第8回新潟県アンコン 他団体に対する感想

第8回新潟県アンコン 他団体に対する感想

去る2010年1月24日に開催された第8回新潟県ヴォーカルアンサンブルコンテスト「一般の部」の演奏を拝聴しながらメモしたことを、ちょっと整理して、僭越ながら開示します。
長文ですが何卒ご容赦を。
なお、ウムラウトやアクセントが付いたアルファベットとか、いわゆるハシゴ高とかは、携帯電話などで正しく表示されないことがあるので、略したり別の字に置き換えたりしています。

女声アンサンブルiris 〔金〕

MY BONNIE(Traditional / 松永ちづる編)
I GOT RHYTHM(George Gershwin / 松永ちづる編)

出番待ちの舞台袖で聴かせていただいた。「合唱人の優等生」的な演奏。この路線だったらリズム隊(コーラスとのバランスを考えればジャズピアノだけでも。ドラムスやウッドベースもいれば理想的だけど)とセッションするとさらに面白くなりそうな気がする。

合唱団KKY 〔銅〕

Ave Maria(松下耕)
守る(「子猫物語」より;松下耕)

曲想の変化に応じてサウンドの表情が的確に変わる。ウ母音で声が引っ込むのと、フレージングが「守る」みたいに単語・文節単位でなく「ま-も-る」みたいに1音符単位に聞こえたのが引っかかった。

合唱団Lalari 〔金〕

Corran di puro latte(Luca Marenzio)
Piagn’e sospira(Claudio Monteverdi)

いきいきしていて、いかにもイタリアのルネサンスマドリガルらしいサウンド。アルトはもっと存在感をアピールしてもよかったんじゃなかろうか。

Iride 〔銀〕

Osanna!(Henrik Colding-Jφrgensen)

うまい人たちだとは思うんだけど、今回の音色は、テクストの内容や曲想の動きとの連動が薄いように聞こえた。

カンターレ 〔銀〕

あじさいの花(「愛と慈しみと 〜6つの愛唱曲集」より;新実徳英)
時計台(「愛と慈しみと 〜6つの愛唱曲集」より;新実徳英)

歌詞を丁寧・繊細に表現しようとしていたのは感じ取れた。ヴォーカリーズなどで音が動いて和音が移ろってゆくのにつれてサウンドの色彩感や輝きが変化すると、より魅力が増すと思う。

アンサンブル ロゼ 〔金〕

月の光 その二(「月夜三唱」より;三善晃)
北の海(「三つの抒情」より;三善晃)

合唱・ピアノ、どちらも単独では素晴らしいけど、合わさったときの音量バランスがちと残念。どっちの曲も「合唱をバックにしたピアノソロ」って感じの箇所があり、合唱が高揚してフォルテ系になるところでようやくピアノと対等になったように聴こえた。

グルポ・カントール 〔銅〕

あの空へ 〜青のジャンプ(大島ミチル)

この曲は、作曲時の想定ターゲットである高校生よりも、中学生が歌うほうが持ち味が生きると感じた、そんな説得力がある演奏。姿勢がもったいない。背中が丸まり気味で、胸郭や肩に無駄な力が入っているように見えた。High-chestを心掛けて歌うと音楽の届く範囲が広がりそうな予感。

Choir Sprout 〔銅〕

Ave Maria(Vytautas Miskinis)
Cantate(Vytautas Miskinis)

審査員の片野秀俊先生が全体講評で指摘しておられたラテン語の発音は、特にこの団体で気になった。たとえば、gratiaの「ti」がツィでなくチに聞こえたり、benedictaの「c」が聞こえなかったり。ただ、全体に子音の溶解・摩耗傾向があるように聞こえたので、発音の憶え違いではないのかもしれない。声は前に飛んでるし、音色も曲想にふさわしいと思うのだが……。

アンサンブル「夕凪」 〔銀〕

合掌 ——さる(「内なる遠さ」より;高田三郎)
燃えるもの ——蜘蛛(「内なる遠さ」より;高田三郎)

クライマックスでの劇的な表現はまさしく熱演。ただ、高野+高田作品としてはストイックさ(作曲者の随想集を読むとよく分かる)が薄いように感じたし、何より語頭の子音が聞きとりにくかったのが高田作品らしくない。

合唱団YEN 〔銀〕

そらまめ(「やさしさに包まれて」より;松下耕)
ごきぶり五郎伝(「やさしさに包まれて」より;松下耕)
くちなし(「やさしさに包まれて」より;松下耕)

こっちさん(cockroachの略?)自ら書いておられるように、プログラムの中では3曲目との相性がベストだったと思う。1曲目については、譜面として初出の「季刊 合唱表現」で作曲者が添え書きしているメモが参考になるんじゃないかなあ。2曲目ではトルヴェールのお株を奪われたような感じがした。

以上に記載のない団体は当方が聴いてないということです。
せきが楽屋からホールロビーに移動したとき、アンサンブル「夕映」さんの演奏中でしたが、最後の曲だけをスピーカー越しに聴いた次第ゆえ、コメントは差し控えます。

