2009/07/05の日記

2009/07/05の日記

本日まる一日、新潟ユース合唱団に参加。
朝8時ちょっと前に家を出て、電車に乗り新潟入り。新潟駅前で合唱団仲間の車に乗せていただき、練習場所の明鏡高校へ。
練習に先立ち、10時過ぎから2時間ほど実行委員の会議。宿題いろいろ。
13時過ぎ、練習スタート。今回から新曲。
声出しのあと、前半戦は G. P. Palestrina のモテット「Sicut cervus」「Super flumina Babilonis」。
せきがルネサンスものを歌うのは5年半ぶりで、勘所を思い出すのに時間がかかった。
Palestrina 作品は初体験だったが、戸惑いはほぼゼロ。ちなみに、これまでに歌ったことがあるのはJosquin des Prez 作品とT. L. de Victoria 作品(このお二方については、皆川達夫先生編曲の男声合唱版による演奏が半分強)と William Byrd 作品が少々。
後半戦は、三善晃作曲「五つの日本民謡」からの2曲。音取りが難儀そうということで、一同ピアノを囲んでの練習。
だが「ソーラン節」は最後の2ページ弱を除き、予想外にすんなり通すことができた。バスは囃し言葉や合いの手によるモチーフの繰り返しが多く、パターンをのみこめば意外と歌いやすい。歌っていて血が騒ぐのを感じる。
一方「佐渡おけさ」には歯が立たないまま時間切れ。
練習後、新潟駅前で懇親会。せきは長岡駅から家までがマイカー移動につき飲んだものはお茶ばかり。
なぜかラストオーダー後、新潟大学医学部合唱団関係者を中心に、新潟ユース合唱団の宴会では稀に見る乱痴気騒ぎ。2時間の予約だったのが、お開きまで30分ほど余計にかかったような。
お開きになってから、せきは挨拶もそこそこにそそくさと失礼し、電車に飛び乗って帰宅。

発語への様々なアプローチに関する小レポート

発語への様々なアプローチに関する小レポート

声楽(独唱・斉唱・重唱・合唱)では、しばしば「発語」なるテクニカルタームが出てきます。発声・発音と並ぶ概念です。

意味は「語を発する」→「聴き手に言葉を伝える」ですが、その演奏上のアプローチ方法は演奏者・指導者や作曲家によって多種多様らしいことが、十余年の合唱経験でわかってきました。せきが知る限りを列挙してみます。


一つは、逐語的な表現によるアプローチです。

たとえば歌詞に「よろめく」という単語が出てきたら、その部分で、息も絶え絶えっぽい音色を使ってみたり、引きずるような感じでテンポを遅くしたりとかいうことです。

さらには、たとえば歌詞に「笑う」という単語が出てきたら、程度は大笑い・中笑い・小笑いのどれに近いかとか、どのような性質の笑いなのか(この例については、たとえば『「笑」で終わる国語辞典一覧 – goo辞書』が参考になるのでは)とか、なぜ歌詞の登場人物は笑っているのかとかいったことを考察し、演奏表現に反映させるということもなされたりします。


一つは、フレージングにおける句読法によるアプローチです。

そこには「文節・単語の先頭を際立たせることで、文節・単語のまとまりを聴き手が認識しやすいようにする」ということが含まれますが、これについては2種類に大別されるようです。

  1. フレーズ内で強弱や濃淡を加減し、文節・単語の先頭を拾う(つかまえ直す)こと + 語尾を抑えること
  2. 語尾と後続する文節・単語の間で、カンマを挿入するかのように、ごく短い切れ込みを入れること

せきが合唱団員としてかかわった指揮者だと、北村協一先生や箕輪久夫先生はA、田中信昭先生や松原千振先生はBのメソッドをお使いでした。また、栗山文昭氏はBのメソッドをお使いだと、とある本で読んだ覚えがあります。

上記Aのバリエーションとして、作曲家・多田武彦氏が提唱する「フレージングの3つの態様」もあります。

多田メソッドでは、まず音節ひとつひとつにその強弱を10段階で数値を付けます。語頭は必ず10(最大値)です。そして、語頭以外の音節について、5〜6になる単語で構成されるフレーズと、7〜9になる単語で構成されるフレーズと、10ばかりの単語で構成されるフレーズの3種類に区分し、曲想や場面展開などに応じて使い分けるというものです。

これについては、全日本合唱連盟が出している季刊誌「Harmony」の第133〜137号で連載された「合唱曲を練習する際の留意事項」で多田氏ご自身が説明を記しています。


作曲家といえば、小林秀雄氏も「発語」を重視する人です。

その具体例は、全音楽譜出版社から出ている女声(混声)合唱曲集「落葉松」巻末、小林氏ご自身による「演奏上のメモ」の、タイトル曲の項目でまとめられています。

あえてせきの理解を記すなら「音節や単語を、それがある楽曲全体あるいはフレーズの中における意味・位置づけを踏まえて表現する」といったところでしょうか。ここまでに紹介したものすべてを包括し、さらに掘り下げた考え方だと思います。


他にも様々なアプローチがあるのではと思いますが、せきが知る範囲は以上です。


2015/11/05追記

2014年6月13日に語頭の取り扱いについて以下のツイートを連投しました。

これが2015年11月4日に「合唱の保管所」さんによってリツイートされました。その件について紹介したところ反響をいただいたので当ブログに記事としてまとめようとしたら、既にここで書いていたんですね。付け足したいことは特にないので当記事で記したという扱いにします。ただし当時書いた記事にはHTMLタグが付いていなかったため、この機会に付加しました。

なお、多田武彦氏が提唱する「フレージングの3つの態様」については、加藤良一氏が管理する「多田武彦〈公認サイト〉」で公開されているPDFファイル「アンサンブル上達のための練習方法」5ページ以降で詳述されています。

おぼえがき他

おぼえがき他

相談ごと:《ポピュラーの曲》の扱い」に書いた件、まだどなたからも反応いただいてないんですが……。

当初からの方針を維持するってことでOKと理解してよろしいのでしょうか?


