小千谷市民オペラ2022「カルメン」覚書(その4:5月8日以降)

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小千谷市民オペラ2022「カルメン」についての覚書、「その1」「その2」→→「その3」の続きです。

今回は5月14日の本番、およびそれに向けたラストスパートの一週間などについて。


私はこの週、9日と10日は午後半休、7日(勤め先は月1〜3回ほど土曜も出勤する週がございまして……)と12日は丸1日のお休みをいただきました。7日については職場としては休業日だった5月2日に出勤して振替休日という形にし、それ以外は有給休暇を取りました。本番当日はもともと休業日でした。「てかがみ」に出たときも本番のある週は同様な状況だったので当時を思い出して対策を講じました。

5月8日(日)

ソリスト諸氏、および助演として合唱などに加わってくださる皆さんが小千谷市入りし、この日から合同練習が始まりました。この日は1幕から場面ごとに区切り、いったん音楽稽古ののち立ち稽古という流れを繰り返しました。練習時間は13時から18時。

5月9日(月)

この日は立ち稽古をせず、18時から21時まで音楽稽古として1幕からオーケストラ合わせ。ソリストとオーケストラが合わせるのは初回だったはずです。

午後から、児童合唱と大人合唱団員の大半に対して衣装合わせも行われました。一部の合唱団員はどうしても都合がつけられず、オーケストラ合わせ練習を中座し衣装合わせをしました。私は16時から衣装合わせに参加。この時点で20分ほど時間が押していて、オーケストラ合わせが始まる頃には30〜40分ほど押しになってました。

途中、河原先生から合唱団へ「目を大きく見開いて歌うように」というご指導があり、そのサンプルとして私めが御指名を受け顔芸を披露することと相成りました。プロの声楽家であるキャストおよび助演の皆様を差し置いてのお役目は誠にもって恐れ多き限りでございました。

なお、オーケストラについてはクラリネットで参加したDaaさんのブログに概要がまとめられています。

5月10日(火)

この日から小千谷市闘牛場に設営した舞台でのリハーサル。

反響板のない屋外での上演なのと、本番の模様がネット配信される都合上で、ソリストの皆様はマイクを付けて出演しました。そのサウンドチェックがリハーサルの最初に行われました。

続いて1幕から場当たり、といいつつ結構ガッツリと演技に対するダメ出しなどもいただいたような。8日の稽古までは別の練習場にビニールテープを貼って立ち稽古をやっていましたが、通路などについては現地で動いて初めて分かったことがたくさんありました。

助演の皆さんは段取りなどについて合唱団をリードしてくださいました。

5月11日(水)

通し稽古。Hauptprobe、略してHP(ハーペー)と呼ばれるものにあたりますが、この日の稽古は3幕から始まりました。8日から10日まで児童合唱が出る場面以外はほぼ手つかずだったからなんでしょうね。

この日は17時半近くまで勤務ののち職場から小千谷市闘牛場に直行という無茶をしました。それまでも平日の練習では勤務ののち練習場に移動ということをやっていて移動する車の中でスイッチの切り替えができていたんですが、この日は運転中の切り替えがうまくいかず、稽古でペースを掴むまでだいぶ時間がかかりました。私個人の感覚としては、ここで初めて今回上演するオペラの全体像を把握できたような気がします。

1幕で私は2度も椅子を派手に倒してしまいました。休憩中にレオ先生が飛んできて、きつく注意をいただきました。そんなわけで本番では事故防止のため席を立つ際いちいち椅子を戻しておりました。

5月12日(木)

午前中は散髪をしたりマッサージにかかったり。おかげで本番まで、のみならず翌5月15日午後の合唱団Lalari練習まで走り抜けることができました。

昼過ぎ、デメテル・コロディアなどでご一緒した金内美代子さんの車に乗せていただいて15時ちょっと前に闘牛場入り。PCR検査を受けたのち、メイクをして衣装に着替え、ちょっと音楽稽古をしたあとGeneralprobe、通称ゲネプロが、招待客を入れての公開リハーサルとして行われました。最後に公開リハーサルの一環として、初めてのカーテンコール練習。