2010/01/24の日記

2010/01/24の日記

男声合唱団トルヴェールのメンバーとして、第8回新潟県ヴォーカルアンサンブルコンテストに出演。

朝10時にマイカーで家を出て、いつもの国道8号を通り新潟市へ向かう。

路面には雪がまったくといっていいほどなく流れもスムーズだったので11時半過ぎには中央区に入った。

40分ほど某駐車場に車を置いて仮眠を取り、12時半過ぎに会場の付属駐車場へ到着。

本番前に13時からりゅーとぴあで1時間ほど練習。

フォーメーションは昨日1/23の練習で決めた通りとなる。

練習後、トルヴェールメンバー一同は練習室そばで1時間半ほどまったり。

引き続いてのカンターレ練習を終えたtree2さんと合流し、15時50分ぐらいに新潟市音楽文化会館へ移動、こっちさんとご挨拶。

更衣室では、一昨年度まで新潟ユース合唱団メンバーで、昨年から郷里の福島に戻っている☆くんと久々の再会。

舞台衣装に着替え、16時28分より直前リハーサル、16時40分より本番。

今回はさしたる事故もなく、練習で積み上げたものは遺憾なく音にできたように思う。舞台上では、練習のときより両隣の声が聞きやすかったかな。その代わりアンサンブル全体のサウンドは練習時よりも把握しづらかったような印象。

成績は銅賞。審査員の先生からの講評などは「とるろぐ-Torvale Infomation-」に掲載されるはずなので、とりあえず割愛。

楽屋に戻り、元の服に着替え、客席で一般団体の演奏を拝聴する。せきの感想などは日を改めて書かせていただきたく存じます。

表彰式も最後まで見て、いただいた講評をtree2さんから見せてもらい、新潟駅前で慰労会を開くという皆さんと別れ、19時半に新潟市音楽文化会館をあとにする。

(業務連絡:駐車券は表彰式前に客席で受け取りました)
昭和大橋を渡り終えてすぐの交差点で、さっき別れた、慰労会へ行く車の隣になった。手を振ったのだが気づいてくれただろうか。

往路と同じ道を通り、21時50分に帰宅。

2010/01/23の日記

2010/01/23の日記

13時から、男声合唱団トルヴェールの練習 於 万代市民会館(於 新潟市中央区)に参加。
今回は駐車場が使えないとのことだったため在来線で移動。正午ちょっと前に新潟に到着。復路も含め、時刻表通りの運行だったのは幸いなり。
練習会場入り前、新潟駅前の某ラーメン屋で、つけ麺を昼御飯に食す。
明日本番の新潟県アンサンブルコンテスト出場曲「忍路」「夏になれば」(いずれも組曲「吹雪の街を」より)を歌う。
出席者はオンステメンバー全員。
どうも鳴りがまとまらないということで、パートの並び順をいろいろ変えてみる。練習というより「試演」って感じで面白いものである。
結果、客席から見て「Baritone – Second Tenor – Top Tenor – Bass」なフォーメーションとなる(当日の直前リハーサルでさらに変わるかもしれないけど)。
せきは「夏になれば」で音を取り違えている箇所が又してもあった。この期に及んでまだというべきか、本番前に修正できてよかったというべきか……。嗚呼。
16時40分ぐらいに練習終了。
本番では最高の演奏をしたいものでございます。

パナムジカ「絶版本半額セール」

パナムジカ「絶版本半額セール」

合唱楽譜店としておなじみのパナムジカが絶版本半額セールという企画を催してます。

そこでは当ブログにて2度ほど話題にしているサニーサイドミュージックの譜面も何点か売っていて、昨日の記事で紹介した福永陽一郎編曲による「さすらう若人の歌」も含まれてます。

サニーサイドミュージックの楽譜はネット通販ショップを探すと現在まだパナムジカ以外にも取り扱い店が存在するようですけど、いつまで買えるか分かりませんよ。

ついでに書いておくと、そのセール品に含まれている多田武彦作品・男声合唱組曲「水墨集」東芝EMI版および男声合唱組曲「在りし日の歌」は、現在の市販品(メロス楽譜による「水墨集」および音楽之友社による「多田武彦男声合唱曲集7」収録版)と若干の異同があるそうです。

東芝EMI版の楽譜はCDのセット品として作られたもので、市井での入手は当初から困難でした。おそらく購入できるのは今回が最後のチャンスではないでしょうか?
いずれも貴重品です。ご興味のある方は是非どうぞ。

なお、ここに名前を挙げた譜面は、東芝EMI版「水墨集」以外、せきは既に所有しております。

Lieder Eines Fahrenden Gesellen

Lieder Eines Fahrenden Gesellen

カワイ出版の新刊目録に『福永陽一郎(G.マーラー):男声合唱とピアノのための「さすらう若人の歌」』が載りました。

個人的には懐かしさを感じます。せきは一度、立教大学グリークラブフェスティバルで、この組曲をOB男声合唱団の一員として歌った経験があります。

もともとサニーサイドミュージックという出版社から上梓されていた楽譜ですが、出版社の廃業で入手困難になっていたものです。詳しくは、2009年07月22日付けで書いた『サニーサイドミュージック社 廃業』を。

間もなく楽譜店で購入できるようになるでしょう。喜ばしいことです。

なお、サニーサイドミュージック版から改訂が加えられているのだそうですが、編曲者の福永氏は1990年に鬼籍に入った(今年って没後20年なんですね)ので、他のどなたかが校閲を加えたものと思われます。


サニーサイドミュージックは、外国歌曲の福永氏による男声合唱編曲集を3冊出しました。

1冊が「さすらう若人の歌」。

1冊が男声合唱とピアノのための「ジプシーの歌」で、こちらはChorus Score Clubこと有限会社キックオフが拾い上げてくださいました。

残る1冊「Liebeslieder(愛の歌)」は今もそのままになっているはずです。どこかの出版社が再発売してくださいますように。

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