作曲家・石井歓氏が11月24日に亡くなられました(河北新報の記事)。
ご冥福をお祈り申し上げます。
石井氏は男声合唱と縁の深かった人です。
現時点で出版されている男声合唱曲は、代表作である男声合唱曲「枯木と太陽の歌」と、組曲「花之伝言」などを収録した「石井 歓 男声合唱曲集」と、石井作品としては比較的新しく1990年代に書かれた男声合唱組曲「石橋の町」の3タイトル。
ただ残念ながら「枯木と太陽の歌」は5部以上からの受注生産、本記事執筆時点で「石井 歓 男声合唱曲集」「石橋の町」は版元品切れとなっております。
上記以外の男声合唱作品については、拙サイト内「日本の絶版・未出版男声合唱曲」の『ア行の作曲家(イ〜エ)』にほぼ網羅しているので、そちらを参照いただければと。
なお「日本の絶版・未出版男声合唱曲」は今週末に更新予定です。
ついでながら、わが出身団体・立教大学グリークラブが初演した作品もあります。「三つの寓話」という女声合唱とピアノのための組曲です。1967年に小山俊郎氏(学生指揮者。当時の立教グリーは女声ステージも男の学指揮が担当)のタクトで初演されました。
せきは石井作品の実演に接した経験がありません。タイミングが合わず演奏会に足を運べなかったというのが主な理由。
聴いたことのある音源は、「秘蔵録音で綴る 東海メールクワィアー 50年史」というCDに収録されている「枯木と太陽の歌」第3曲「冬の夜の木枯しの合唱」ドイツ語版と、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の公式サイトで公開されている諸々ぐらいです。
石井氏は指揮者としても活躍し、男声合唱だと、東京男声合唱団、早稲田大学グリークラブ、前述の東海メールクワィアーなどを振っておられます。
また、全日本合唱連盟の第5代理事長も務めました。
そういえば、今年は妙に「枯木と太陽の歌」がフィーチャーされたような印象があります。「雨森文也と歌う男声合唱の夕べ」とか、第17回東西四大学OB合唱連盟演奏会の合同ステージとか。
前者については、雨森氏が全日本合唱連盟の機関誌「HARMONY」に解説文を書いておられたようですね(せきは未見)。
追記(2024/04/14)
カワイ出版から刊行されていた「石井 歓 男声合唱曲集」は現在、同社から男声合唱組曲『花之伝言(はなのことづて)』と「男声合唱曲集 月夜の浜辺」の2分冊で発売されています。『石橋の町』もあわせ、現時点では受注生産扱いです。