女声合唱団しおんが4年ぶりに開いた単独演奏会「女声合唱団しおん 春のコンサート」を聴きに上京してきた。
14時開演で、2時間しないうちに終演。いろいろ楽しませていただきました。出演者・スタッフ・来場者の皆様、お疲れ様でした。
会場は、よみうり大手町ホール。初めて足を運ぶ。なかなか響きのまとまったホールである。客席の入りは目測で3分の2ぐらいかな。
女声合唱団しおんは立教大学グリークラブのOGを中心とする女声合唱団。立教グリーファミリーに属するということで客席で先輩を数多く見かけたが、なぜかどなたともご挨拶できず。
出演メンバーはソプラノとメゾソプラノが6名、アルトが3名。昨年の第32回立教大学グリーフェスティバルの合同演奏がきっかけで参加したと思しき平成4年卒のメンバーが数名いらした。
全ステージを指揮した湊晋吾氏は、1996年に北村協一先生がアラウンドシンガーズのアメリカ演奏旅行のため三女連(現在の四女連。そういえば今年は今日が本番でした)を指揮できないということで声がかかり、以降現在までずっと三女連・四女連や定期演奏会を通して立教大学グリークラブ女声合唱団の現役を指導しておられる。今年で20年なんですね。現役時代に湊先生の指導を受けたOGの姿をステージ上でも客席でも目にしなかったのは、今回ちょっと残念であった。
全ステージでピアノを弾いた前田勝則氏は、北村先生つながりで十何年もしおんと共演しておられる。グリーフェスティバルでは弾き振りという形での共演もあった。前田先生が駆け出しのころ、立教大学グリークラブOB男声合唱団で『ことばあそびうたII』の練習ピアニストをしていただいたことがあり(引く手あまたのピアニストとなった今となっては畏れ多くてとてもとても)、そのときから存じ上げている。ステージでご一緒させていただいたのは、2001年9月に行われた「おさの会 歌創り50年記念コンサート」でアラウンド・シンガーズとして歌った『おとこはおとこ』だけのはず。
- 女声合唱とピアノのための小品集『ポケットの星』
- 作詩:みつはしちかこ/作曲:沼尻竜典
- ポケットの星
- あのとき
- 麦わら帽子
- 待ちぶせ
- 春のうわさ
- 迷子の風船
- みの虫のうた
- 銀のローソク
1982年と1989年に作曲されたロングセラーの曲集。せきも大学生時代に聴いたことがある。当時は少々野暮ったい演奏が多かったような気がするが、このたびの演奏は洒脱でこなれていた。
- 宗教曲集
- Ave Maria
(作曲:Michael Head) - Salve Regina
(作曲:Josef Gabriel Rheinberger) - Ave Regina
(作曲:Josef Gabriel Rheinberger)
聖母マリアをたたえる近現代女声合唱曲のステージ。フレージングが流麗。
- 女声合唱とピアノのための『花のかず』より
- 作詩:岸田衿子/作曲:木下牧子
- 花のかず
- クルミ
- 足おと
- 曇り日なら
- 竹とんぼに
- あさっておいで
- ある日のたび
全9曲から成る女声2部合唱曲集。今回は第2曲「夢のなかの空」と第6曲「カゼクサ」をカットした7曲が演奏された。
今回の演目の中では、団のカラーと最も相性がよかったのでは。
- ア・ラ・カルト 〜花鳥風月〜
- 風は今
(作詩:平井多美子/作曲:横山潤子) - 雨降りお月さん〜雲のかげ
(作詩:野口雨情/作曲:中山晋平/編曲:岩河智子) - さくら横ちょう
(作詩:加藤周一/作曲:中田喜直) - 鳥が
(作詩:川崎洋/作曲:新実徳英)
このステージだけメンバーのMCにより進行された。合唱になじみの薄い人にも親しみやすい演目も相まって、ほかのステージよりも若干やわらいだ空気だったように思う。
最後にアンコールがわりで文部省唱歌「朧月夜」を会場と一緒に唱和し、終演。プログラムのパンフレットには「朧月夜」の歌詞カードが挟み込まれていた。
前回の単独コンサートは4年前。もともと5年前に開催される予定だったのが、本番予定日の前月に起きた東日本大震災との兼ね合いで1年先送りになったという事情がある。そのときの演奏会は都合がつかなくて伺えず、ずっと心残りだったので、今回足を運べたのは幸いであった。
今回、本番の前々々日から「平成28年(2016年)熊本地震」が起きているということでロビーに募金箱が置かれていた。集まった義捐金は、演奏会会場がある読売新聞社を通して被災者に寄付される由。