今年11月25日・27日に長岡リリックホール開館20周年記念事業として上演されるオペラ「てかがみ」の合唱に参加することにした。その練習の初回が行われた。
地元長岡の合唱団に参加するのは、高校生時代の第九(最初は阿部純先生、途中から船橋洋介先生が合唱指導を担当しておられた時期の話)以来、二十何年かぶり。さすがに合唱参加者の中で存じ上げている人はいらっしゃらず。
「てかがみ」の合唱指揮は新潟県合唱連盟理事長および全日本合唱連盟副理事長・関東支部長を務める梅山登先生。ご指導を受けるのは初体験である。何人か指導アシスタントがいて、そのうちの一人が新潟ユース合唱団つながりの佐藤匠さんだった。
シアターホールに集合し、19時から発会式と称してスタッフの皆さんが挨拶したのち、まずは全体練習。中央にグランドピアノが置いてあったのに加え、各パートに音取り補助などで電子キーボードが配備されていたのが珍しいところ。
梅山先生のご指導は「まずは息をすべて吐き出そう。すると息を吸い込もうとしなくても勝手に入ってくる」「息や声で会場全体に音の形を作ろう」「体に無理な負担のかからないのがよい発声」というのが基本。新潟フィルハーモニーレディースアンサンブルなど常任で振っておられる合唱団の実演に何度も接したことがあって、会場を音楽で支配するかのような印象を持っていたが、その理由が少し見えたような気がした。
今回は初回ということもあり譜読み練習だったが、梅山先生は時折ピアノを弾き、調の性格や物語の展開から作曲者・池辺晋一郎氏の意図を読み解きつつ「こういう曲想で歌ってほしい」というアプローチで音楽への導入をしておられた。せきが指導を受けた経験のある合唱指揮者としては荻久保和明先生に近いアプローチかな。
19時40分過ぎから、パートに分かれて別室で音取り練習。今回使っている手稿譜で音符が線の上か間のどちらにあるか判読に悩んだ場面がいくつかあった。
20時20分頃からシアターホールに戻って全体練習。大半の合唱ナンバーを概観した。中にはパート練習で手の付けられなかった曲もあったが、「最初から細部にこだわって揃えようとしなくてもよい」という梅山先生の方針もあり、とにかくまずは音楽の全体像をさらうことを重視する形で練習が進められた。
21時ちょっと前に解散。帰り際、梅山先生から握手を求められ、恐縮。
練習は9月まで月2回、10月は週2回、11月は中旬まで週3回、本番のある週はほぼ毎日といったペースのスケジュール。きちんと歌を体にしみこませ、体全体で音楽を表現・演技できるよう頑張らねば。