グリフェス動画 公開スタート
立教大学グリークラブOB会の公式サイトに「動画コーナー」なるものができました。オープン第1弾として、今年6月21日開催「立教大学グリーフェスティバル」で演奏された以下の4曲がYouTube動画で紹介されています。
- 立教大学校歌「栄光の立教」混声合唱版(辻荘一編曲)
- 立教大学第一応援歌「行け 立教健児」混声合唱版(星野和夫編曲:初演)
- College Song;立教大学第二応援歌「St. Paul’s will shine tonight」混声合唱版(鶴岡陽一編曲)
- 聖歌497番「神ともにいまして」
今年とうとう立教グリー関係の演奏会に全く行けなかった者としてはありがたいです。感謝でございます。
「次は100回記念定期も載せたいと思っています」とのこと、楽しみです。それと、図々しいことを申し上げて恐縮ですが、著作権が切れた合唱曲(ルネサンスものとかロマン派とか)のステージの動画も見られるようにしていただけるとさらにうれしいです。
以下、このたび公開された動画で演奏される合唱曲について。
校歌を編曲した辻先生(故人)は立教大学グリークラブ名誉部長で、同じく名誉部長であらせられる皆川達夫先生(「神ともにいまして」動画の指揮者)を立教大学に招き入れたお方です。
とある大先輩OBから伺った話だと、この編曲はもともと男声合唱向けに書かれたものだそうなのですが、伝わっている譜面がト音+ヘ音の2段譜で声種が明記されていないということもあり、そのままの形で長年にわたり混声合唱で演奏されています。男声合唱向けとするとBaritoneにあたるパートをTenorで歌っているわけで、Tenorにとっては低い音がいくつか用いられているため一部箇所をオクターブ上げて歌う措置がとられています。
混声合唱版「行け 立教健児」は、今年の春だか初夏だかに男声合唱版と一緒に書き下ろされたものです。それまで少なくとも公的には合唱編曲が存在しませんでした。
編曲者の星野氏は、宇都宮短期大学音楽科作曲専攻コースの主任教授です。動画で指揮しておられる田中秀男氏(現役時代、清水脩作曲「アイヌのウポポ」の初演を指揮)とのご縁によります。
9月初旬、OB会報に同封されて、この混声・男声両バージョンの楽譜が届きました。譜面を見る限り、臨時記号の頻出と新鮮な和音展開が印象的でした。
実際に演奏を聴いてみると、立教に似つかわしい爽やかなサウンドに仕上がっているように思います。
「St. Paul’s will shine tonight」は男声合唱版がおなじみ。こちらは確か第1回東京六大学合唱連盟定期演奏会エール交換に際して、当時の学生指揮者だった鶴岡氏が書き下ろしました。
長らく「女声がセントポールを歌うなんて……」という抵抗が大きくずっと男声合唱だけで歌われてきたものが、時流の変化で混声合唱でも歌いたいという声が上がり、既存の男声4部合唱編曲に重ねる形で、晩年近くに編曲者ご本人が女声2部を書き足しました。動画で演奏されているのはそのバージョンのはずです。
鶴岡氏は混声5部バージョンも書いたとのことですが(G-durの中間部はBaritoneが主旋律を歌うらしい)楽譜がなくなったとご本人がおっしゃっていたのを耳にした覚えがあります。
「神ともにいまして」は立教グリー単独演奏会のクロージングテーマ。辻先生編曲による男声合唱版や女声合唱版も歌われています。
この曲は辻先生および皆川先生が指揮するのが通例です。
そして、定期演奏会でこの曲を歌うとき、3番になると皆川先生が指揮台を降りて最前列に並ぶ4年生ひとりひとりに握手をする(演奏時間内に握手しきれなかった人にはレセプションの場で握手をしてくださる)ことと、緞帳の有無にかかわらず曲の終わり近くに譜面台を緞帳にぶつからないようにずらして指揮台を降りる(今回の動画では譜面台ずらしがありませんでしたけど)ことが、せきの知る当時での恒例。
4年生にとっては定期演奏会が現役最後のステージなので(そのあとメサイア演奏会もあるが4年生のオンステは有志)、その締めくくりに歌うこの曲には思い入れ・懐かしさがひとしおなのです。立教グリーOBOGに共通する感慨だと思います。