今年7〜9月クールにTBS系で放映された金曜ドラマ「表参道高校合唱部!」について書き連ねてきたシリーズ記事。いちおう本編はこれが最終回というつもりです。(シリーズ連載の趣旨は「(その0)はしがき・目次・関連リンク集」をお読みくださいませ)
今年は、ドラマ「表参道高校合唱部!」とNHK全国音楽コンクールこと「Nコン」とのリンクを探し出して楽しむという視聴法がありました。
「表参道高校合唱部!」第7話に合唱コンクールが登場しました。この模様を新聞記事風にツイートした人がいます。
8月25日にグランツザールにおいて第54回全国合唱コンクール東京都大会が開催されました。
日本音大付属、松並学院、山戸、音島女子、丸の内、妻夫木中野、表参道、代官山、府中北、芝浦女子の各高校が出場し、
金は松学、銀は妻中・府北、銅は日本音大付属・丸の内・山戸。
#表参道高校合唱部
— SKI taka-fummy (@specialonly1) 2015, 9月 8
実在する校名をもじったと思われる出場校が紛れ込んでいるということで、放映当時コンクールに染まった合唱人が大喜びしていました。「日本音大付属」は国立音楽大学附属高等学校、金賞に輝いた「松並学院」は杉並学院高等学校、「音島女子」は豊島岡女子学園高等学校、「妻夫木中野」は大妻中野高等学校、「府中北」は都立府中西高等学校が元ネタと思われます。杉並学院と豊島岡は今年のNコン高等学校の部で全国大会に出て銅賞をとり、大妻中野は同じく中学校の部で全国大会に出て優良賞をとりました。
ドラマ公式サイトの現場レポート「#24 柴田杏花さんのお誕生日でしたー♪」によると、コンクールの裏設定としてプログラムのパンフレットが作られました。いくつか曲目が載っています。確認できたのは次の通りです。
- 芝浦女子高等学校:
「Night(夜)」
[作詩]Z.ベネイ作詩/J.カライ(訳) [作曲]J.カライ - 代官山高等学校:
無伴奏混声合唱のための『カウボーイ・ポップ』から「ヒスイ」
[作詩]寺山修司 [作曲]信長貴富 - 妻夫木中野高等学校:
混声合唱とピアノのための組曲『宇宙の果物』から「曙」
[作詩]宗左近 [作曲]鈴木輝昭 - 府中北高等学校:
混声合唱のための『地球へのバラード』より「地球へのピクニック」
[作詩]谷川俊太郎 [作曲]三善晃 - 表参道高等学校:
「ハナミズキ」
一青窈作詞/マシコタツロウ作曲
「Night」と「地球へのピクニック」は無伴奏曲ですけど、プログラムにピアニストの名前が書いてあるのはご愛嬌ということで。あと、本来は表参道高等学校のところに「[編曲]鈴木有明」と書くべきところでしょう。
わざわざプログラムを書き起こしたのは、今年のNコン高等学校の部全国大会で実際に演奏された曲があるからです。その曲は、武庫川女子大学附属高等学校による「曙」。ただしNコンのほうは女声合唱版でした。
今年のNコン高等学校の部全国大会には「表参道高校合唱部!」ゆかりの団体がもうひとつ出ていました。第1話冒頭で、小豆島から上京する真琴を大部高校合唱部メンバーが「涙そうそう」を歌いながら見送るシーンがあるのですが、この「涙そうそう」を実際に演奏したのが、千葉県立幕張総合高等学校です。しかも、幕張総合高等学校が自由曲として取り上げた「立ちつくす —混声合唱とピアノのための—」は、ドラマで合唱指導を務めた福永一博さんが代表を務めるharmonia ensembleが初演した曲なのです。
さらについでに。島根県立松江北高等学校の自由曲「かなしみが流れている」は、最終話「ここから始まる」の作詩者・みなづきみのりさんと、第4話「ぜんぶ」の作曲者・相澤直人さんのコンビによる作品です。
(2015/10/26追記)10月24日に行われた「第68回全日本合唱コンクール全国大会 高等学校部門」審査結果発表待ちの間に行われる歌合戦にて、幕張総合高等学校が「涙そうそう」を再演したとのことです。
#表参道高校合唱部 の第一話で流れた幕総の涙そうそう、歌合戦にてお披露目。 #大宮合唱全国
— Thavatter (@Thavatter) 2015, 10月 24
もしかしたら全日本合唱コンクールやNコンの地区大会でも同様のパフォーマンスをしたのかも(?)。
キャストでもリンクがあります。
9月22日に放映された「SEKAI NO OWARI×中学生 “プレゼント”がくれたもの」という、ポップス畑の人が課題曲を担当するようになってから恒例の、作者と中学生が触れ合う番組で、神田沙也加さんがナレーターを務めました。ドラマ最終回でえみり教諭が劇中劇のナレーションをしたとき、この番組のことを連想しました。
そして忘れてはいけないのは何といっても、Nコン高等学校の部全国大会でゲスト司会者として芳根京子さんが起用されたことですね。
Nコン全国大会生放送番組での司会者役はほぼ進行役に徹するのが通例で、今回のオンエアもドラマの真琴とはずいぶん雰囲気が違う落ち着いた感じでした。でも放送開始時間前に、司会者の佐藤俊吉アナウンサーに促され、佐藤アナと一緒に10秒ジャンプをやったとのことです。「着地のとき脚を開き気味にするのがコツ」というワンポイントアドバイスもあったとか。
芳根さんの感想はご本人のブログ「Nコン。」に記されています。さらに……。
Nコン、
昨日の小学生の部
今日の中学生の部
テレビで見てました。昨日、今日は“一視聴者”として、
何も気にせず泣きました。感動をありがとうございました!!
みなさん、
本当にお疲れ様でした!✨わたしもまた合唱したいな☺︎
— 芳根京子 (@YoshineKyoko) 2015年10月12日
芳根さんが単なるお仕事としてでなく、ちゃんと合唱に向き合っていることがわかり、ツイートを読んで合唱人の端くれとして喜ばしかったです。
これを契機に、一人でも多くの方々が合唱の世界に足を踏み込んでくだされば、また長く合唱とかかわりを持ち続けてくださればいいなと願いつつ、当シリーズ記事はここで一区切りとしたいと思います。