投稿者: せき
「合唱アンサンブル.com」というウェブサイトをやっている者です。

2009/07/18の日記

2009/07/18の日記

17時半過ぎから、男声合唱団トルヴェールの練習 於 万代市民会館(於 新潟市中央区)に出席。マイカー移動。
出席者は1パート1名。それと、新潟ユース合唱団2008に参加してくれた人1名(Bass)が見学。
来月以降の活動方針について話し合ったあと、「忍路」の音取りに終始。
この曲を含む組曲「吹雪の街を」は、多田作品にしては凝った音使いが散見される組曲で、今回も皆さん手こずっていたご様子。
ただ、せきにとっては「夏になれば」に比べたらグッと音が取りやすいかな。
せきはBassなのだが、Baritoneのtree2氏が前で練習進行役をやっていたりすることから、ちらほらBaritoneも歌ってみる。
外声パートとして生まれ育った者にとって、内声パートとして自分の出す音を和音の中に第3音や第5音としてはめ込むことには結構なスキルが要ると、Baritoneを歌うたびに感じる。

山古堂ブログの終了に寄せて

山古堂ブログの終了に寄せて

何日か前、検索エンジンで「山古堂」を探していて当ブログに来訪したと思しき人がいらっしゃいました。
それをきっかけに知ったのですが、「合唱音源デジタル化プロジェクト 山古堂」ブログが更新終了したのですね。
「第27回 上海で一番音程が悪い山古堂主人と30回代の東西四連(第38回四連)」コメント欄より、6月22日20:38:44付けのコメント参照)
連載を通して多くの貴重な情報を頂戴しました。拙サイト「日本の絶版・未出版男声合唱曲」の参考にさせていただいたところも多々あります。
不肖せき、山古堂主人さんにご不快な思いをさせてしまったこともございます。ご迷惑をおかけする仕儀となったこと、いまさらながら、この場を借りてお詫び申し上げます。
個人的には、山古堂主人さんが倉敷赴任を終えたあと、端的にはせきが現役時代の学生合唱界(あちこちで断片的に触れられてはいるものの)についての記事にも不安と期待を抱いていたのですが……。
ちなみにわたくし、あの「雨」には新入生ゆえ参加できなかった代です。山古堂主人さんご出身の早稲グリでいえば、現在合唱指揮者として活躍中の西川竜太さんと同期にあたります。
せきが大学生になる前の、いわば「雲の上の大先輩」にあたる世代の音楽性については、現役当時中枢を担っておられたメンバーが大勢いらっしゃる立教のOB男声合唱団を通じて存じ上げている部分もあります。ただ、そうした先輩方の現役時代の演奏は、恥ずかしながら慶應ワグネル公式サイトの「山古堂音源」で初めて接したものも多く、その素晴らしさに感銘を受けたものです(同時に、おのれの現役時代が恥ずかしくもあります)。
ともあれ、いろいろなことを勉強させていただきまして、ありがとうございました。

ハモリ倶楽部 6月号

ハモリ倶楽部 6月号

いまさらながら、「Nコンマガジン ハモリ倶楽部」の、先月18日に放映された回について。
NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)PR番組という名目ではありますが、実質的には中高生向けの合唱情報バラエティってほうが近いですね。中高生じゃなくても楽しめると思います。
まず「全国のユニークな合唱部」として、仙台市立西山中学校男声合唱団を訪問したルポVTR。
Nコンは男声合唱団の参加が極めて少ないというのが衝撃的でした。中学・高校全団体のうち男声合唱団は0.4%だそうで。つい最近、第61回〜第75回(平成6〜20年度)の課題曲集が出版されたんですが、高校男声のだけ出版されなかったのはこういう背景なのでしょうね。もっとも、どっちにしろ男声合唱が冷遇されていることには変わりないわけで、男声合唱愛好者としてはとても残念な思いをしました。
ルポVTRを踏まえ“合唱と男子”をテーマに小ディスカッションが行われましたが、「男声合唱団の参加が極めて少ない」→「合唱に消極的な男子生徒が多い」という話題の転換が無自覚になされ、話がすりかわった(人聞きの悪い表現ですみません)かのような印象を受けました。
そこから、男声が加わるとアンサンブルに厚みが出ることを、本年度中学校の部課題曲「YELL」を題材に出演者一同で実演したんですが、実演した箇所では男声がスキャットだけ。どうせなら全員が縦割りでハモる場所を歌うほうが説得力が増すだろうに。
そういえば、なんか妙に木下牧子作品がフィーチャーされてましたね。西山中学校男声合唱団の練習風景では「サッカーによせて」(曲集「地平線のかなたへ」より)を歌っていたり、顧問としてちょこっと出演した辻秀幸氏が「ロマンチストの豚」を歌いながら登場したり。
続いて、ハモリ隊を名乗る若手女性タレント5名のうち2名がウィーン少年合唱団来日公演の舞台裏におじゃました模様のVTR。
昨年度中学校の部課題曲「手紙」を取り上げたことが紹介されていました。唯一の日本人団員であるカイ・シマダくんによる発音指導および歌詞解説の甲斐あって、なかなかさまになった演奏でした。
最後に「ロングトーンバトル」という対決企画。
どれだけ長く一息で音を発声できるかを競うもので、全国の合唱部員9名がVTRで出場しました。
せっかく声楽家の先生をお呼びしているのですから(このコーナーには出ておられませんでしたが)初回ということでコツなどを解説していただけるともっとよかったのではと思います。
次回は今月25日。都合がついたら見るつもりです。