前日までの稽古はずっと不織布マスク着用で進められました。この日に初めてマスクを外し、しかも舞台メイクを施した顔になったため合唱団員の間で「あなた、どちら様ですか?」という声が続出しました。

5月13日(金)

予備日という扱いでしたが、結果として稽古なし。私は普通に出勤でした。

5月14日(土)

午前中は雨模様でしたが、昼過ぎから雨がやみ、晴れた空のもとで本番ができました。ただ山の中ゆえ夜になると気温は下がり、4幕あたりでは舞台上が結露で滑りやすくなってました。

会場入り以降のスケジュールは一昨日に同じ。違うところは、16時過ぎに駐車場近くで公開の発声練習をやったことくらいだったでしょうか。

本番では、これまでの練習・稽古・リハーサルで積み重ねてきたことを遺憾なく反映できたものと思います。


以下、練習記録の枠内では書けなかったことを付け足します。

キャストの方々について

エスカミーリョ役の品田広希先生とフラスキータ役の関萌子さんについては前回までの記事で書きました。

カルメン役の清水華純さんは、オーケストラ合わせで河原先生が「華純ちゃんがみんなを引っ張ってくれた」と評した通りで、場の空気を作るというか染め上げるというか、オペラ歌手としてはそのような御方です。歌っていないときはSNSそのままの、飾らない、とても気さくなお人柄でいらっしゃいます。終演直後にご挨拶させていただいたときもでした。

ドン・ジョゼ役の村上敏明さんは、稽古中しばしば合唱団に演技等についてアドバイスや提案をしてくださいました。1幕で私はジョゼのすぐ後ろについて行進するくだりがあり、村上さんと動きや呼吸を合わせるために腐心したものです。

本番前日くらいにTwitterで、この公演に関するキャストの方々によるツイートを検索し、小千谷を楽しんでいらっしゃる発言を多く見つけたのでリツイートしまくりました。さらに終演後、キャストおよび助演の皆様にお疲れ様でしたとツイートしました。皆さんお返事をくださったばかりか、スニガ役の松中哲平さんr助演の北園彩佳さんからは私のアカウントをフォローしていただきました。

反響など

闘牛場でのオペラ公演という試みはメディア各社から注目いただき、いくつものTVや新聞で大々的に報道されました。私は合唱団員の端くれではありましたが終演後しばらく、エゴサーチよろしく反響の声をTwitter検索およびリツイートするとか(委細は長くなるので2022年5月のTwilogを参照くださいませ)、見たかったという声もあったのでネット配信の情報を2名様ほどにお知らせするなんてお節介焼きもしました(お返事いただくことはありませんでしたが、まあそういうものでしょう)。反響は想像を超えて好意的なものばかりでした。皆様に喜んでいただけたようで有難い限りです。

男声合唱団トルヴェールを接点に「直江の婿えらび」でご一緒した桂木農さんが闘牛場へ観覧に来てくれたそうで、この記事を執筆中の6月12日に会ったとき「面白かった」と言ってもらえました。

改めての総括

品田先生はメディア報道やプロモーションなどで、このたびの企画趣意について様々なことをおっしゃっていました。クラウドファンディングの企画紹介に書いてあることが、まとめとして分かりやすいと思います。

その中で、ここで特記したいのは「プロの演出家、第一線で活躍するアーティストによる市民への指導・交流」という側面です。練習において、先生はお持ちのノウハウを注ぎ込み、オペラにおける歌唱や芝居について参加者にゼロから手ほどきをしてくださいました。それは小千谷の地に声楽や演劇について田おこしをし種をまく、れっきとした教育啓蒙活動と、いち合唱団員として私は実感します(この感覚をおぼえたのは遅まきながら、立ち稽古に入ってからですけど)。今回のプロジェクトを通して学んだことを、合唱をはじめとする他の表現活動などにも生かし還元してゆきたく思っております。

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