それはさておき、おぼえがき2件。

○その1

2009年8月2日、いずみホール @ 大阪市中央区にて行われる「The Premiere Vol.1 〜真夏のオール新作初演コンサート〜」で、谷川俊太郎作詩・松本望作曲、男声合唱とピアノのための組曲「天使のいる構図」が、なにわコラリアーズにより初演される予定とのことです。

松本氏にとっては初の男声合唱作品のはず。

この情報を「日本の絶版・未出版男声合唱曲」に載せないのは、そこで演奏(初演)される曲目がすべて演奏会当日に出版されるためです。

新たなる合唱曲が世に出るのはめでたいこと。一つでも多くの新作合唱曲が歌い継がれてゆきますように。

○その2
(当ブログ内シリーズ連載『「新しい歌」をめぐって』関連)

つい先日、混声合唱とピアノのための 「新しい歌〔改訂版〕」が出版・発売となりました。改訂版では、テンポ、アコーギク、ダイナミクスを全曲に渡って見直したのだそうです。

なお、男声版(こっちがオリジナル)についても遠からず改訂版が出るものと思われます。

今年は出身団体・立教グリーに不義理ばかりとなりそう

今年は出身団体・立教グリーに不義理ばかりとなりそう

本日、ティアラこうとう大ホール @ 東京都江東区にて「第30回 立教大学グリーフェスティバル」がありました。
第1応援歌「行け 立教健児」新編曲が初演されるらしいとか、現役1年生時代に歌ったことのある北村協一編曲「トスティ歌曲集」が演奏されるとかということで、聴きに行きたかった。
(ちなみに、合同演奏などを指揮した田中秀男氏は、現役時代、清水脩作曲「アイヌのウポポ」の初演を指揮した大先輩です)
でも東京六連のとき同様、諸々の都合がつかず断念。
11月14日には立教大学グリークラブ現役の第100回記念定期演奏会が予定されていますが、この日も別の予定が……。
12月11日の「第48回 立教大学メサイア演奏会」も平日ということで上京するのは無理っぽい。
ということで、立教グリーファミリーの演奏を聴く機会も、先輩同輩後輩の皆さんにお目にかかる機会も、今年はどうやらなさそうです。ああ残念無念。

相談ごと:《ポピュラーの曲》の扱い

相談ごと:《ポピュラーの曲》の扱い

【このエントリは当分の間、最上部に表示されます】

当サイトのメインコーナーの一つ「日本の絶版・未出版男声合唱曲」について、読者の皆様に相談したいことがあります。
このエントリへのコメントとしてでも、せきへの私信(リンク先はパソコンのみ対応のspamよけ加工済)でも、どちらでも構いません。ご意見を頂戴できれば助かります。
凡例・注意書き」のページに、対象について『ポピュラーの曲や外国作品からの編曲ものは含んでいません』と書いてあります。この《ポピュラーの曲》をどう取り扱ったものかについて、このところ迷ってます。
背景は、近年、主としてNHK全国学校音楽コンクール(Nコン)課題曲において、ポップスとオリジナル合唱曲とが融合する動きが進んでいることです。
検討対象は以下の3種類です。
A. 編曲者の手を借りず、アーティスト自身がコラレーションも含めて書いた合唱曲
  この例としてせきが知っている男声合唱曲は、早稲田大学グリークラブの委嘱で小田和正が作詞作曲した「この道を行く」ぐらいです。
  現時点では《ポピュラーの曲》を杓子定規に当てはめて対象外にしていますが、「この道を行く」自体は合唱曲としてオーソドックスに書かれているというところもあり、線引きが悩ましいところです。
B. アーティストと合唱作家のコラボレーションにより作られた合唱曲
  この例としてせきが知っている男声合唱曲は、平成19年度Nコン高校の部課題曲「言葉にすれば」ぐらいです。
C. 合唱曲の原曲として書き下ろされたポップス
  重要なのは《合唱曲の原曲として書き下ろされた》という点です。作詞作曲したアーティスト本人による歌唱が合唱曲のセルフカバーと位置づけられた曲とも言い換えられます。
  アーティストによるNコン課題曲では「言葉にすれば」以外すべてこれに属します。端的にいうと、編曲者が別にクレジットされているものです。
  うち、男声合唱版が存在するのは、平成18年度中学校の部課題曲「虹」と、平成20年度中学校の部課題曲「手紙」です。いずれもNコンより後に編曲・初演されました。男声合唱版「虹」はNコン課題曲と同じく信長貴富による編曲です。「手紙」についてはNコン課題曲を担当した鷹羽弘晃編曲による男声合唱版は今のところないはずで、北川昇編曲による男声合唱版が存在します。
なお、「日本の絶版・未出版男声合唱曲」は他の方から引き継いだもので(詳しい経緯は『「合唱アンサンブル.com」誕生の覚書』を)、おかげさまでコンテンツ自体は更新を重ねて充実しつつありますが、取り扱い対象の規定には今のところ手を加えていません。
「凡例・注意書き」の最終更新が今日になっているのは、文字コード指定ミスで表示がおかしくなっていたことの修正です。長らくご迷惑を掛けていたようで、すみませんでした。