばかり頼ってるのか、指揮者の演出が歌い手に表現を求める方向(これもこれで大切である)ばかりで、間合いの取り方やテンポの揺らし方など指揮者にしかやれない細工があまりなされていないような印象を受けました。特に11団体中4団体が取り上げた「風と木のオペラ」なんて、コテコテにテンポをいじる遊びがしやすそうな曲なのに。
「星つむぎの歌」、今日の午前中に平原綾香さんの歌う原曲を聴いてみました。しみじみと味わい深い曲ですね。
この味わいが合同合唱でも損なわれなかったのは何よりでした。ただひとつ惜しむらくは、全パート歌詞を歌う大サビのオブリガードが主旋律を食ってしまった部分がなきにしもあらず。