今年11月25日・27日に長岡リリックホール開館20周年記念事業として上演のオペラ「てかがみ」。今年6月から練習・稽古を積み重ねてきたが、とうとう本番を迎えた。
ご来場いただいた皆様・ご指導いただいた皆様・ご一緒させていただいた皆様、大変ありがとうございました。
11月25日(本番初日)
ホール入りしたのは15時だか16時だか。舞台仕様のメイクを済ませ、第1スタジオで声出しののちシアターでステージ発声。ステージ発声の終盤で合唱指導の梅山登先生がおみえになる。
舞台袖にはキャストの方々によるさまざまな差し入れ。レイチェル・ターナー役の佐藤晶子さんの差し入れということでウォーターサーバーもあった。開場係役の品田広希さんから摂田屋にある旭屋の菓子パンが楽屋に差し入れられ、せきは煮卵パンをいただく。
舞台仕様のメイクを済ませ、第1スタジオで声出しののちシアターでステージ発声。ステージ発声の終盤で梅山先生がおみえになる。
19時開演ということになっていたが実際は5分遅れスタート。男声合唱部分で事故があった以外はつつがなく終演。
終演後、梅山先生の合唱指導アシスタントを務めた佐藤匠さんが楽屋に来た。続いて入れ違いぐらいで、演出助手の生田みゆきさんが「てかがみ」に立ち会うのは本日が最後ということで挨拶にいらっしゃり、初めてメインで演出を務めるという文学座有志による自主企画公演『霙ふる』のチラシを置いて帰られた。
しばらく経ち、合唱団メンバー・今井聡さんの発案により女声楽屋に集合してノンアルコールのビールふう飲料で乾杯。初日を喜び合い、22時ぐらいに解散。
11月26日(休演日)
本番はお休みだったが、13時半から長岡リリックホールで「てかがみ」オプション企画に参加。参加者は26名、うち「てかがみ」出演者が数名。
まずシアターで、演出・西川信廣先生の解説によるバックステージツアーを十数分ほど。
第1スタジオに移動し、ワークショップ。30分ほどゲーム(委細割愛。今後この種のワークショップを受講する人にとってネタバレになったらいけないので)をしたのち、音楽劇「わが町」をつくっていく演習。「わが町」はソーントン・ワイルダーの戯曲で、今回は西川先生の発案により上田亨さん(池辺晋一郎門下)が作曲した音楽劇の冒頭部分を用いた。楽譜と台本がその場で配られ、作曲者御自らのピアノによる音取り後、西川氏や舞台美術の乘峯雅寛さんの指導で、2組に分かれて舞台装置がわりのジェスチュアをしたり、ト書き部分は割台詞でしゃべりながら劇中歌(大半がユニゾン、部分的に2声に分かれる)を歌ったり。とても刺激を受けた。シアターピースだか合唱劇だか演出ステージだかに縁遠い人でも、一度はこの種の体験をしてみては。
解散後、コンサートホールの別催事に来ていた「てかがみ」女声パートまとめ役の小倉有紀さんとロビーで遭遇し、翌日の流れについて打ち合わせ。
11月27日(千秋楽)
それまでは他の方にさせてしまっていたが、ふと思いついて、出発前に当日の合唱スケジュール表をこしらえる。スケジュール表はUSBメモリに保存し、リリックホールに向かう道中コンビニエンスストアの複合コピー機で印刷。家にあるインクジェットプリンタだとA4版が印刷できる最大なのに対しコンビニの複合機だとA3版に拡大して刷れるし、コンビニの複合機はレーザープリンタなので雨などで濡れても印刷が滲まなくて便利。
10時ちょっと過ぎにホール入り。スケジュール表はA3版2枚を男女の楽屋に1枚ずつと、A4版1枚を舞台袖に張る。袖への掲示にあたり舞台監督の渡辺重明さんに許可を求めたら「そういうものがあると我々も助かる」とおっしゃっていただく。
11時より第1スタジオで小一時間の声出し。終わり数分、男声だけ残って初日に起きた事故の修復作業。
正午より30分の食事休憩。合唱のアルトで参加していた木村莉子さんから手作りのお菓子を差し入れでいただく。合唱団員ひとりひとりに宛てたメッセージカードが添えられていた。
12時半より13時までシアターに移動してステージ発声。様子を見に来て下さった指揮者・牧村邦彦先生や作曲者・池辺晋一郎先生にアドバイスを乞うたり、スタンバイのためオーケストラピット入りした器楽アンサンブルメンバーの平塚洋子さん(音楽稽古でコレペティトゥーアを務めた)にピアノを弾いていただいたり、いろいろ贅沢をさせていただいた。
本番。幕間のうちに用意すべきだった早変わりの衣装を用意しそびれて2幕が始まってから全力疾走して楽屋に取りに帰り着替えが出番間際になってしまうというポカをやらかす。
梅山先生は前日の東京出張あたりからお風邪を召されたらしくガラガラ声だったので舞台袖に用意しておいた響声破笛丸の粉末を2包さしあげた。この出来事が開演前だったか本番中だったか、もはや失念。
カーテンコール、四半世紀の合唱人生にして初めてのスタンディングオベーションを頂戴する。
終演後、ホワイエで交流会と称し、出演者・スタッフの皆様による。せき個人はレセプションと呼ぶほうが馴染みやすい。各方面にお礼のご挨拶を回ったら、牧村さんや佐藤さんからはソロについて過分なお褒めの言葉、杉本監督役の松山くにおさんからは「合唱のまとめ役を務めたんだって?」などと労いの言葉をいただく。また、事務局からの記念品として、初日前日のゲネプロ後に撮影した集合写真の紙焼きとプロジェクト名入りの4色ボールペンを頂戴する。
交流会ののち長岡駅前の居酒屋で合唱団員だけで打ち上げ。実はこの打ち上げはわたくしの発案。最終週になって何人かから名残惜しいという声が聞こえてきたのでセッティングしたら、有難いことに合唱団員31名のうち20名ほどが参加。さらに合唱団員の恩田清さんによるお声掛けで、なんと開場係役の品田広希さんと器楽アンサンブルでチェロを弾いた片野大輔さんも来て下さった。
打ち上げは22時過ぎに解散。本番の記録用映像を鑑賞しようという話が実現したらいいな。
おまけ:池辺晋一郎先生名物のダジャレ
オペラ「てかがみ」作曲者・池辺晋一郎氏が本日ゲネプロにいらした(11/25・27の本番にもご臨席の予定)。今回の公演で器楽アンサンブルのコンサートマスターを務める大関博明氏の姿を見つけた池辺氏が話しかけて曰く「大関先生、いつ横綱になられるのですか?」。
— せき (@chor16seki) 2016年11月24日
「てかがみ」初日終演。幕間、作曲者の池辺晋一郎氏が舞台袖で合唱団員を呼び集めておっしゃいました。「この曲は合唱が重要です。合唱オペラと言ってもいいくらい。だから合唱の皆さん頑張って下さい。合掌(ガッショウ)」。
— せき (@chor16seki) 2016年11月25日
てかがみレセプションでの池辺晋一郎氏スピーチより「長岡リリックホールに深く携わった我が師・三善晃先生の魂に捧げる公演にしたかった。師匠ゆかりのホールでシショウ(支障)があってはいけない。今シッショウ(失笑)が起きましたが、こういう駄洒落を言わないと心配する人がいらっしゃるのです」
— せき (@chor16seki) 2016年11月27日