2009/07/05の日記

2009/07/05の日記

本日まる一日、新潟ユース合唱団に参加。
朝8時ちょっと前に家を出て、電車に乗り新潟入り。新潟駅前で合唱団仲間の車に乗せていただき、練習場所の明鏡高校へ。
練習に先立ち、10時過ぎから2時間ほど実行委員の会議。宿題いろいろ。
13時過ぎ、練習スタート。今回から新曲。
声出しのあと、前半戦は G. P. Palestrina のモテット「Sicut cervus」「Super flumina Babilonis」。
せきがルネサンスものを歌うのは5年半ぶりで、勘所を思い出すのに時間がかかった。
Palestrina 作品は初体験だったが、戸惑いはほぼゼロ。ちなみに、これまでに歌ったことがあるのはJosquin des Prez 作品とT. L. de Victoria 作品(このお二方については、皆川達夫先生編曲の男声合唱版による演奏が半分強)と William Byrd 作品が少々。
後半戦は、三善晃作曲「五つの日本民謡」からの2曲。音取りが難儀そうということで、一同ピアノを囲んでの練習。
だが「ソーラン節」は最後の2ページ弱を除き、予想外にすんなり通すことができた。バスは囃し言葉や合いの手によるモチーフの繰り返しが多く、パターンをのみこめば意外と歌いやすい。歌っていて血が騒ぐのを感じる。
一方「佐渡おけさ」には歯が立たないまま時間切れ。
練習後、新潟駅前で懇親会。せきは長岡駅から家までがマイカー移動につき飲んだものはお茶ばかり。
なぜかラストオーダー後、新潟大学医学部合唱団関係者を中心に、新潟ユース合唱団の宴会では稀に見る乱痴気騒ぎ。2時間の予約だったのが、お開きまで30分ほど余計にかかったような。
お開きになってから、せきは挨拶もそこそこにそそくさと失礼し、電車に飛び乗って帰宅。

発語への様々なアプローチに関する小レポート

発語への様々なアプローチに関する小レポート

声楽(独唱・斉唱・重唱・合唱)では、しばしば「発語」なるテクニカルタームが出てきます。発声・発音と並ぶ概念です。

意味は「語を発する」→「聴き手に言葉を伝える」ですが、その演奏上のアプローチ方法は演奏者・指導者や作曲家によって多種多様らしいことが、十余年の合唱経験でわかってきました。せきが知る限りを列挙してみます。


一つは、逐語的な表現によるアプローチです。

たとえば歌詞に「よろめく」という単語が出てきたら、その部分で、息も絶え絶えっぽい音色を使ってみたり、引きずるような感じでテンポを遅くしたりとかいうことです。

さらには、たとえば歌詞に「笑う」という単語が出てきたら、程度は大笑い・中笑い・小笑いのどれに近いかとか、どのような性質の笑いなのか(この例については、たとえば『「笑」で終わる国語辞典一覧 – goo辞書』が参考になるのでは)とか、なぜ歌詞の登場人物は笑っているのかとかいったことを考察し、演奏表現に反映させるということもなされたりします。


一つは、フレージングにおける句読法によるアプローチです。

そこには「文節・単語の先頭を際立たせることで、文節・単語のまとまりを聴き手が認識しやすいようにする」ということが含まれますが、これについては2種類に大別されるようです。

  1. フレーズ内で強弱や濃淡を加減し、文節・単語の先頭を拾う(つかまえ直す)こと + 語尾を抑えること
  2. 語尾と後続する文節・単語の間で、カンマを挿入するかのように、ごく短い切れ込みを入れること

せきが合唱団員としてかかわった指揮者だと、北村協一先生や箕輪久夫先生はA、田中信昭先生や松原千振先生はBのメソッドをお使いでした。また、栗山文昭氏はBのメソッドをお使いだと、とある本で読んだ覚えがあります。

上記Aのバリエーションとして、作曲家・多田武彦氏が提唱する「フレージングの3つの態様」もあります。

多田メソッドでは、まず音節ひとつひとつにその強弱を10段階で数値を付けます。語頭は必ず10(最大値)です。そして、語頭以外の音節について、5〜6になる単語で構成されるフレーズと、7〜9になる単語で構成されるフレーズと、10ばかりの単語で構成されるフレーズの3種類に区分し、曲想や場面展開などに応じて使い分けるというものです。

これについては、全日本合唱連盟が出している季刊誌「Harmony」の第133〜137号で連載された「合唱曲を練習する際の留意事項」で多田氏ご自身が説明を記しています。


作曲家といえば、小林秀雄氏も「発語」を重視する人です。

その具体例は、全音楽譜出版社から出ている女声(混声)合唱曲集「落葉松」巻末、小林氏ご自身による「演奏上のメモ」の、タイトル曲の項目でまとめられています。

あえてせきの理解を記すなら「音節や単語を、それがある楽曲全体あるいはフレーズの中における意味・位置づけを踏まえて表現する」といったところでしょうか。ここまでに紹介したものすべてを包括し、さらに掘り下げた考え方だと思います。


他にも様々なアプローチがあるのではと思いますが、せきが知る範囲は以上です。


2015/11/05追記

2014年6月13日に語頭の取り扱いについて以下のツイートを連投しました。

これが2015年11月4日に「合唱の保管所」さんによってリツイートされました。その件について紹介したところ反響をいただいたので当ブログに記事としてまとめようとしたら、既にここで書いていたんですね。付け足したいことは特にないので当記事で記したという扱いにします。ただし当時書いた記事にはHTMLタグが付いていなかったため、この機会に付加しました。

なお、多田武彦氏が提唱する「フレージングの3つの態様」については、加藤良一氏が管理する「多田武彦〈公認サイト〉」で公開されているPDFファイル「アンサンブル上達のための練習方法」5ページ以降で詳述されています。